ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Reggae With Soul : The Roots Of / Bob Marley And The Wailers

2023年10月10日 | レゲエ・スカ

Reggae With Soul : The Roots Of  / Bob Marley And The Wailers (2010)

気に入って時々見付けては買っている英デーモン・レコードの「Music Club」シリーズ。2枚組で対象アーティストの代表音源をたっぷり収録していてお買い得。今回購入したのは「The Roots Of ~」と題されたボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley & The Wailers)の45曲。といっても世界的に売れた73年からのアイランド・レーベル期ではなく、その少し前の1968年から72年までのレスリー・コング(Leslie Kong)やリー・”スクラッチ”・ペリー(Lee “Scratch” Perry)がプロデュースした所謂JAD音源(←当時のジャマイカは契約もいい加減で、二重契約になったりすることも多く、特にボブの死後にこれら音源が乱発されて色々と問題になった)。過去にも色んな形で同様のコンピ盤を買っているが細かい聴き比べとかはしないので、もうどのテイクがどうとか全然分からない。安ければ流し聴きする為に買う、くらいの心持で購入。

後にアイランドで再録音し世界的に認知されたヒット曲も、ここではオーヴァー・ダヴとかのないシンプルで素のままの演奏が聴ける。これが元々デモ音源だったのか、ちゃんと本国で発売されたのかは知らないが。長く聴いているとこっちの素朴で泥臭い録音(とはいっても奇才がやっているんだが)の方がしっくりと体に馴染んでくるのが不思議。世界に打って出たアイランドの約7年間の前にもうすっかり曲群が出来上がっていたことには改めて驚かされる。これを聴いた後にまた後年のアイランド音源を聴くと、昔とまた違った印象を受けたりするのも面白い。

ネット・ショップにて購入(¥480)

  • Label ‏ : ‎ Music Club Deluxe
  • ASIN ‏ : ‎ B0036V0VXQ
  • Disc ‏ : ‎ 2
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Automatic : The Best Of / Pointer Sisters

2022年06月12日 | ソウル・ファンク・R&B

Automatic : The Best Of / Pointer Sisters (2017)

2枚組で的を射た選曲が楽しめるコンピ盤、Music Club Deluxeシリーズ。この2枚組シリーズは、量的にはちょっとトゥーマッチな所もあるが、その分重要曲は漏らさず収録してくれているのが嬉しい。今回購入したのはポインター・シスターズ(The Pointer Sisters)。自分達の世代だと大ヒットを連発した80年代のイメージが強いが、70年代から活躍する姉妹グループ。当初は4人で活動していたが、ルース(Ruth)、アニタ(Anita)、ボニー(Bonnie)、ジューン(June)の4人姉妹のうち、ボニーがソロ活動で抜け、3人組に。70年代中後半にもヒットを出し、83年のアルバム「Breakout」がMTV時代とも相まって大ヒットする。自分も最初に買ったポインターズのアルバムはこれだった。自分は末っ娘のジューンが一番好きだったが、彼女は深刻なドラッグ中毒で結局辞めさせられたのだとか。現在は長姉ルースが娘や孫娘と一緒にポインター・シスターズを名乗って活動しているのだそう。

初期の代表曲から、ヒットした80年代の曲、その後の代表曲と、漏らさず収録。1枚物のベスト盤などで70年代の曲も聴いてはいたが、まだまだいい曲がいっぱいある。びっくりしたのがストーンズ(The Rolling Stones)の「Happy」をカヴァーしていたこと。自分はストーンズが主食なので、ストーンズをカヴァーした曲も随分聴いてきたつもりだったが、このカヴァーは知らなかった。彼女ららしく明るくて出来もいい。これは嬉しい。その他にプリンス(Prince)の「I Feel For You」も。ゴスペル由来のコーラス・ワークが楽しめる彼女らのゴキゲンな代表曲を網羅して、最後には「Breakout」期のヒット曲「Jump(12” Long Version)」「Automatic(12” Special Remix)」のヴァージョンが収録されているが、後年の曲は省いてもいいから(←ヒドイ)「I'm So Excited」「Neutron Dance」「Baby Come And Get It」の12” Remixも欲しかったナ。

ネットにて購入(¥1,089)

  • Label ‏ : ‎ Music Club Deluxe
  • ASIN ‏ : ‎ B06Y313R1J
  • Disc ‏ : ‎ 2
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Original Punks / Iggy & The Stooges

2021年01月28日 | パンク・ニューウェーヴ

Original Punks / Iggy & The Stooges (2006)

充実した編集でよく購入している英デーモン・レコードの「Music Club」シリーズ。今回購入したのは御大イギー・ポップ&ザ・ストゥージズ(Iggy & The Stooges)。とはいってもここに収録されているのはストゥージズの残滓といっていいかもしれない中途半端な時期のもの。再結成して73年に「Raw Power」を発表後、イギーのヘロイン中毒とやんちゃな行動で問題頻発、ギターのジェームス・ウィリアムソン(James Williamson)も出たり入ったりとバンドはボロボロ。ステージ活動も一応はあったそうだが、想像通り滅茶苦茶だったらしい。それでもレコーディングは行っていたようで、ここに収録されているのは1973年から75年頃に録音されたものに「Raw Power」のミックス違いなどが足されている。

ただ、じゃぁ曲も滅茶苦茶かというと、これがなかなか粒揃い。自分はこれらの音源を編集して1977年にフランスのBomp! Recordsから発表された「I'm Sick Of You」(ジャケ写真下左)のアナログを所有しているが、大好きなレコードだった。こちらのCD2枚組にはそれらの音源や、「Iggy Pop & James Williamson」名義で出されたアルバム「Kill City」(ジャケ写真下右)の曲を収録している。

 

まるでデモ・テープ(実際その程度だったかも)のような粗い出来栄えだが、パンクの連中に先んじたストゥージズらしい暴力的でハードなギターが鳴り響き、曲自体の出来もなかなか。聴き比べしていないので、上記のアルバムに収録された物と全く同じヴァージョンなのかどうかは知らず。曲毎の感触がバラバラなので、これがもう少しきちんとしたプロダクションで録音、ミックスされていたらこの空白の70年代中期のイギーの代表作になったかもしれない(→逆に綺麗になり過ぎて埋没したかもしれないが…)。正直、音のクオリティからいったらCD2枚組はキビシイけれど(笑)、イギーやパンク、ハードロック好きなら聴いてみる価値あり。この後、どういう経緯があったのか、イギーはボウイ(David Bowie)とベルリンに向かうことになる。

オークションにて購入(¥618)

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Love & Happiness : The Very Best Of / Al Green

2019年11月10日 | ソウル・ファンク・R&B

Love & Happiness : The Very Best Of / Al Green (2005)

アル・グリーン(Al Green)の2枚組ベスト盤。Music Club Deluxeは、英Demon Musicレーベルから出されている廉価で質のいいベスト選曲を2枚組で楽しめるお気に入りのシリーズ。このブログでも何度か紹介している。彼のオリジナル・アルバムはやっと最近1枚買っただけで全然詳しくないのだが、そのアルバムを気に入ったので他の曲も聴いてみたくなり購入。

そんな訳でこの選曲が妥当なものかどうか全然分からないが、2枚組というヴォリュームなので漏れも少ないだろう。彼のスウィートな歌いっぷりはどの曲でも前面に出ているが、自分が心に留めるのはやはりバックの演奏。ハウス・バンドの「The Hi Rhythm Section」は、ホッジズ・ブラザーズ(The Hodges Brothers)という3兄弟を中心に組まれたバンドだそうで、それぞれがオルガン、ベース、ギターを担当(ちなみにドラムスはMGズ<The M.G.'s>のアル・ジャクソン・Jr.<Al Jackson Jr.>が担当している曲も!)。どの曲でも派手な演奏ではなく、抑制された都会的な音が痺れるほどカッコイイ。自分の好きなハモンド・オルガンの音も1-7のように音数は少なくとも特徴的な音色。ここにまた抑え気味のラッパが加わる。このラッパ担当がメンフィス・ホーンズ(The Memphis Horns)。そう、あのスタックス・レーベルでも活躍した彼らだ。つまり60年代から続くメンフィスのソウルでは彼らの活躍が欠かせないのだ。この辺りの相関図はややこしくて自分でも把握しきれていないが、とりあえずはこの音楽に身を委ねるのみ。

オークションにて購入(¥527)

  • CD  (2006/2/28)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : Music Club Deluxe
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Shapes Of Things : The Best Of The Yardbirds / The Yardbirds

2017年12月30日 | クラシック・ロック

Shapes Of Things : The Best Of The Yardbirds / The Yardbirds (2010)

「Music Club」という英Demon Musicのレーベルから出ているベスト盤2枚組シリーズのヤードバーズ(The Yardbirds)版。このシリーズはどれも過不足無くまとまった選曲と、まあまあのアートワークで気に入っていて、以前にも色々なアーティストを購入している。ヤードバーズといえば、ギタリストが、クラプトン(Eric Clapton)→ ベック(Jeff Beck)→ ベック+ペイジ(Jimmy Page)→ ペイジ と変遷していて、特に最後期はレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の前身ともなっている重要なバンド。ストーンズ(The Rolling Stones)の後釜としてクラブの常連バンドとなり、その後はバンドとしてのヒットもあり人気を博したが、生き残った他のビート・バンドと比べてキース・レルフ(keith Relf)のヴォーカルは残念ながら不安定で弱く、その後の扱いも”3大ギタリストを輩出したバンド”に留まっている(3大ギタリストなんて言うのは日本だけらしいが…)。自分がストーンズやらを聴きだした頃にはオリジナル・アルバム(もちろんレコード)も入手困難になっていて、輸入盤で変なベスト盤3LPボックス「Greatest Hits」(写真下)を購入しただけで終わっていた。

初期のクラプトン期は活きのいいブルーズのカヴァー・バンド。そしてベック期にはポップ調の曲でヒットを飛ばし音楽性が変化、ベック+ペイジ期は時代と共にだんだんとサイケデリック色が加わってくる。ペイジが残ると、バンドはハード、実験色が強くなって自然崩壊気味に。ただやはりキャリアを通してキース・レルフのヴォーカルは印象に残りにくいんだよなァ…。ペイジは終焉を迎えつつあったバンドを次へのステップの実験場としたようで、のちにツェッペリンで演奏された曲や奏法を、ヤードバーズで同じスタイルで演っていたりもする。聴いているとやはりその後期の音に興味が湧く(今更だがちょっと買ってみようかな)。当時は今のように何十年も活動するバンドが出るなんて思いもしない時代だっただろうから、バンドが刻々と変化して短命だったのは仕方がない。1曲だけキース・レルフのソロ曲が入っているのは何故なんだろう。 

オークションにて購入(¥950)

  • CD (2010/8/3)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : Music Club Deluxe
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Assume Nothing, Question Everything. : The Very Best of Stiff Little Fingers

2014年08月23日 | パンク・ニューウェーヴ

Slf

Assume Nothing, Question Everything. : The Very Best of Stiff Little Fingers (2012)

廉価ではあるが内容が充実しているお気に入りの「Music Club Deluxe」シリーズ。英Demon Recordsの企画盤で、今回購入したのは、70年代のロンドン・パンクの重要バンドのひとつ、北アイルランドのベルファスト出身でジェイク・バーンズ(Jake Burns)率いるスティッフ・リトル・フィンガーズ(Stiff Little Fingers)の2枚組ベスト盤。曲順は年代順ではないものの、これまたなかなか素晴しい選曲で、彼らの重要曲は網羅されている。

彼らのアルバムを全部持っている訳ではないが、とりわけ初期の4枚はアナログで聴きまくった。ロンドン・パンクの面々の中では、クラッシュ(The Clash)と並んで政治色の強いバンドと捉えられていて、歌詞にもそうした面がよく出ている。でも直接的な言葉ではなく、比喩的な言葉の引用が多く、センスが良かった。それに少し哀愁を感じさせるメロディ。レゲエを上手く採り入れたこともクラッシュと共通していた。この2枚組でもやはり、初期の無理して叫ぶようなジェイクのダミ声とメロディはグッとくる。もちろんレゲエのリズムの曲もいいアクセントになっている。

彼らが90年代初めに初来日した時にはライヴを見に行った。クラブチッタ川崎だったかな。当時のベースは元ジャム(The Jam)のブルース・フォクストン(Bruce Foxton)だったはず。なんだか不思議な組み合わせだなぁと思っていた覚えがある。少しジェイクが太っていたけれど(今ほどではない)なかなかいいライヴだった。当時は同じ時期にシャム69(Sham 69)の来日ライヴもあって、ジミー・パーシー(Jimmy Pursey)が、「あいつら(スティッフスのこと)なんて偽物のパンクだ!俺らが本物だ!」なんてアジっていたけれど、ライヴの出来はスティッフスの方が格段に良くて(笑)、シャム69の方は肝心のヴォーカルが酷いもんだったことが印象的だった(なぜかそのシャム69の公演はCD化されたのだ→今聴いても酷い…)。

今まであまり知らなかったけれど、その後も何回か来日していて、なんと今年も3月に来日(東京のみ)していたらしい。全然知らなかった…。ちょっと名古屋にも寄ってくれれば良かったのに。

amazonにて購入(¥893)

  • CD (2012/3/20)
  • Disc: 2
  • Format: Import
  • Label: Music Club Deluxe
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    Children Of The Revolution / T.Rex

    2014年07月02日 | クラシック・ロック

    Trex_756

    Children Of The Revolution / T.Rex (2005)

    最近気に行っている「Music Club Deluxe」シリーズのT・レックス(T.Rex)版コンピCD2枚組全45曲。サブ・タイトルに「An Introduction To Marc Bolan」とあるように、T・レックスのキャリア全般から選曲されたベスト盤。このシリーズは廉価ではあるが、アート・ワークを含め、なかなかクオリティが高く、どのアーティストの場合でも一風変わった選曲を楽しむことが出来る。このT・レックス版でも、かの有名曲、というか彼らを代表する「Get It On」や「Jeepster」は収録されていない。というのも1971年の名盤「Electric Warrior」以前はなぜか未収録。そして次作「The Slider」は大フィーチャーされている。残念ながらこのアルバムに収録されたどの曲が何年の作品で、どのアルバムから選ばれたという記述がないので、キャリアの把握には向いていないが、何しろ意外な選曲と曲順なので、ある程度聴いた事がある人は新鮮味をもって楽しめる内容だと思う(それ故初めて聴く人には勧めにくいか)。

    Tレックスの場合、オリジナル・アルバム未収録曲がかなり多く、このコンピ盤でもざっと調べたところ約半数近くが未収録だった。なので聴いていてもだいたい年代順に並んでいるとはいうものの、「これ何のアルバムに入っていたっけ?」ということになる(もちろんコアなファンの方ならそんなことはないでしょうが)。マーク・ボラン(Marc Bolan)存命中に発売されたアルバムは後期のものであっても、グラム全盛期のようなきらびやかさが薄れこそすれ、しっかりしたクオリティはあるので、このように並べて聴いても違和感がない。自分は後期のアルバムも一応持ってはいるんだけれど、やはりグラム全盛期の作品とと比較すると、それらをあまり愛聴したとは言えない。これを機に棚に眠ったままの旧作をターン・テーブルに置いてみようか。

    中古店にて購入(¥756)

  • CD (2005/5/23)
  • Disc: 2
  • Format: CD, Import
  • Label: Music Club Deluxe
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    Roll Away The Stone : The Best Of Mott The Hoople

    2014年06月11日 | クラシック・ロック

    Mott

    Roll Away The Stone : The Best Of Mott The Hoople (2008)

    ボウイ(David Bowie)もT・レックス(T Rex)もイギー(Iggy Pop)もドールズ(New York Dolls)も聴いてきたのに、何故かモット・ザ・フープル(Mott The Hoople)だけはあまり聴いてこなかった。もちろんいくつかの代表曲はコンピなどに収録されているものを持っているが、それ以上の興味は拡がらず、アルバムはアナログを含めて1枚も持っていない。特に理由はないんだけれど。

    ちょっと前からその内容と価格に痺れっ放しだった廉価盤シリーズ「Music Club Deluxe」にモットのベストがラインナップされていたので迷わず購入。低迷していたが、カヴァー曲で息を吹き返した彼らの、ボウイが提供の1-1、ルー・リード(Lou Reed)の2-2を含むCBS以後の選曲は、相変わらずこの廉価レーベルらしく、やや独特だけれど、曲順も含めてなかなか面白いのではないか。後期の「Mott」名義の曲も普通に混ざっている所がミソ。当時のド派手な衣装は別として、音楽的にはギラギラなグラム・ロックというよりは、いわゆる「ロックン・ロール・リヴァイバル」としてのグラム・ロックを体現しているバンドと言える。どの曲も古き佳き50年代のロックン・ロール・マナーに忠実で、腰を落としたブギーのリズムが気持ちがいい。

    ただ意外と曲自体に派手さが少ない分、それぞれの曲の印象が残りにくいのも確かで、ちょっと切ないイアン・ハンター(Ian Hunter)のヴォーカルも頼りなさげ。どうしても売上不振や脱退の繰り返しなどのバンドの負の歴史が先に頭に入っている事もあって、他のグラム・ロック・バンドよりも大人しめに感じてしまう。でも新品でこの値段だし、彼らの作品のサンプラーとしては充分おすすめ。

    amazonにて購入(¥596)

  • CD (2008/3/24)
  • Disc: 2
  • Format: CD, Import
  • Label: Music Club Deluxe
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    The Best Of The Night Tripper / Dr. John

    2014年05月18日 | クラシック・ロック

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    The Best Of The Night Tripper / Dr. John (2008)

    イギリスのレコード・レーベル「Demon Records」が出している「Music Club Deluxe」という2枚組ベストCDのシリーズの作品。以前、イアン・デューリー(Ian Dury)やジーザス・アンド・メリー・チェイン(The Jesus And Mary Chain)のものを購入した事があるが、今回はドクター・ジョン(Dr. John)。1968年から1974年という短い期間に焦点を当てた選曲。けれどドクター・ジョンと言えばやはりこの時期っていう気がする。このCDシリーズはどれも廉価だが、ジャケを含めてプロダクションも割としっかりしているし、選曲も過不足ない的確なものが多いので新品購入もおすすめです。

    ドクター・ジョンを初めて聴いたのはミック・ジャガー(Mick Jagger)が参加した1971年の作品「The Sun, Moon, & Herbs」が最初。映像はたぶんザ・バンド(The Band)の「ラストワルツ」が最初かな。初めて聴いた時は、ピアノを弾くスタイルといい、ダミ声といい、大好きなレオン・ラッセル(Leon Russell)にそっくりだと思った。ただ、のちに写真で見たドクター・ジョンはヴゥードゥーっぽい呪術師のようなのが多く、雰囲気はちょっと捉えどころがなかった。確かに不思議な雰囲気な曲も多かったけど。その後にライノ(Rhino)レーベルのベスト盤や70年代のアルバムを買っている。アナログはたぶん1枚も持っていないはず。

    ここに収められた各曲の雰囲気も様々で、いかにもニュー・オーリンズっぽいピアノが転がる曲や、まるでトム・ウエイツ(Tom Waits)などに通じる酔いどれっぽい曲、それに宗教がかったちょっとおどろおどろしい曲などバラエティに富んでいる。でもベスト盤ではあってもそれがバラバラではなく、ドクター・ジョンのあのダミ声でまとまってひとつの世界を作り出しているのがすごい。音楽ジャンルを飛び越える圧倒的なキャラクター。日本ではいまひとつ受け入れられていないような気がするけれど、来日したことあるのかな?

    オークションにて購入(¥760)

  • CD (2008/4/29)
  • Disc: 2
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    Upside Down : The Best of The Jesus And Mary Chain

    2013年12月24日 | パンク・ニューウェーヴ

    Jesus

    Upside Down : The Best of The Jesus And Mary Chain (2010)

    昔から自分の好きな音楽の周辺に存在していて、それらミュージシャンからも支持を得ていたにも関わらず、単発を除いてしっかり聴いた事がなかったジーザス・アンド・メリー・チェイン(The Jesus And Mary Chain)。以前にこれを買ってみて思いのほか良く、今度は廉価でベスト2枚組を購入してみた。

    amazonにはこういうベストや編集盤で、とても値打ちなものがあったりするので侮れない。中古CD屋で購入して、帰って調べてみたらamazonの新品の方が安かったなんてことも。

    どの曲もポップな中に独特の浮遊感がありかっこいい。若かりし頃はもっとメロディーのはっきりした音楽が好きだったと思うが、だんだんアンダーグラウンドな音楽への耐性が出来てくると、その音楽の持つ空間それ自体が好きになることがあるようになってくる。このアルバムはベストで年代順の収録ではないので時系列を追ってという訳にはいかないが、多分選曲もなかなかで、ファンにとっても納得のいくものにはなっていると思う(自分はまだそこまで分析出来ない)。ただ両盤とも目いっぱいの収録時間なので、続けて聴いているとややトゥー・マッチな感じもしないでもない。←収録時間が少ないと損したような気になるくせに(笑)。

    自分はどちらかというとひとつ好きになると掘り下げていく傾向があるので、あまりそちら方面に振れてしまうと、ふと我に返り、「なんだこりゃ?」っていうような音楽に辿りついてしまっていたりする。例えば80年代後半のダンスホール・レゲエや90年代のノイズ・インダストリアル、一部の民族音楽(豪・アボリジニのディジリドゥ)なんかがそうだった。もちろん今でもそういうのをたまに聴くのは好きなんだが…ふと我に返って集めたCDを振り返ると「コレはないな…」というのがよく見つかる(笑)。初めはこのバンドもそんな類になるかなと思っていたが、今回改めて腰を落ち着けて聴いてみると、ディストーションのかかったギター音やフィードバック音に惑わされがちだが、意外にもコード進行やメロディはしっかりとロックン・ロールのメソッドに忠実だったりするという発見というか面白味があった。

    amazonにて購入(¥864)

  • CD (2010/10/12)
  • Disc: 2
  • Format: Import
  • Label: Music Club Deluxe
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