to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

アーティスト

2012-04-11 23:50:05 | the cinema (ア行)

原題 THE ARTIST
製作年度 2011年
上映時間 101分
製作国・地域 フランス
脚本:監督 ミシェル・アザナヴィシウス
音楽 ルドヴィック・ブールス
出演 ジャン・デュジャルダン/ベレニス・ベジョ/ジョン・グッドマン/ジェームズ・クロムウェル/ペネロープ・アン・ミラー/ミッシー・パイル/ベス・グラント/マルコム・マクダウェル

サイレントからトーキーへと移り変わるころのハリウッドを舞台に、スター俳優の葛藤と愛を美しいモノクロ映像でつづるサイレント映画
1927年のハリウッドで、サイレント映画のスターとして君臨していたジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、新作の舞台あいさつで新人女優ペピー(ベレニス・ベジョ)と出会う。その後オーディションを経て、ジョージの何げないアドバイスをきっかけにヒロインを務めるほどになったペピーは、トーキー映画のスターへと駆け上がる。一方ジョージは、かたくなにサイレントにこだわっていたが、自身の監督・主演作がヒットせず……。

1927年にはサイレント映画の大スターだったジョージ・ヴァレンティンは主演映画の舞台挨拶でファンの喝采を浴びていた。
混乱する映画館の前で、若いファンがジョージにぶつかるが
優しい彼の対応に感激した彼女はカメラの前でキスをして翌日の新聞紙面を賑わせる。
それを面白く思わないジョージの妻。
しかしその女性は、ジョージのエキストラをきっかけに彼に貴重なアドバイスを受け、
次第にトーキー映画へと移行していた時代の波に乗り、スターへの階段を駆け上って行く。。。



一方のジョージは、サイレントこそが芸術だと信じ独立して新作を作るが、
奇しくも人気者に上り詰めたペピーの新作と同時公開となってしまい、失敗に―。
追い討ちをかけるように株価は大暴落、ジョージを見限った妻に屋敷を追われる。

失意のジョージはアギー(わんこ)とともにひっそりと孤独で虚ろな日々を、ただ重ねて行き・・・


どこかクラーク・ゲーブルを思わせるジョージ役のジャン・デュジャルダンがステキにその時代の大スターの栄枯盛衰を味わい深く演じて、
彼を愛しながら、傷つけた負い目もあり、陰ながら見守るペピーの心情も伝わってきます。
何より、全てを失ったかのようなジョージが、実は温かなものは何も失わなかったという
シンプルなストーリー。

数々のサイレント映画へのオマージュを散りばめたシーンにもくすぐられるけど、
キノグラフ社での階段でのすれ違い、レストランでのインタビューの構図、
そして後半の、ジョージの深層心理に気づかせる酒のグラス、新しく踏み出すシーンに湧き出すもの…
語り過ぎない優しさと、想像する楽しさと、そして音のかもし出すエネルギーの存在を
改めて知る作品でした。

ただ、モノクロ、サイレントの作品ということで、新鮮であり
映画の原点を味わう作品で、面白い試みもありましたが、ストーリーは平凡。
愛すべき映画ではあるけど、アカデミー作品賞とるほど?という気はしました。


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mig)
2012-04-12 10:27:42
こんにちは☆
ストーリー平凡なんだけど、サイレントからトーキーへの切ない移り変わりをうまくラブストーリーに絡めたところが評価されてるのかなと思ってます。
わたしもそこまでではないんだけど、今の時代にあってる作品かなと。
リメイクや続編、3D全盛の映画界なんて、、、はやく終焉迎えて欲しい(笑)
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TBありがとお (sakurai)
2012-04-12 19:42:50
ストーリーの平凡さが、より映像を素直に引き立ててたきもしました。
ただ物語の流れに浸れる・・みたいな感じ?
最近と言うか、いつもなんですが、小難しい映画に眉間にしわ寄せ映画見ているのもちょっと疲労気味で・・。すっかり癒してもらいました。
癒しの映画かもです。
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ワンコ、最高~ (マリー)
2012-04-12 22:36:28
こんばんは~~♪
コメントまだでしたっけ・・・遅れちゃった。ゴメンなさい。

ワンコが最高!本当に可愛かった~~~。

この時代にモノクロ、サイレント・・・ってどうなの?と思ったけど新しい試みとして受け入れられたかな。
でも~へそ曲がりの私は、やっぱり“声”が聞きたいのでした。
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サイレントだけに (ノルウェーまだ~む)
2012-04-13 00:10:01
kiraさん☆
台詞のないサイレントだけに、ストーリーは分かりやすかったですね。
その単純さをどう演出するかで、なかなかに成功していたんじゃないかな☆
最初ちょっと眠くなっちゃったけど、結構好きです~
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migちゃん♪ (kira)
2012-04-13 00:53:55
>リメイクや続編、3D全盛の映画界なんて、、、はやく終焉迎えて欲しい
ソレ、私も同感~

だけど、ココにきて映画愛を盛り込んだら賞絡み、みたいになっても
それもどぅなの?っていう感じ
ストレートで解りやすい作品できらいではないけど、
「タイタニック」観てきたから、
やっぱりこういう声とセリフに胸が締め付けられる方がいい
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sakuraiさん♪ (kira)
2012-04-13 00:58:34
>小難しい映画に眉間にしわ寄せ映画見ているのもちょっと疲労気味
はい凄く同感~
ただ、、慣れないサイレントは、ある意味音やセリフがない部分で
表情の見逃しや、自分の理解に、
ホントに合っているのか?という緊張感があり、
疲れた割りに単純で、物足りなさはありました~
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マリーさ~ん♪ (kira)
2012-04-13 01:15:09
奇をてらったようなモノクロ、サイレント、でも、中身は優しい。
誰にでも解る愛だよ~。でしたよね
これは映画好きな方には絶賛されていますが、
心地よい作品だけど、
わたしもやっぱり物足りないストーリーでした
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ノルウェーまだ~む♪ (kira)
2012-04-13 01:22:27
そうですね~。
単純なお話の見せ方で結構楽しめましたし、
それにも限界はあるので、ちょうどいい長さ、
丁度良い設定だったかも~。
複雑な設定、展開はこういう作品には合わないってコト、再認識しました~
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こんばんは~♪ (JoJo)
2012-04-13 23:51:54
Kiraさん、こんばんは~!

本作、モノクロなのは知っていたのですが、
サイレント映画だったのですか!
アカデミー賞を獲った作品ということで
興味があったのですが、物語としては
平凡なのですね(笑)

ただ、きっと今飽和状態かつアイデア不足
のハリウッドにおいて、
こういう古き良き作品を意識したものが
再び脚光を浴びたということは、
何かしら制作側が”原点回帰”を目指している
印なのかも!?

映画界に、ふたたび黄金期が訪れることを
ひとりの映画ファンとして願うばかりです
・・・って何を真面目にわたしったら
コメントしてるんでしょう(笑)

ところで、下記事の「幸せのちから」
わたしも感動した作品のひとつです。
不屈の精神、これこそどの時代にも
必要なものなのかもしれないですね・・・。
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JoJoさ~ん♪ (kira)
2012-04-14 21:12:37
こんばんは~

そうなんですよ~
モノクロ、サイレント、100分というところで、ストーリーも
想像の範疇だし、DVDでいいかな~というかんじだったんですが、
あまりに巷の評判がいいので、うっかり観にいきました~(爆)

ハリウッドの原点回帰も、いわば脚本家不足の末、、という気があわわ

で、前作を3Dにして公開された「タイタニック」を観たら、
やっぱり満足度がちがうのよ・・・
やり過ぎない3Dだから、結構新鮮だったわ

「幸せのちから」、主演俳優が苦手でスルーしちゃったんですが、
凄くいい作品だったんですね~。
負けない魂もよかったし、やはり経歴(履歴書)だけで採用しない、
コトバノキャッチボールがあって判断する企業、チャンスを与えるトップの姿勢に感心しきりでした!
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