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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

鮎川賞

2017-12-27 11:40:17 | 本と雑誌
今村昌弘「屍人荘の殺人
この賞の受賞作ってあんましチェキしてなかったと思う、と書いてから検索したら最初の頃は芦辺拓(&二階堂黎人)、加納朋子、近藤史恵、愛川晶、北森鴻とまさに錚錚たるメンバーが並んでる、だが私は彼らのほとんどを受賞者として知ってたわけじゃないと思う(加納朋子は知ってたんだったかも)、二作目以後で世に知られたヒトの方が多いハズだし
だから本作ももちろん知らなかったがたまたま太田さんが薦めておられたしソニーがおいてたので迷わずダウン、このところ衝動買いが続いてるがこれもちょっとばかし金が入ったから(年末調整があったのだ、この調子だとたちまち使い切っちゃうにゃ)・・・なんてね、たぶんこれは依存症なのだ、必需品(食料、衣類、靴、バッグ等)でなくて買いたいものはあんましないが酒と本は別、CDやDVDはやめてもよい(と書いた直後に「猟銃」を検索してみたらVHSしかなかった、よかったね)

ということとは全然関係なく本作は今時珍しい「嵐の山荘」である、なぜ出入りできんくなったかと言えばバイオテロに感染してゾンビになっちゃったヒトたちに囲まれたから、ゾンビというのはバンパイアの親戚で噛まれることで感染する、それ以外の方法では増殖できないので生身の人間がいる場所を求めて集まる性質があり、ロックフェスで大量感染した集団がたまたま合宿の学生が集まった山荘を包囲してドアに体当たりを繰り返す状況とは相成ったのである・・・(全人類がゾンビ化したらそれでしまい、どうやらそれがテロリストの目的らしい、いったい何のため?という説明はない、これから続編があるのかもしれないがあんまし聞きたくないやうな)
幸いドアは建物内のあっちこっちにあってわりと頑丈な上に全て外開き、ゾンビはドアを引っ張るという知恵がないのでしばらくは開かない、だが破られるのは時間の問題、みんなはゾンビにされちゃうのか・・・となればパニックになって当然のところが語り手を含む登場人物たち一人を除いてわりと冷静、一人など殺人計画を立てて堂々とそれを実行しちゃうほど、さてその一人とは?

残念ながらフーダニットとしての驚きはない、怪しいヤツが犯人だからではなく全員が怪しくないので誰が犯人でも驚かないというか驚けないのだ、私はもちろん読めんかったが「そっか、そんで?」である、何せ騙されるの大好き人種だからうまく騙してくれない作者にはあんまし好感を持てない、機械トリックにはあんまし関心ないから手品のタネ明かしされてもさほどうれしくないし「そんな力ワザ一人でできるの?」とツッコミ入れたくなるだけだったりする(自分はマッスルゼロ、重いモノ動かせない人種なのだ、あ、これネタバレになってないよね)

それと基本的なミス、巻頭の見取図が間違ってるよ、206と208の設定が逆、電子版は「図を見ながら」読めんので読み終わってから見なおして(ドアの開き方を見て)「え?」と思った、印刷版を読んだヒトが気付かんハズはない、私ごときが気付くことに誰もつっこんでないとこ見ると間違ってるのはソニー版だけなのかね?

もう一つ「紫湛荘」ってシタンソウとしか読めんのじゃないか、何でシジンソウなの?

やけでもう一つ-最後の被害者/ゾンビが忘れられてるよな

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