暑い日が続く 夏なのに・・・
「咳が出る!」
このように夏に咳が出る夏風邪の人は以外と多いようです。
冬の風邪の原因は乾燥している場所で繁殖するウイルスによるものですが、夏風邪は高温且つ湿度の高い場所で繁殖するのウイルスによるものです。
夏風邪の症状としては、咳、のどの痛み、発熱、下痢などになります。
しかし、症状が長引き、なかなか回復しない場合は他の病気によって、症状が出たのかも知れません。
夏風邪と似た咳が出る病気もありますから、ご注意ください。
夏に咳が出る病気
夏に咳が出る病気には、結核や細菌性肺炎、咳喘息などがあります。
しかし、結核のように痰や微熱が続くこともなく、細菌性肺炎に罹りやすいと言われるタバコを吸うこともなく、喘息のヒューヒュー、ゼーゼーといった症状もないことから、これらの状況により考えられる病気は、「夏型過敏性肺炎」の可能性が高いと言っても良いでしょう。
馴染みの薄い夏型過敏性肺炎とは
夏型過敏性肺炎は湿度が高く、日当たりの悪い場所に発生するカビ「トリコスポロン」によって罹る病気になります。
夏型過敏性肺炎は夏風邪と似た症状ですから、放置されることも多く、冬には治ってしまいますから馴染みの薄い病気とも言えるでしょう。
しかし、慢性化すると「肺線維症(はいせんいしょう)」を併発し、死に至るケースもありますから、治まらない咳が現れているようでしたら、注意する必要があります。
※ 肺線維症:肺に炎症が起き、線維化することで肺が硬く縮小し、酸素をうまく取り込めなくなる病気。
トリコスポロンは他のカビと同じように湿度の高い場所に発生しますから、お風呂場や脱衣所、洗濯機の側、流し台周りに多くみられ、家にいる時間が長い方ほど夏型過敏性肺炎が発症する頻度は高くなってしまいます。
子供が長い時間自宅にいる夏休みなどは、症状が酷くなり、咳が長引くことも予想されます。
夏型過敏性肺炎に罹らないためには、カビの生える場所を徹底的に掃除し、カビの繁殖を許さない気構えが必要でしょう。
夏型過敏性肺炎の判断
自宅を4日以上留守にした時、咳などの夏風邪と似た症状が治まっているかどうかになります。
自宅を離れた時は症状がなくなり、自宅に戻った以降は再び咳などの症状が出るようなら、夏型過敏性肺炎の可能性が大きいと言えるでしょう。
・毎年、夏になると咳が出るなどの症状が続いたりする。
・木造のカビが生えやすい家屋に住んでいる。
・雨漏りがあったり家屋に住んでいる。
このような状況下にある人は、呼吸器科で一度診察を受けた方が良いのではないでしょうか。