にちにち蛙鳴蝉噪

大阪・兵庫・京都・奈良で食べられるトルコライスの紹介を中心に。制作:近藤亨 2004-2023

カフェレスト とまと(大阪/大阪市中央区・アメリカ村)

2006-03-19 22:55:17 | 関西トルコライス巡礼

アメリカ村は疲れる。

いやいや何情けないこと言ってるんだ僕はまだ若い、たかが若者人口密度が高い街くらいなんだ、と胸を張り大股に街に飛び込んでいくのだが、まず歩道が狭く自転車が停めてあるせいで車道を歩かざるを得ず、その結果歩行中に何度も車をよける羽目になる。そしてたむろする若者は何故か歩みが遅いため、いらいらしながら追い抜かねばならない。そこにカジュアルショップから大音量で流れるヒップホップやらJポップやらの音の洪水が襲いかかってくる。ご丁寧に店舗ごとに違う音楽が、はかったように同じくらいのうるささなのが腹立たしい。歩きながらこの時期に驚くほど薄着の女の子を見かけては寒そうだなとこちらが身を縮め、黒人二人組が母国語でなにやら会話しているのを見つけては何の悪だくみだろうと身を硬くする頃になると、いつのまにか視線は落ち、背中は心なしか丸くなり、早くここを抜け出そうとピッチが早くなっている。
そんな感じでアメリカ村の南西のはずれにたどり着くとこの店がある。

ドライカレー、薄焼き卵、ポークカツ、上からデミグラスソースとオーソドックスな構成だが、構成要素ひとつひとつが濃いのが特徴だろう。
まずデミグラスソース。液体というよりかなり固形寄りで、ぼてっとなるまで煮詰めた印象だ。味も甘さとコクが共に強く、曖昧な部分がない。
そしてドライカレーは舌触りにざらっとしたカレー粉感があり、かなり辛い。
通常は両者の間に挟まる薄焼き卵が味をまろやかにブレンドする役割を担うのだが、およそ歯が立たず、両者の味が口の中でまともにぶつかり合う。濃さ二倍どころか二乗と表現してもよいかもしれない。
そこへ割って入ってくるのがボリュームあるポークカツ。肉と衣、共に厚みは十分で肉汁も潤沢だ。デミグラスソースとドライカレーのぶつかりあいに「脂を注ぐ」格好になる。
そんな味の強さにこちらもしっかり腰を据えて食べることになるが、セットの味噌汁が力の入った舌をほぐしてくれありがたい。これはただのサービスではなく、完食するために必要だからついているのだな、と気付く。
食べ終わったところで、ひとつ大きな息をついていた。

若さを試される味だと思う。僕はいつまで食べきれるだろうか。



トルコライス 950円

大阪市中央区西心斎橋2-17-13  
06-6212-0646
年中無休・24時間営業


 




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2 コメント

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Unknown (ミカシィ)
2006-03-20 23:32:27
黒人の悪だくみっすか~。

有袋類サンの方がなんかたくらんでそうな気もしますが(^^;)
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Unknown (kangaroojp)
2006-03-21 21:16:42
企み。

かわいい店員さんに精一杯愛想良く接するくらいのもんですよ、僕の企みなんて。



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