ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

角屋 @滋賀県長浜市

2019年04月30日 | 滋賀県(老舗)

滋賀県の湖北から湖西方面にドライブし、また湖北・木之本町に戻ってきた。木之本地蔵の前、風情ある北国街道と駅を結ぶ丁字路にあるので以前から店は知っていたが入ったことがなかった和菓子の「角屋」へ。創業は昭和5年(1930)とのこと。店は建て替えられてまだあまり経っていないようで真新しい。店の表に”北近江名物・がらたて”と貼紙があったので、それ目当てで中に入る(もちろんどんな菓子か知らない)。中に入ると和菓子の他に洋菓子も並んでいた。2階には喫茶室もあるようだ。人気なのかロールケーキを予約していく地元の客も。生菓子の他に袋詰めの菓子類も置いてあったので眺めていたら「かたパン」があったのでつい手に取ってしまった。これと「がらたて」を購入して持ち帰る。

「がらたて」とは山帰来(サンキライ)の葉の方言だそう。2枚の葉っぱに饅頭が包まれている。葉っぱの香りは饅頭に大して移っている訳ではないようなので、くっつかないように利用されたのかな。饅頭は蒸してあるのか表面がプルンとした感じでやや透明。中にはつぶ餡が入っていて、シンプルな味わい。この地方で農作業の合間に食べたおやつだそうなので、簡単に作れるものだったろう。「かたパン」はうっかりここで作っているのかと買ってしまったが、よく見ると(よく見なくても)”敦賀名物”だとちゃんと書いてあり、福井県敦賀市の「だるま屋」のものだった。自分は名古屋で買ったことがあるが、調べてみるとこの「だるま屋」のかたパンも明治の頃に名古屋から伝わったらしいので何か関係があれば面白い。もちろんこちらも歯が折れそうに硬いカッチカチのビスケット状のもの。表面に青海苔が使われているのだが、これがなかなかのアクセントになっていて美味しくいただけた(あまりの硬さ故にまだ残っているが)。(勘定は¥540)

 

 


 

↓ 湖西を更にドライブ。窓枠や入口の赤い塗装がポップで可愛らしい「旧・安曇川郵便局」(昭和11年・1936・建造)。元もこんなビビッドな色だったのかな。表のポストが丸ポストだったらもっと雰囲気があっただろう。以前は脇まで建物が建っていたのか間口は狭い。奥にある建物は局舎付の住居だったろうか、片側に下見板張りが見える。紋章にも瓦の先端にも「〒」のマーク。

 

 

↓ 用水のある通りにポツンと建つ「日本基督教団・大溝教会」(建築詳細不明)。外壁はペパーミントグリーンの下見板張り。凝った鬼瓦には十字架も。創立は明治41年(1908)と古いので建物もひょっとすると古いかも…。

 

 


 

菓子乃蔵 角屋

滋賀県長浜市木之本町木之本1072

 

( 滋賀 しが 木之本 木ノ本駅 きのもと かどや 和菓子 洋菓子 かたぱん カタパン 近代建築 高島市 日本基督教團大溝教會 あどがわ ) 

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金屋食堂 @愛知県豊川市 (※閉店)

2019年04月30日 | 愛知県(三河)

愛知県豊川市を散策。自転車を漕いでいくつもの近代建築を眺めた後は、軽く食事をしようと姫街道沿いの「金屋食堂」へ。創業は昭和31年(1956)とのこと。この辺りは”金屋”という地名のようだ。何とも渋い佇まいの日本建築の暖簾をくぐると、土間にテーブルが並んでいた。しかもほぼ満席の盛況ぶり。奥に座敷もあるのかな。土間の一番奥の2人用の席に案内される。和洋定食が揃っていたが、他にもあてがあったので重くなさそうなものをとホワイトボードに書いてあった「カンパチ刺身定食」を注文、ご飯は小にしてもらった。ただ刺身ということで…つい「お酒(小)」を追加。「燗つけていいですか?」と訊かれたので「ハイ。」とお願いした。店内は活気があり、客層は家族連れ、働く人、カップルと様々。フライ物の注文が多く、各テーブルに運ばれていくそれらの盛りがなかなかに凄い。「フライ物でビールでもよかったかナー…」と心が揺らいだが、燗酒に冷奴が付いてきたのでそちらに集中。こうやって少量でも酒やビールに1つつけてくれる店は”分かってる”なァ。

ちびちびとやっていると「カンパチ刺身定食」が登場。味噌汁と漬物が付いて、ご飯は茶碗に軽く盛られている。カンパチは角が立って艶が良く、見るからに新鮮で旨そう。さっそく箸をつけていく。ホワイトボードに”本日の焼魚”などと一緒に載せているくらいだからちょっとは期待していたのだが、プリプリの歯応えがあるもので本当に旨い。ここはフライ物だけにあらず(まだ他は食べていないけれど)。酒とはもちろん、ご飯と食べるのも旨い。他にはクラゲやワカメ、ツマなどが添えられていて、それらも綺麗に平らげた。まだ後から後から客が入ってくる。古びた見かけだけだとこんなに新鮮な魚が出てくるような店には見えないが、ここの定食をひとつづつ制覇したい…。そんな気にさせる食堂だった。(勘定は¥1,100)

 

 


 

↓ 残念ながら建物正面は増築されただろう建物に隠れてしまっているが、スカイブルーのペイントがかっこいい「旧・中尾歯科医院」(明治37年・1904・建造)。鬼瓦には布袋様の姿が。

 

 

↓ 牛久保駅近くの通り沿いにある「旧・星野医院」(昭和6年・1931・建造)。スクラッチタイル壁が美しい。道路側と比較して玄関側の造りが複雑だが、後から増床されたりしたのかな。何気に道路際の柵の柱も古そう。

 

↓ 同じ通り沿いにある「旧・豊川牛久保郵便局」(昭和7年・1932・建造)。外壁のスクラッチタイルの色とか風合いが儚げで、どこか女性的な印象。隣に新しい局舎があり、こちらは何かに利用されている様子ではなかった。すぐ近くにあった「博愛堂薬品別館(旧・牛久保信用組合)」(昭和7年・1932・建造)を訪問し忘れる痛恨の凡ミス…。

 

  

↓ 現役の「JR牛久保駅」(建築詳細不明)。古い駅舎だとは思うがよく分からず。入口の4本並んだ柱にはタイルで装飾が。

 

 


 

 

金屋食堂 (かなや)

愛知県豊川市中央通4-16

※ご主人の逝去により閉店されました(令和5年)

 

( 豊川 とよかわ 豊川稲荷 かなや食堂 洋食 和食 定食 大衆食堂 近代建築 星野醫院 うしくぼ 郵便局 駅舎 閉店 廃業 )

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喜晴屋 @名古屋市中村区・名駅 (※閉店)

2019年04月29日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

平日のある日、珍しく朝から名駅近くに居たので、遅めの朝食に広小路通から一本入った所にある「喜晴屋」を選んだ(創業は昭和20年だそう)。早朝から昼過ぎまで営業している店で、表には「定食630エン」と書いてある看板のみ。周囲はオフィスビルに囲まれているので、サラリーマン相手の朝・昼食屋として機能しているお店だろう。暖簾をくぐって中に入ると奥に長いカウンター席とテーブル席がある。この日は朝食には遅く、昼食には早いという半端な時間帯だったので先客はゼロ。女将さんと娘さん(?)は昼に向けて調理の真っ最中。カウンターに座って頭上のメニューを見上げる。といっても定食は「さしみ」「さば煮」「さば焼」「天ぷら」「冷奴」の5種類しかない。メインをこの中から選んで、後はカウンター上にずらりと並んだ惣菜から自由に取ることが出来るようだ。定食でお願いすると惣菜の小皿、味噌汁、そしてご飯が付く。惣菜は自分でも選べるし、すでに盛り合わせてある皿を取ってもよい。「さば煮」を選んで、惣菜を何にしようか迷っていると、女将さんが「焼いたばっかの鮭も食べる?」と言って下さったのでお任せする。

まずは焼鮭、茄子の煮物、筑前煮、ごぼうのきんぴらがのった小皿、そして大きめの飯碗にたくあんがのったご飯と味噌汁、後から電子レンジで温め直された「さば煮」が渡された。メインのさば煮はかなり濃いめの味付け。ご飯が進む。惣菜は地味ではあるが食材の種類も多く、賑やか。もちろん温かくはないが野菜が多いのが嬉しい。昼のサラリーマンにも人気だろう。同じ値段で定食に”冷奴”を選ぶ人居るのかな…と思っていたけれど、小皿がこれだけバラエティに富んでいると問題無しだ。これ、カウンターの上の惣菜を取りながら酒でも呑めたら最高だなァ…と思って店の奥を見やると、メニューには無いが冷蔵庫の中にはきっちりと瓶ビールが。がぜん呑み目当てで寄りたくなった。そんな機会があればいいけれど(←必死で探す)。(勘定は¥630)

※令和元年6月現在、閉店改装して焼肉屋に変わるようです

 

お食事 喜晴屋

愛知県名古屋市中村区名駅南1-15-20

 

( 名古屋 なごや 名駅 めいえき きはるや 定食 ランチ 朝食 朝定食 朝ごはん 昼飲み セルフ 定食屋 食堂 柳橋 )

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一貫楼本店 @岐阜県岐阜市

2019年04月28日 | 岐阜県(岐阜)

ずっと前からある店だが一度も入ったことの無かった金華橋通り沿いの中華料理屋「一貫楼本店」へちょい呑みで入る。以前に何度も日曜に寄ったことがあって休みだったが、どうも隔週で休みのようだ。暖簾分けなのかどうかは知らないが、現在も何軒かこの屋号の店が近辺に残っている。昔はもっと数があったように記憶しているが…。店に入ってカウンター席に座る。先客が居たが、まだ店が開いたばかりだったようで女性店主は準備中といったところ。”変わらない味、一貫楼のイチオシ”と書いてあった「餃子」と「ビール」をお願いするも「点心類は時間がかかりますが…。」とのこと。がっつり昼飯を食べに来た訳でもなかったので困った。平日は大皿のおかずを自分で何品か選ぶランチがあるようだが、日曜はそういうのが無く選択肢は少ないみたい。炒め物なら出来ないことはないだろうと「野菜炒め」に変更した。出してくれた瓶ビール(中瓶)には「玉子餡かけ豆腐」が付いてきた。何もないと味気ないので、こういうのは嬉しい。

しばらくして主人の調理が始まり、北京鍋で「ジャッジャッ」と炒める音が響く。平皿に盛られた「野菜炒め」が完成。中身はキャベツ、人参、玉ねぎ、もやし、チンゲン菜、赤・緑ピーマン、豚肉、キノコ、と多彩。量もたっぷりある。そういえば、あまり外で野菜炒めを注文したことはないなァ。しっかりめに炒められていてオイスターソースが効いている。油をまとった熱々の野菜類を頬張り、冷たいビールで流し込むのもなかなかいいものだ。主人が餃子らしき点心を包み始めた。そうか、これからだったか。次はもう少し遅めに来て食べられなかった「餃子」と、「天津飯」あたりを食べてみよう。(勘定は¥1,100)

この後の記事はこちら

中華料理 一貫楼本店

岐阜県岐阜市金町2-14

 

( 岐阜 ぎふ こがねまち いっかんろう 中国料理 ラーメン ギョウザ チャーハン ランチ 定食 柳ヶ瀬バス停 )

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Eric Clapton : Life In 12 Bars / Various Artsits

2019年04月27日 | サウンドトラック

Eric Clapton : Life In 12 Bars / Various Artsits (2018)

昨年の秋に日本でも公開され、見に行かなきゃと思っていたにも関わらず、知らぬ間に時が過ぎてあっという間に映画館から消えてしまったエリック・クラプトン()の伝記映画「エリック・クラプトン ~12小節の人生~」。そのサントラが発売されていたので購入。彼のアーティスト人生を振り返ったドキュメンタリー映画なので、エリックのみの楽曲ならず影響を受けたブルーズ・アーティスト、所属したバンド、ビートルズ関係、そしてソロ楽曲と、まさに彼の音楽人生を振り返る収録曲となっている(収録アーティスト下)。私生活を別とすればミュージシャンとしては順風満帆だったように見えるエリックだが、70年代は重度のアル中でミュージシャンとしての生活はおろか、命の危険まであったという。ものの話によれば、当時の来日公演時も本人に近寄っただけでアルコール臭く、常に酒が手放せない生活だったとか。それでも彼の場合、手を貸してくれる友人や周囲の理解があったので復帰出来た訳だが、その辺りの事も映画ではきっと触れられているんだろう(観ていないので分からない)。

  • Big Bill Broonzy
  • Muddy Waters
  • Yardbirds
  • John Mayall & The Bluesbreakers
  • Cream
  • Aretha Franklin
  • The Beatles
  • Blind Faith
  • Delaney & Bonnie & Friends
  • George Harrison
  • Derek & The Dominos

それもこれも全てエリックの比類無きギター・テクニックがあったればこそ。数多存在したブルーズに影響を受けた白人プレーヤーの中で、彼が頭ひとつ抜けていたのは、その音楽に対するストイックな性格と流麗な指の動きのおかげ。自分はそんなエリックの音楽に馴染むのに時間が掛かって、クリーム(Cream)やデレク&ドミノス(Derek & The Dominos)はよく聴いていたが、ソロ活動を追うようになったのは随分と後だった。ストーンズ(The Rolling Stones)からロックに目覚めた自分は、某キースと比べて音が綺麗すぎるエリックのギターはなかなかピンと来なかったのだった(笑)。何度か観に行ったライヴで実際にそのギターを聴き、伸びやかで端正な音色に唸らされた。最近のエリックの活動はまさに彼の音楽人生を総括するようなものが多く、かつてのバンドの再演や、ルーツに立ち返ったようなアルバムが多い。なのでこのコンピレーションも”総括する”という意味ではなかなか便利。4曲の未発表曲も収録。「もうツアーはやらない」と発言してからもう何度目かの来日公演も武道館5日公演のみで終了。とんかつの「福よし」にも行けたことだろう(笑)(←エリック曰く「世界で一番美味しいレストラン」)。 DVD買おうっと。

中古店にて購入(¥1,250)

  • CD  (2018/6/8)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : UNIVERSAL
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おとわ屋 @滋賀県高島市

2019年04月27日 | 滋賀県

滋賀県高島市今津町のヴォーリズ建築巡り。昼食は今津ヴォーリズ通りから少し入った所にある食堂「おとわ屋」で。隣は和菓子屋になっていて中は繋がっている。ちょうど暖簾が出たところに店の中へ。土間にテーブル席が4つ並ぶ。杖をついた老齢のお父さんが「どちらから?」と声を掛けて下さる。「おーい、お客さん来はったでー。」と女将さんを呼んだ。調理など全般は女将さんがやられるようだ。壁の紙短冊に和洋麺類色々な品が揃っていて、どれにしようか頭を悩ませていると、お父さんが「カツ丼も旨いでっせ。」と言って下さったのでそれに決定(笑)。品書きに”出し巻セット”なるものがあり、わざわざセットになっているし単品にもあったので、こちらの名物だろうと単品で「出し巻き」を追加した。見慣れない関西地方の昼番組を見ながら出来上がりを待つ。品書きの横に「申し訳ありません。+20円消費税として頂いています」との貼紙が。全部20円?アバウト(笑)。

しばらくして女将さんがお盆にのった「カツ丼」と平皿にのった「出し巻き」を持ってきてくれた。「カツ丼」には昆布と豆の煮物の小鉢や、白菜漬けが付いている。とろっとした玉子とじの「カツ丼」は玉ねぎでなく青ネギが使われているタイプ。東海地方でもごくまれに見かけるが関西地方(特に京都?)に多いようだ。つゆは出汁の強くない家庭的な味付けでたっぷりめ。よく揚がったカツは薄いが丼ぶり一面にのっかっていて、旨い。青ネギのカツ丼には山椒もよく合うので、卓上の山椒も振りつついただいた。「出し巻き」は切られておらず、大きなものがそのまま。出来上がりは家庭的な感じでなかなか旨い。本当はこれで酒かビールでもやれたら最高なんだけれど、そうもいかない。美味しくいただいて勘定してもらった。(勘定は¥1,000程)

 

 


 

↓ これぞヴォーリズという感じの「旧・今津郵便局」(昭和11年・1936・建造)。何よりも素晴らしいのはほぼそのままの形で公開されているところ。ヴォーリズ建築らしい温かみのある建物の雰囲気をたっぷりと味わえる。トイレ(写真下15、16枚目)だってヴォーリズ(笑)。綺麗にしてガワだけ残しました的な近代建築とは説得力が違う。登録有形文化財。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

おとわ屋 (おとわ餅)

滋賀県高島市今津町今津1602-1

 

( 滋賀 しが 今津町 おとわや おとわもち 和菓子 洋食 麺類食堂 大衆食堂 丼物 だし巻き玉子 だしまき 出汁巻玉子 だしまきたまご 近代建築 国登録有形文化財 今津ヴォーリズ通り ウイリアム・メレル・ヴォーリズ ヴォーリズ建築事務所 )

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初鳥 (2) @名古屋市中区・大須

2019年04月26日 | 名古屋(中区 老舗)

大須の銭湯「永楽湯」に浸かってたっぷりと汗を流した後に、東にまっすぐ歩いて昭和23(1948)年創業、焼鳥の「初鳥」へ。随分と久しぶりの訪問。店が開いてすぐだと思って暖簾をくぐったら、もう先客が2名。地元のお父さん方のようだ。まだ店も準備が整っていないようで、主人も女将さんもあれやこれやと忙しい。喉がカラッカラに渇いているので何はなくともビール。冷たいビール(サッポロ黒ラベル中瓶)を流し込む。…ウメーッ。銭湯後の一杯目の旨いこと、旨いこと。生キャベツとソース、それにたくあんが置かれて準備完了。

串は「合鴨つくね」「きも」「心臓」をタレで、「砂肝」を塩でお願いした。すぐに仕事終わりのサラリーマンらが入ってきて、忙しさに拍車がかかった。女将さんが小上がりで串打ちを始めたら途中では手を休ませられないようで、生ビールなどの注文も主人が焼きながら全部やるので大変だ。途中から他の客からの注文も交差し始めるけど、さすがよく混乱しないでいるものだ。出来たものから皿に盛られて置かれる。団扇で扇ぎながら炭火を調節して焼かれた串は、どれも鮮度良く旨い。タレの味はしっかりと濃いめ。ビールをもう1本と串の追加は「皮」と「なんこつ」。「皮」も脂がしっかりと落ちて旨い。これ以上何かを注文すると後客の注文の後になるだろうからと、早めに勘定にしてもらった。短くとも旨い幸せな半時。(勘定は¥2,400程)

以前の記事はこちら

 


 

↓ わりと新しめに感じる大須観音の西にある「永楽湯」。ビルでアパートと同居しているのかな。もちろんこちらでもモンモンの人達と一緒。風呂場の真ん中に主浴槽がある名古屋スタイル。

↓ 道中にあった建物(建築詳細不明)。どうということのない木枠窓の古びた建物だったが、なぜか2階の戸袋がモザイクタイルでびっちりと埋められていた。

 

↓ 交差点に面したRの壁面が素敵な「鵜飼特許事務所」建物(建築詳細不明)。古い建物かどうかは知らないが、屋根は普通の日本瓦なのでこういうデザインにするのは珍しいなァ。

 

 


 

焼鳥 初鳥

愛知県名古屋市中区大須3-7-23

 

( 名古屋 なごや 大須 おおす はつとり はっとり やきとり 老舗 酒場 近代建築 銭湯 )

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ボンとらや 豊川本店 @愛知県豊川市

2019年04月25日 | 愛知県(三河・老舗)

愛知県豊川市へ。早朝に名鉄に乗って豊川稲荷駅まで行き、「桜ヶ丘ミュージアム」という市の施設で自転車を借りる(でも何でレンタサイクルが駅からこんなに遠いんだか…)。まずは郊外にある近代建築関係の建物を見て回る。この日は天気晴朗なれど風が強く、ヘトヘトになって市街地まで戻ってきた。その途上にあったのが幹線道路沿いの「ボンとらや」。名前から和菓子の出身であることは想像がつくが、この地方の人がこぞって食べてきたというソウルフードのひとつ「ピレーネ」目当て。「豊川本店」なんてあったので早合点してしまったのだが、本社は豊橋だそう。和菓子屋としての創業は昭和26年(1951)で、現在東三河地方にのみ14店舗もあるのだとか。また豊橋本店もいかなくちゃダメかな(基本的には”本店主義”なので)。これだけこの地方で認知度がありながら名古屋市内に全く進出していないのは潔い。

広い駐車場のある大きな店で、目当ての「ピレーネ」の他にも店内には和洋様々な菓子が並べられている。その中からもちろん「ピレーネ」と、もうひとつの看板商品「どら焼き」を嫁の分も購入して持ち帰った。まずは「ピレーネ」。1日に3,000個も販売しているのだという。ふわふわの4角形のスポンジ生地に生クリームがのせられ、四隅が持ち上がって包んである(「ボンボン」のマロンとよく似ている)(※)。「France Cake」と書かれたビニール袋から出す時にも形が崩れそうになるほどふわふわ。口に入れると噛む必要がないくらいの口どけ。なるほど旨い。しっかり甘いがシンプルなので嫌味が無く、いくつでも食べられそうだし、年寄りにも幼児にも好かれるのがよく分かる。クリームや生地には色々なヴァリエーションもあるようだ。「どら焼き」は小振りで手にくっつくぐらいしっとりとした皮で中はつぶ餡。2口くらいでなくなってしまったが美味しいものだった。

※かつて一宮にあった「ボンボヌール」の工場長が開発したケーキで、独立して蟹江町「パリジャン」を開店し、現在東海地方に散らばる弟子筋の店で様々な商品名で受け継がれているとの事です。

 


 

↓ 昨年開園した「豊川海軍工廠平和公園」へ。昭和14年(1939)に開廠された「豊川海軍工廠」の跡地の一部が綺麗に整備され、公園の中に戦時の遺構が公開されている。終戦の年の空襲では2,500人もの人達が犠牲になったのだとか。こちらは盛土で覆われた「旧・第一火薬庫」。

 

↓ 同じ公園内の「旧・第三信管置場」。爆発が起こった場合に周囲に被害が及ばないよう土塁で囲まれている。

 

 

 

↓ 公園の周辺は建物が壊されたり掘り返されたりしていたので柵の上から覗いてみたら、やっぱり他にも盛土で覆われた工廠の遺構がいくつも見えた。公園が整備されたのでこれらは解体されてしまうだろうか。沢山の切株が見えるので、以前はこの辺りも鬱蒼とした木々に覆われていたはず。

↓ 野口町の交差点近くの民家の横に無造作に残っている「旧・逓信省豊川電話装荷線輪用櫓」(昭和元年頃・1926・建造)。我が国最初の長距離市外電話用ケーブル施設の現存例だとか。こんな状態だが実は国の登録有形文化財に指定されている重要な建造物。

 


 

ボンとらや 豊川本店

愛知県豊川市諏訪西町2-2-264

 

( 豊川 とよかわ ぼんとらや 和菓子 洋菓子 ピレーネ ソウルフード どら焼 近代建築 戦争遺構 海軍 豊川空襲 ボンボヌール パリジャン )

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コンパル 御器所店 @名古屋市昭和区・御器所

2019年04月24日 | 名古屋(昭和区・瑞穂区 老舗)

名古屋のコーヒーを代表する喫茶店のひとつ「コンパル」。本店は大須だが、こちら御器所にある「コンパル御器所店」は本社もある建物なので他とちょっと趣が違う。ある日曜の午後に入ってみた。階段を上がって2階が店舗になっている。すでにランチタイムを過ぎた時間だが、席数も多い店内はほぼ満席の盛況。客層はカップルからグループ客、家族連れ、1人客など老若男女様々。相席はさせていないので入口近くには待ちも出ている。自分は運よくちょうど入れ替わりですぐに座ることが出来た。昭和な雰囲気を残す店内で、昭和な雰囲気を残すウエイターからメニューを受け取る(笑)。

コンパルといえば何といっても「エビフライサンド」や「コーチン玉子サンド」だが、こちらのコンパルは他の店舗と違い「ハンバーグ」や「あんかけスパゲティー」といった洋食メニューがあるのが特徴。なのでがっつりご飯を食べに来る客も多い。自分はもう昼は軽く済ませていたのだが、せっかく公共交通機関で来ていたので、ビールのつまみにしようと「メンチカツ」と「ビール」をお願いした。まずはビール(中瓶・アサヒスーパードライ)、それにカトラリーが用意される。店内の喧騒を感じながら冷たいビールで喉を潤していると「メンチカツ」が運ばれた。

平皿に盛られた「メンチカツ」は楕円の平たい形をしていて、半分くらいにデミグラスソースがかけられている。しっかりとした大きさもある。早速ナイフを入れてみると、硬くはないがしっかりと肉が詰まったような感じの昔風の作り(最近のは玉ねぎを多用してフワッとした口当たりのものが多い)。デミグラスソースはかなり濃いめの味付け。これも味の組立はクラシック。これをカットしたカツにたっぷりとまぶしながら口に入れ、ビールで洗い流していく。もちろん旨い。昼間の冷たいビールは効くなァ…。添えられた千切りキャベツやトマト、きゅうり、ポテサラも綺麗にさらえてちょうどビールも呑み終えた。まだ入口付近は混雑しているので急いで勘定してもらう。次はしっかりと食事で訪れよう。(勘定は¥1,190)

この後の記事はこちら (2

 


 

↓ 桜花高校の裏手にある建物(建築詳細不明)。日本家屋に板張り、袴屋根の洋館が合体した、戦前に多く見られた和洋合体の様式。何気に2階の”お多福窓”が素敵。

 

↓ コンパルから1本西の通りにある建物(建築詳細不明)。玄関部分まで洋風で、窓が広い(採光の為)のは元医院(想像)の建物ならでは。敷地内には立派な蔵も建っている。もちろん洋風住宅の象徴”シュロ”が植えられている。2階窓が塞がれていて、使われていないかもしれないがとても状態が良い。

 

 


 

 

コンパル 御器所店

愛知県名古屋市昭和区御器所通2-9

 

( 名古屋 なごや 御器所 ごきそ コンパル本社 喫茶 モーニング サンドイッチ サンドウイッチ 洋食 ランチ 珈琲 コーヒー 近代建築 洋館 洋間 醫院 )

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Keep Me Comin / Jesse "Ed" Davis

2019年04月23日 | クラシック・ロック

Keep Me Comin / Jesse "Ed" Davis (1973)

1973年に発表されたジェシ・”エド”・デイビス(Jesse "Ed" Davis)の3枚目のオリジナル・アルバム。ギターの名手で、タジ・マハール(Taj Mahal)、エリック・クラプトン(Eric Clapton)、ジョージ・ハリスン(George Harrison)、レオン・ラッセル(Leon Russell)らとの交流で知られる。1、2枚目は共に傑作だったが、なぜかこの3枚目は持っていなかったので、今更ながら購入。日本盤だったのでライナーノーツが付いていたが、そこにアルバム発売時の彼のインタビュー記事が載っており、そこに前2作の出来に全然満足していない旨記述があった。意外。それを経てのこのアルバムなので意気込みが強かったのかもしれない。

1、2枚目のような豪華なゲストは無いが、彼らしいダルな感じのダウン・トゥ・アースな曲が並ぶ。インスト曲も何曲かあるが、特にギターを目立たせるでもない。あまり評価されたことはないと思うが、彼のヴォーカルはレオン・ラッセルの声や歌い方とよく似ていて、何も情報なく聴いたら間違えそう。声量がある訳ではないが曲にはぴったりハマって心地良い。前2作ほどの知名度が無いアルバムだが、こんなにいい出来だったとは知らなかった。でもどういう訳か、彼ほどの才能や人脈がありながら、ソロ・アルバムを出す機会はこれ以降無くなり(これ以降はほとんどが他のミュージシャンの作品へのゲスト参加)、1988年にオーヴァー・ドーズによって亡くなってしまう。無慈悲。

オークションにて購入(¥842)

  • CD  (1994/1/21)
  • Disc : 1
  • Label : エピックレコードジャパン

 

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