考えるのが好きだった

徒然でなくても誰だっていろんなことを考える考える考える。だからそれを書きたい。

役人と学者「最初に何々ありき?」

2006年12月07日 | 教育
 私が思いつくことくらい誰かが他に書いてる気がするけれど、学者と役人の違いは、前提を疑うか疑わないかの違いだろう。

 学者は基本的に「前提」を疑う。それで、新しい方向性や価値観を見出そうとする。他方、役人は、ある前提を元に突き進んでいく。でないと、「政策」は遂行できないもの。
 今の学校が行っている「教え方」(←あくまでも、「方法」ね。)は、前者の立場より、後者寄りになっているように思う。
 施す教育の質そのものは前者のあり方を目指していたつもりだったのに、いつのまにか、はっと気が付いたら実は後者だった、って感じ。

 やっぱり、どー見ても、書き込み式とマーク式が最悪。無意識のうちに思考を規定する。


20 コメント

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東大と京大 (森下礼)
2006-12-07 23:11:28
役人と学者と言えば、東大は役人養成大学、京大は学者養成大学と、例えられますね。司馬遼太郎が書いてますが、東大は欧米の進んだ思想・科学・技術を日本の津々浦々に伝える「配電盤」でした。そして国家の維持を担う役人を多数輩出したわけです。その役割からは比較的自由だった京大は、学者を輩出したわけですね。これまでのノーベル賞(科学3賞)の受賞者は京大のほうが圧倒的に多いですし、数学のフィールズ賞でも、東大1名、京大2名と、これもまた京大がリードしています。役割が違ったといえばそうなんですが、東大出ても役人にも学者にもなっていない私、京大にいって数学を専攻したかったですねえ。
 と言うのも、東大には「進学振り分け(シンブリ)制度」があり、たとえば理科一類に入学してもその後1.5年間の成績によって進学学科が規定されるのです。類似の制度は北海道大学にもあります。京大とか東北大なら、数学科に入ればそのまま数学科に進学できるのです。どっちがいいかなあ。
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入試問題 (ほり(管理人))
2006-12-08 00:07:57
森下礼さん、コメントをありがとうございます。

入試問題からして違いますよね。京大は、じっくり考えさせる問題で、東大は論理的処理問題(?)の時間勝負でしょうか。問題数も違うと思うな。
英語だったら、文章の内容は、京大の方が絶対に面白いですよ。
進学振り分け制度は、理系はキビシイと聞いたことがあります。
ある中程度?の大学が、進振りのような制度にして、受験者を減らした、という話を聞きます。
理系って、工学系は、生徒の好みがはっきりしているのが不思議。でも、最近は、電気電子志願者が少ないと聞きますが、確かに、面談しても少ないです。昔は結構いたように思うのに。希望と言っても、世間的な流行廃りの影響が大きいようですね。
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工学部のはやり廃り (森下礼)
2006-12-08 07:13:33
工学部は特に人気のはやり廃りが大きいですね。私よりひとまわり上の世代であれば、「造船工学科」が花形でした。そんな人が私の高校の教師をしていて「選択を誤った」と言っていました。
 私のころの花形だった「電気・電子工学」、そうですか、今人気がないんだ。
 人気のない学科がいくつか集まって再構成される傾向が最近あります。いわく「システム創成学科」(確かこんな名称)。カタカナ学科を東大で見たのは、この例が初でした。うすっぺらな感じです。今年はじめ「東大生が書いた頭が良くなる算数の教科書」を出版した東大学生起業サークル・TNKの初代代表・保手濱彰人さんは、この学科の「おちこぼれ」です。(以前ブログでこの本の書評を書きました。メタクソ。)
 学業(権利)をほっぽりだして起業(義務)にうつつを抜かす。その事業とは「塾経営」だそうです。
 工学部であれば、旧来変わらず「機械工学科」がもっとも普遍的だと思いますね。
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追加 (森下礼)
2006-12-08 09:09:49
さきほどの記事、塾関係者を悪く言っているのではありません。以上携帯から。
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Unknown (しゅー)
2006-12-08 18:27:34
進振りは文系ではそれほどの規定性を持たないような感じがします。理系とは違って、あってもなかってもいいや、みたいに個人的には感じていますw

東大生が書いたなんたら本は数冊読んだことがありますが、惰性的な部分を感じることもたまにあります。

入門的な本が多いようですが、なぜ入門にこだわるのかがいまいちぴんとこない。「東大生が書いた本格的な学問書」というコンセプトでつくる本のほうが、内容が多少荒削りであったりしたとしても個人的には読む気がするんですが。どちらかというと、「わかりやすく教えて・あ・げ・る・うふ・入門書」みたいなコンセプトの本がほとんどのような感じがします。で、そういう本なら他にも良いものが一杯あるわけで、あんま触手が伸びませぬ、うふ、暴言。
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人気学科 (ほり(管理人))
2006-12-08 20:53:49
森下礼さん、コメントをありがとうございます。

何年か前に工業系の大学説明会に行ったとき、(って、私、担任するのは理系クラスが多い。笑)セラミックスなどの研究は人気がないと言っていました。機械が人気あるのは、ぱっと見てわかるのが面白いみたい。
機械科が一般に難しいのは、機械そのものが難しいかどうかの問題ではなく、そんな風に人気があるせいだと知ったのは、教員になってからでした。
子供の時でも、一番馴染みやすいものですね、きっと。男の子がほとんど赤ちゃんの時に車のおもちゃを喜ぶことから、既に機械科の難易度が上がるようなものですね。

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入門書 (ほり(管理人))
2006-12-08 21:09:00
しゅーさん、コメントをありがとうございます。

東大生の書いた入門書、一冊も読んでいません。何だか名前で売ろうって、根性がイヤラシイ気がして手に取る気になりません。(結構食わず嫌いです。笑)

入門書だったら、書きやすく感じるのではないでしょうか。
でも、入門書こそ切り口が大事だろうからなぁ。。。
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ただ一冊 (森下礼)
2006-12-08 23:43:39
ほりさん、しゅーさん、コメント、サンキュー。
「東大生・・・」というタイトルの本、一冊は読む価値があると思います。ただし、ただ一冊で十分です。出来れば自腹を切って購入するのがよろしい。自腹を切る分、損した気がするので、「ブログのネタにしないでおくものか」という感じになることを保証します。次善の策として図書館の本を借りれば、気軽に楽しめます。
 ほりさんが指摘されているように、「東大の金看板」を最大限利用してやろう、という意識が見えますね。ただその内容たるや、「東大生が書いた頭が良くなる算数の本」であれば、だいたい「算数=小学生が学ぶ教科」という前提が欠落していて、かなり高度な「数学」を教えています。だからこの本は「教科書」ですらありません。唯一、この本を書いた人たちの知的レベルが知れるというメリットがあるのみです。
 「起業、起業」と言う学生には、私は「学問を舐めるな!!」と言いたいですね。あまりに大学で学ぶということの意味を軽視しているように思えます。
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Unknown (heisan)
2006-12-09 03:49:43
> 入門的な本が多いようですが、なぜ入門にこだわるのかがいまいちぴんとこない。
 それが販売上の戦略だからでしょう(笑).内田先生の言葉をお借りすれば,それはさしずめ,彼らが「『消費者はバカだ』ということを企業活動の前提にし」,「うつろな幻想を追う消費者から収奪することを経済活動の根幹にしている」からと考えれば話の辻褄が合います.
 入門書に手を出すのはその分野について何も知らない人たちです.知識の有る人が知識が無い人たちを欺く(というか弄ぶ,いいように操作する)ことほど簡単な事はありません(※).

追伸1:
 正気であればこんな本は,気恥ずかしくて上梓できません(笑).ただ,ここでいうところの「正気」でない人が増えてきているのも事実です.理由は「そうでもしてないと食ってらんねー」からではないでしょうか.本以外のメディアがたくさんできてしまった現在,既存のメディア業の経営は厳しいものと推測されます.その外にいる者はその辛辣な内情を酌むべきでしょう.誰しも「自分が生きのびる」ことが大切ですから(苦笑).

追伸2:
 これって学校の先生が日常的にやってることなんですよね~.「自分が彼らをいかようにも導くことが可能である」という徹底的な自由こそ,教師業の魅力の一つではないかと思っています(怖れながらw).
 人間はその生活において,表出の仕方に差はあれど「自分自身が外界に影響を与えた」ことの確たる証拠を得て納得し満足する存在であります(あくまで私の仮説です.例1:この人は私を必要としてくれている→だから私も生きなければ.例2:目の前の消しゴムを左から右へ動かす.この動いたという事実はいま確実に"私の手"によってなされた.→ 私は満足である.例3:数学者が未知の定理を発見して「この定理は,世界中の,いや,地球上に存在した全ての人類の中で,私が見たのが初めてである → 死んでもいいと思うほどの喜びを感じる.).
 価値というのは,転落する可能性があるにも関わらず転落せずにおれることにあります.それを担保しているのはすなわち自分自身の意思と行為の結果に他ならないからという理由に,理由を収斂させることができるからです(他に理由が考えられない.→ 確かにこれは私の行為によるものなのだとの確信をより強める).教師業というのは,この意味において「生徒たち自身の人生を台無しにしてしまうこともできるのだが,あえて私はそうはしない」ことに教師は自分が教師をやっていることの価値を感じているのではないでしょうか(笑).無論,「そんなに簡単ではない」という現場サイドからのご批判があることを承知の上でのコメントですが(笑
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新聞記事 (ほり(管理人))
2006-12-09 09:58:14
森下礼さん、コメントをありがとうございます。

「東大生が書いた~」がよく出た頃だったかな、新聞の記事に、有名私大と言っても首都圏で強いだけで東大は全国区だから、売れる、みたいなこと書いてありました、そういえば。
失礼ながら、東大生と言っても、「学部生」ですから専門家ではないでしょう。中に凄い人がいるのはわかるけれど、まだまだこれからって人がほとんどでしょう、と基本的に思っています。
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