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シャープが、躍進の主要事業であった、液晶部門を売却するという。ウームこれは苦しそうだ。

2015年10月30日 21時23分29秒 | 日記
 関西系の家電メーカー、サンヨーはパナソニックの傘下になり、充電池部門はパナソニックに、白物家電は中国家電メーカーハイアールに売却されサンヨーブランドは消えてしまった。

 そしていま、シャープが苦悶している。 シャープの躍進を支えた液晶が、今では韓国、中国メーカーにコスト、生産規模で太刀打ちできなくなり、とうとう液晶部門の売却先を探しているという。

 半導体部門でも日本メーカーは追い込まれている立場であり、ソニーもイメージセンサーは技術面もコスト面も競争力を持っているが、スマホの製品の世界では、アップルやサムスン、中国メーカーの販売シェアには太刀打ちできない。

 今のところ、日本の製造業では自動車メーカーや自動車部品メーカーは競争力を持っているが、鉄鋼メーカーも中国メーカーの影響か苦戦を強いられている。

 考えてみれば、少なくとも世界的に圧倒的なブランド力を持っていた家電メーカーが、なぜここまで後塵を拝することになったのであろうか?

 筆者は、日本の家電メーカーが韓国、中国メーカーに販売シェアを侵された理由の一つは、デジタル化の結果ではないかとみている。

 液晶の生産が伸びたのも、パソコンのブラウン管ディスプレイから液晶ディスプレイに置き換わってからであった。 デスクトップ型のPCが性能向上とともにノート型のPCが普通になってしまった。

 そしてパソコンの主要パーツは、デジタル規格の統一が図られ、例えばノートパソコンなどでは、特長のある製品が作りづらくなったといえよう。

 テレビにしても同じことが言える。 アナログTVの時代には主流であったブラウン管方式のテレビでは、ソニーの開発したトリニトロン方式が良いとか、パナソニックのクイントリックスが良いとか、メーカーによる差別化を図ることもできたが、現在の液晶デジタルTVでは、主要パーツを集めると、ほとんど差のない映像を映し出すことができる。

 メーカーによる製品の差別化が困難な時代になってしまったのだ。

 もう一つ、日本メーカーがシェアを食われたのは、品質管理を不良発生ゼロにすることと、勘違いした為ではないのだろうか?

 このこだわりが、ニューモデルの発表タイミングを遅らせ、デジタル製品のような開発競争の激しい製品の発表に、後れを取ってしまう。

 もちろんこれがすべてではないだろう。今日はシャープの苦境のニュースで、ついつい感慨にふけってしまったようだ。


(東京新聞Webより貼り付け)

シャープ液晶売却、複数社と協議 9月中間、赤字836億円
2015年10月30日 19時13分

 シャープの高橋興三社長は30日、東京都内で記者会見し、不振にあえぐ液晶事業について「(売却や提携で)複数社と協議している」と初めて明言した。2015年9月中間連結決算で純損益が836億円の赤字に転落したと発表。液晶は業績下振れの最大要因となっており、経営再建に向け交渉を急ぐ。

 具体的な社名については明かさなかったが、官民ファンドの産業革新機構や、台湾の鴻海精密工業と接触を続けている。事業の売却や本体への出資受け入れといった案が浮上している。

 決算では、営業損益も251億円の赤字(前年同期は292億円の黒字)だった。

(共同)

(貼り付け終わり)