ミーハーのクラシック音楽鑑賞

ライブ感を交えながら独断と偏見で綴るブログ

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」@NHK音楽祭

2017-09-12 10:45:57 | N響
先日(9日)NHKホールで開かれているNHK音楽祭のNHK交響楽団「ドン・ジョヴァンニ」(演奏会形式)を聞きに行ってきた。音楽はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。ステージ演出は佐藤美晴。主な出演者は下記の通り。

ドン・ジョヴァンニ:ヴィート・プリアンテ
騎士長:アレクサンドル・ツィムバリュク
ドンナ・アンナ:ジョージア・ジャーマン
ドン・オッターヴィオ:ベルナール・リヒター
ドンナ・エルヴィーラ:ローレン・フェイガン
レポレッロ:カイル・ケテルセン
マゼット:久保和範
ツェルリーナ:三宅理恵
合唱:東京オペラシンガーズ
《15時00分開演、18時35分終演》休憩1回

このオペラ、基本的に主役はドン・ジョヴァンニとレポレッロであるが、今回の舞台は演奏会形式というせいもあるかもしれないが、一体誰が主役なのと思うぐらい脇役陣の歌声が素晴らしかった。

舞台には指揮台の左右には長椅子が置かれていて、出演者はその前で歌うのだが、それ以外にもオケのバックの空間やオケの中に入って歌ったりとかなり動きがある。また照明を多様して、小道具を用いたりと小芝居ながらも小洒落た演劇的要素を入れている。この演出がオケの音色と上手く融合していて、下手に仰々しいオペラを見るより快感である。演出の佐藤美晴はグッドジョブだ。

出演者では前述した通り脇役陣が素晴らしい。なかでも騎士長役のアレクサンドル・ツィムバリュクとオッターヴィオ役のベルナール・リヒターの艶やかにして伸びのある歌声は白眉であった。この2人、日本ではまださほど有名ではないようなので、機会があれば新国立劇場に登場してもらいたい。それにしても、こういう若手有望株を連れてくるパーヴォ・ヤルヴィは大したものである。

さて、そのヤルヴィが指揮するオケだが、モーツァルトの優美な旋律をごくごくオーソドックスに演奏する。それゆえにモーツァルトを聴くと眠くなる私は、この日も前半は時にウトウトしてしまう。しかし、後半になるとヤルヴィはかなりドラマティックさを求めるかのように音色に緩急を加えていく。そして、比較的小編成の12型対向配置のオケが芝居同様に躍動感ある清々しい音色を奏であげていた。



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