にちにち蛙鳴蝉噪

大阪・兵庫・京都・奈良で食べられるトルコライスの紹介を中心に。制作:近藤亨 2004-2023

ロイヤルホスト(2016年4月~5月限定)

2016-10-20 23:34:48 | 関西トルコライス巡礼

2016年4月から5月にかけて期間限定で行われた「長崎・天草 食散歩」フェアメニューの一品。

トルコライスといえばワンプレート、ワンプレートであるからこそのトルコライスだと思っているのだけど、4つの皿・椀のセットという、その基本をまったく無視した構成に、ファミレス界でひとりわが道を行くロイヤルホストの矜持を見る思いがする。

「小さな雲仙きのこサラダ」はその名の通りきのこがたくさん入っている。ドレッシングが和風と洋風の中間といったような不思議な味がした。

「天草チャウダー」は、濃厚な魚介風味のスープの中に、ポテトや人参などチャウダーには定番の野菜のほか、名前は分からないがコリコリした食感の海藻が入っていた。

メインのひとつ、「芝海老と真だこの高菜ピラフ」には、海老とタコのほか、炒めたたまねぎと高菜が存在感を発揮していて、全体的には薄味だが風味は重層的という、ある種の技のようなものを感じさせられた。

そしてもうひとつのメインであるナポリタンと揚げ物のプレートには、メニューによると「雲仙しまばら鶏のカツレツ」があしらわれている。ブランド鶏ならではの風味はよく分からなかったけれど、フライの衣はさくさくと軽く、手作り感のあるタルタルソースときちんと拮抗している。ナポリタンも負けずに濃厚なケチャップ風味でぐいぐい押してくる。薄味のピラフとの対比を意識的に効かせてあるのかもしれない。

ファミレス業界において、合理化を追求する他社がセントラルキッチンで集中加工した食材を使っているのと違い、ロイヤルホストの場合は厨房にコックがいて大半の料理をそこで作っているというのはもはや有名な話だが、ドレッシングの独特さといい、スープの海藻といい、フライの衣やタルタルソースの質、ピラフの味の二枚腰など、細部でさりげなく「きちんと作っている」質感を出しているのはさすがかな、と思う。

まあ、2246円もするのだから当たり前といえば当たり前の話かもしれないが。

ちなみにこのメニュー、前述したように、4月中旬から6月上旬までの期間限定メニューであり、忙しさにかまけているうちに提供期間終了4か月後というタイミングでの掲載となってしまった。当ブログ読者のためにも来年の再登場を願いつつ、これからも社会的使命とは無関係にぼそぼそと記事を書いていきたいと思う。




ロイヤルホスト風トルコライス膳 2246円
コメント
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