考えるのが好きだった

徒然でなくても誰だっていろんなことを考える考える考える。だからそれを書きたい。

くどいようですが、書き込み式問題集

2007年02月07日 | 教育
を、なぜ、他の人(教員)は、疑問に思わないのでしょうか?

 何をどのように考えても、諸悪の根源としか思いようがないのですが。

 確かに、生徒は便利で良いことでしょう。何をどんな風に勉強をしたらいいのか、一目瞭然です。でも、その反面、「何をどのように勉強をするのかを考える能力」は養われないということになります。しかし、これこそ勉強ではないでしょうか。しかし、勉強する内容があまりにもあからさまな書き込み式問題集は、この能力開発を阻害するのです。

 「学習することで得られるもの」に書きましたが、生徒が勉強を通して学ぶのは、「知識・技能」という何らかの作業の結果だけではないのです。「学ぶということ」そのもの、或いは、「学ぶ方法」そのものを学ぶのです。でも、書き込み式では、「学ぶということ」も「学び方」も学べなくなる。彼らは知識・技能だけを得る「学習マシーン」になるのです。

 学力が低下したと言われるので、「知識・技能」といった結果としての学力そのものに目が行きがちです。

 しかし、今の時代に必要とされるのは、「学習しつづける能力」ではないでしょうか。日進月歩の毎日です。今日学んだことは、明日にはもう古くさくなる。そのときに威力を発揮するのは、結果としての「知識・技能」よりむしろ、「学ぶ力」ではないでしょうか。
 
 確かに今の子供は、何を勉強したらいいのか、どのように勉強をしたらいいのかを知りません。それで、知識・技能もないかもしれません。書き込み式で、「最低限の知識・技能」を習得させることは可能かもしれません。しかし、そうやって学習を続ければ続けるほど、実は、彼らは「学習する能力」をどんどん失っていくのです。
 結果としての知識・技能だけに目をやったのでは気が付きようがないことです。しかし、視点を少し変えれば、常に受け身で、要求されたことだけをこなそうとする態度でしかものを考えない生徒の姿に気が付くでしょう。

 私は、「学習する能力の欠如」が、「ゆとり教育」を補完するために行われている「効果的・効率的な学習」の最大の弊害だと思います。

 しかし、賛同する声を聞かないのです。


4 コメント

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Unknown (heisan)
2007-02-07 23:34:17
> しかし、賛同する声を聞かないのです。
原因と弊害の因果関係を検証できればいいですね.
教育方法論とかを専門にしている人でそういうことをやってる方は(どこかに)いらっしゃらないものでしょうか…
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検証。。 (ほり(管理人))
2007-02-07 23:48:31
heisanさん、コメントをありがとうございます。

もともとは、教員側からの要請で出来てきた物だから、どうしようもないんですよ。(笑)私が言うと、自分で自分の首を絞めているようなものです。

にしても、ここ十年以内のことなんですよねぇ。。

疑問を持たない人に疑問を持たせることは不可能です。(笑)

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賛同します (madographos)
2007-02-10 23:30:18
お久しぶりです。全面的に賛同します。
 ご存知かもしれませんが,藤澤伸介氏が,『ごまかし勉強』上・下(新曜社,2002年)で,1970年代までの勉強のしかたと1990年代以降の勉強のしかたに変質があることを詳細に分析しておられます。 正統派のじっくりと腰をすえた勉強がすたれ,正統派の参考書が売れなくなり,即効的な効果を求めるように学習者もそれを取り巻く教育業界もが変わってしまったようです。
 そろそろ正統派を復権させなければ危ないと私も思っています。
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ををっ。。 (ほり(管理人))
2007-02-11 01:08:18
madographosさん、コメントをありがとうございます。

>藤澤伸介氏が,『ごまかし勉強』

存じませんでした。ありがとうございます。早速読んでみたいと思います。

賛同していただけたの、ほとんど初めてのように思います。
なぜ、他の人は疑問に思わないのだろう?????

>そろそろ正統派を復権させなければ危ないと私も思っています。

教員の感性が変わってきてしまったのが最悪です。

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