事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

古野まほろ

2016-08-14 18:43:02 | 本と雑誌
群衆リドルYの悲劇'93」たまたまコンビニでみつけてあとがきをめくったら「ある意味自分の処女作、どんな意味でも本格のつもり・・・」(適当の意訳)とかあったのとミステリ読みにはあまりにも意味ありすぎなYというキーワードに惹かれてソニーで購入、わりと電子化されてるけど初期の作品は(一時絶版になったとかで?)ないんだね

というわけで(どういうわけで?)私はこの作者と予習なしで対面したわけなのだが・・・何というかこれはミステリではないものじゃないかなあ?ここはファンタジーワールド、この世界に似て非なるパラレルワールド、読者にはわからない前提が多すぎる(たとえばこの国はまだ大日本帝国のままらしいとか、だからだうかと言われれば・・・・戦中を伝聞ですら知らん若いモンにはわかるまいよ、いや彼らであればこそそれなりの設定を考えられるのかもわからんが)、それに「爆裂ウィルスを使ったテロ」なんてそらシッチャカ過ぎで思案の外だよ、誰が何のためにそんなんやったわけ?そんな大変なことがわからずじまいのままこの国(ほとんど日本)は平気で暮らしてるわけ?
「吹雪の密室」(山小屋ではない)でメンバーが順番に死ぬ、そらお約束の展開だけどそうなると最後に残ったのが犯人なことは明白、だが・・・・これだけの仕掛けを単独犯にできるわけはないのは当たり前だが共犯者は誰かと言えば・・・・あのねモルグ街の時代じゃないんだから(ネタバレ)、でもその共犯者だけじゃまだムリだよな、この犯人を操って密室を構成した黒幕がまちがいなくいるハズ(犯人の設定からしてまちがいなし)、それは誰?に関して何も言ってないんじゃないの、こんなん完結したミステリと言えるかよ、お宅ミステリの定義を誤解してない?

と思わず言っちゃったけどミステリに世界共通の定義などあろうハズもない、自分が「やられた!」と言えばそれは正しいミステリ(独断と偏見)、「私ごときに読まれるようじゃまだまだ」と思えばダメなミステリ(同上)、「そんなんあるわけねーだろ」と思ったらそれはミステリではない、というのは私の勝手な定義だもんね

というわけで(どういうわけで?)私の定義によればこれはミステリではない、この作者の著書もう1冊買ってあるけどいつ読むかはわからない

あ、そうそうこれだけは言わねば
「君が殺したんだな」「ハイ」
ウソ言っちゃいけないよ語り手君、一瞬信用して「やられた?」と思っちゃうとこだった、君は犯人でも共犯でもないただの通りすがりじゃないの、あ、これもネタバレなんだろうけどかまうもんか!!