事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

やっとみつけたが・・・

2015-09-30 14:08:52 | 日記
家蝿とカナリア」、マクロイ作品をかたっぱしから読んでたがなぜかこれだけはどこの本屋にもおいてない、どうなってんだかと思ってたら先日丸善で無事発見、早速読了した、感想は「幽霊の2/3」に近いかな、犯人が気に入らん、あれと違ってしょーもないヤツだからじゃなく気の毒なヤツなので・・・おっと以下ネタバレ、未読のヒトは読んじゃダメだよ

芝居の最中に登場人物の一人が刺殺された、機会があったのは3人だけ、そのうち女は被害者と(金目当てに)結婚するつもりでいたから殺す理由がない、となれば犯人は男2人のどっちか、作者は若い大根役者の方に嫌疑をかけたいようなのだが、それがあんましロコツなのでこれはニセ犯人っぽい、もう一人はいい役者だがひき逃げで服役してたってところが何かわけありげ・・・実は私、最後までニセ犯人=真犯人ならいいと思ってた、そっちの方が驚いたのじゃあるまいか

細かいツッコミ、血中に酪酸は普通ないよ、ヒトもあろうにこの探偵がそこをまちがうわけはない、アセトンと言ってくれたまえ、他にも何かこのありふれた病気を誤解してるような気がするな、私は最初のちょっとした描写からもっと重篤な疾患のそれも末期じゃないかと思ってた、それでしっかり舞台映えのする役者が勤まるなんて奇跡だよと思えば別にそういうわけではなく・・・知らないヤツは強い(これも「幽霊」と同じ)

最後に一つ、カナリア、ちゃんと捕まえたろうな、外へ放り出したら死んじゃうって自分って言ってたじゃないか!

カーは続くよどこまでも

2015-09-29 15:21:00 | 本と雑誌
眠れるスフィンクス」これはKindleにあるみたいね、ソニーにもあったので購入、けっこう時間をかけてようやく読み終わった、カーはやっぱしWho done it?作家だね、よくまあこれだけ犯人を作れるもんだ、「世界で一番たくさん密室でヒトを殺したヒト」(へえ、ずいぶん悪いヒトなんですね)はたぶんマチガイ、「世界で一番たくさんユニークな犯人を描いたヒト」じゃあるまいか・・・

舞台は戦後すぐのロンドン、戦死したことになっていた主人公は昔の恋人に会いに行く、彼女の義理の兄貴(主人公の友人、主人公は彼らの結婚式で介添を勤めた)は奥さん(つまり恋人の姉)は半年前に死んだ、恋人はもう君のことを忘れてるから会わない方がいいという、若い女がいっしょにいてこれが確か結婚式でフラワーガールをやってた(でもってなぜか泣いてた)女の子、そこへ恋人が現れた、彼を見て大喜びで早速話し始めたのが姉の死について、何と亭主に虐待されて自殺したのだという、だが死亡診断書を書いた医者の見立ては典型的な妄想、彼女は精神科医にかかった方がと・・・はい、ツカミOKね、妄想と現実の区別は意外にむつかしいという例(あれ、これしょっちゅう言ってるような)

実を言えば亭主は無罪だったし、恋人は精神病ではないにしてもヒステリー(これが重要なキーワードになっている)に見えなくもない、少なくともウソつきには違いなかった、だが結果オーライ、姉の死はまちがいなく殺人だったのだから・・・タハハ、何かご都合主義、作者がカーである限り主人公の恋人が犯人てことはありえないもんね、でもまーいー、この犯人には納得だから(上から目線)

ところで・・・あんまし関係ないけど中島河太郎が評価してるカーのオカルト趣味ってどんなんなのかな?これほどの合理主義者もそうはおるまいと思うんだが・・・あ、もしや「火刑法廷」?あれだけは確かに「まさか」な不合理解決だわなあ、中島ってそういう趣味だったのか、知らんかった(違ったらゴメン)

さても無限というモノは

2015-09-28 11:56:04 | 本と雑誌
異端の数ゼロ」、数学オンチなのに数学の本をみると買わずにいられない、全く因果な性分である、昔のヒトがいかにゼロを拒否してたか、ゼロとその逆数無限を飼いならすのにどれほどの時間がかかったかということを丁寧に説明してくれてる、わりとわかりやすい本、というか私にわかるレベルのことしか書いてない本というべきか、数学はとっくに私の理解を超えたところへ行っちゃったけど、物理はどうやら理解可能な範囲を超えられないというか、つまりは宇宙をわかるように説明することは今のところ不可能で、ここ何十年かあんまし変わってないということらしい、あ、もちろん波動関数とかは私の理解を越えてるけどね、そいでも数学は宇宙を説明するには不完全って話だったかな?まーどーでもいーやね、その辺になるとどうせ物質じゃないものの話になっちゃうし、物質じゃないもののことがわからんくても地球上の物質を理解するのにさして困ることはないハズだし(それだってまだ理解するにはほど遠い)、宇宙のどっか、いやどっかよその宇宙に物質でないものでできた物質みたいなもの(何だそれは?!)があるかどうかってことになるとこれはもうSFというかアメコミでしかありえないしね

ところでオビにいわく「これが面白くないというヒトはゼロを全く知らないか神かどちらか」、でこれ書いたヒトのブログを見ると「これに不満のないヒトもやっぱそのどちらか」とのこと
なぜかというと漢数字の世界が全く無視されてるから、江戸期の日本は円周率を算出するところまで(つまり私の理解を越えるところまで)進んでた、にもかかわらずそこにはゼロがなかった、ソロバンにはゼロがあるのにあっさりスルーされていた、ゼロのない数学がここまで進んだという事実を無視するとは何事・・・
ハイ、ごもっとも、だけど西洋世界に全然影響してないからね、中国の天文学は西洋へ輸出された(らしい)けど日本は明治になって西洋からゼロのある数学を輸入しただけだった、そら西洋のヒトに何か言えという方がムリというものじゃあるまいか、そう言えば偉大なアルキメデスだってゼロを使ってなかったのじゃない?

ということとは全然関係なく・・・いろいろわからんことはあれど宇宙は何もないところから始まってそのうち何もなくなって終わる、は基本的に正しいんだよね、そんだけわかれば十分のような気がするけどな、物質第一主義者としては・・・

シネマ歌舞伎

2015-09-27 15:57:28 | 映画
海神別荘」、1回は見るべきだが1回見れば十分とか前に言ったが鏡花台本となれば話は別・・・というよりたまたま日曜が空いたので行って来た、青空をダウンして上演前の劇場で急ぎ予習、ソニーは便利だ

歌舞伎と言うにはちょっと異色だろうね、腰元たちこそ普通に和装だが男性陣は国籍不明の異装、美女は不思議なドレス、でもって伴奏はハープ(これが実によく合ってる、新派で初演の時からそうだったらしい)、セリフ回しもかなり当世風(特に海老蔵演じる竜神、もちろん大正ロマン風って意味)

ということとは全然関係なくこれが本来の「夜叉が池」だと思う、岐阜県人以外のヒトにはあんまし馴染みのないストーリーだと思うけど、とある長者が雨を降らせてもらうのと引き換えに娘を池の主へ差し出す、蛇身となった娘は親の長者にもう二度と来てくれるなと言うのであった・・・人柱を要求する怪獣は退治されることが多い(たとえばヤマタノオロチ)が、このお話のヘビはともかくも女の子を嫁として扱ってるようだし長者の方も雨を降らせてもらった恩を感じて強引に娘を取り返そうとはしない、子供の私は二度と会えなくなった親子が気の毒でたまらず別にヘビでもいーじゃないか、たまには会えばと思ったものであったのだが・・・

という何とも悲しい犠牲のお話が鏡花の手にかかると我欲のために娘を差し出し蛇身の娘に鉄砲を向ける人の父親と、美しいものを愛でるがヒトならぬ身ゆえ家族の情とはどんなものだかさっぱりわからない竜神の間で振り回される、だが決して気の毒一方ではないしっかりものの女性の、ともかくもハッピーエンドなお話になっちゃうのである

これでいいのかなあ、元ネタを知ってるから(鏡花だって知らなかったハズないと思うんだが)、オヤジさん一人に罪を押しつけるっていささか釈然とせんのだがなあ・・・・・

ところで・・・かのスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」もそのうち上映予定だそうである、当代猿之助のヤマトタケル、香川照之(中車)の景行天皇、これはちょっと見たいね、チャンスあるかな?(なさそう)

やっぱしカーは面白い

2015-09-26 21:41:05 | 本と雑誌
緑のカプセルの謎」、これも瀬戸山推薦、「じゃあ実験してみようってそれじゃ死んじゃうじゃない」、ホントに毒を飲んだらね、飲んだ本人はただの下剤だと思ってたんだから

雑貨屋で売ってたチョコレートにストリキニーネが入ってて食べた子供が死んだ、その子にチョコを買って来てと頼んだ令嬢が怪しい、だが何となく怪しいだけで犯行方法は見当つかないしそも無差別殺人なんかやって彼女にいいことがあるとも思えない(事実全然よくない)
大金持ちのモノ好きなオッチャン(令嬢の伯父)がやり方を思いついた、実験するから見てくれとみんなを集めて(と言っても3人だけ)芝居を始めたと思ったら正体不明の人物に青酸を飲まされて死んでしまった、さてあの正体不明は何者?何とこれが(登場人物少ないから)即わかりそうで意外とわからない、芝居の様子はシネマに撮られていたのだがさてそれを再生してみると・・・
なるほどそう来ましたか、でもホントはそれ変なんだよな、今のビデオじゃないんだから撮ったフィルムを即再生はできんハズだろ、死んだオッチャンはいつ現像するつもりだったんだ?

ということはあるけど犯人には納得、これでいいのだ(上から目線)

関係ないけどこのカバーはミスディレクションだな、チョコがマーブルと同じガラス瓶に入ってる、それもお菓子屋のじゃない微妙にフシギな形の、ここはやっぱ紙箱を描いてもらいたかった、でもそれじゃチョコだってわからないか、そも何で紙箱なのかというと・・・めんどうだからやめ、こんなトリック読者に読めるわけないんだし(わけわからんくてゴメン、買って読んでちょと言いたいにも古書しかないしね)

そうそうこのタイトルも地味ながらなかなかよいのじゃあるまいか、犯人(と後でわかる人物)のちょっとしたセリフにあれ?と思うヒトは思うハズなので(別に自慢にゃならんけどスレッカラシの私は思ったよ、でもそん時はまさかだった、あ、もう完全ネタバレ)

追記-考えてみたら一番の難はなぜ犯人が店のチョコに毒を仕込んだのかそんな不確かなマネをしたのかまるっきしわからんということじゃあるまいか、当の令嬢が食べて死んじゃった可能性ゼロじゃないどころかかなり高かったんだから