事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

城平京

2016-05-01 16:21:53 | 本と雑誌
雨の日も神様と相撲を」、丸善でみつけて作者買い、これまたずいぶん前の話なんだがようやく読了(電子版あり、しまった)

小柄で女にまごう美少年なのに親の希望で相撲道場へ通ってた主人公、もちろん弱いが相撲が嫌いなわけじゃない、徹底した理論派で理論通りに10年間ケイコを続けてるから大きな相手ともそこそこ勝負ができる、事故で両親を失くしてド田舎へムコ入りした叔父さんに引き取られた、叔父さんは警官、奥さんとは死別して義理のオヤジさんと二人で住んでいたが・・・

そこは何とも奇妙な村、この日本にありながら地震、台風、旱魃、冷害etcの天災に遭ったことがない、超高級なお米が採れて高く売れる、でも人口は増えすぎず・・・これは怪しい、何かとんでもなく邪悪なことが行われてるに違いないと思えば、まあ確かにその通りではあるのだが、それは必ずしもコトの本質ではなく・・・・(わざとらしくネタバレ自粛)

この村では「相撲の強さ」がほとんど唯一の価値観になってて、大相撲の力士をのぞいたら男どもが日本で一番気合を入れて相撲をとっているという男社会、にもかかわらず大力の女族長に従っているのはなぜかというと(わざとらしくネタバレ自粛)

村のローカルルールは大相撲とは違うので小さい主人公が意外と有利、たちまち同級生のみならず大人からも一目置かれるようになった・・・はいいが何と村を守る神様たちが彼を見込んで面倒なことを頼んで来た、神様とは「相撲をとるカエル」なのである、ネズミの相撲なら聞いたことがあるけどカエルの相撲とはいかなるもの?(ネタバレ自粛、ある意味これが最大のナゾなので)

ファンタジーだと思えば楽しい、久々に相撲好きだった頃を思い出した、だけどミステリとしてはいささかグロテスク、故にマイナス☆