【歴史戦 第3部 慰安婦 韓国との対話(2)】連行20万人「嘘と分かっている」それでも河野談話検証認めず

2014-06-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

【歴史戦 第3部 慰安婦 韓国との対話(2)前半】1130回目のソウル「糾弾水曜デモ」、死してなお「反日道具」の元慰安婦
 産経ニュース 2014.6.23 08:17  
 「賠償しろ!」「認めろ!」「ウオー!」
 平日のソウルのオフィス街に、場違いにも思える雄たけびが響いた。韓国の反日団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」(挺対協)が主催する慰安婦問題で日本政府を糾弾する「水曜デモ」での一コマだ。
 デモは1992年1月、当時の首相、宮沢喜一の韓国訪問直前のタイミングで始められた。それから現在に至るまで毎週水曜日、ソウルの駐韓日本大使館前で挺対協会員団体や学生らが歌って踊り、謝罪と賠償を求めるシュプレヒコールを繰り返している。
 その1130回目に当たるデモの模様を今月11日、現地で取材した。
 正午のデモ開始の30分ほど前から徐々に人が集まりだした。元慰安婦の李容洙(イヨンス)も車で連れてこられ、イスに腰を下ろした。その隣の席には、8日に死去した元慰安婦、春姫(ペチュンヒ)の額縁入りの遺影が置かれていた。
 日本大使館のほぼ正面の公道上には2011年12月、「公館の安寧妨害」や「公館の威厳の侵害」を禁止したウィーン条約に抵触する形で、慰安婦を表す少女像が違法に建てられている。
 この日集まった100人以上の人々は、思い思いに像の前で記念撮影をしたり、雑談をしたりでリラックスしていた。参加者の男子学生グループは、少女像の頭に腕を乗せたり、その頬をつついてみたりと像をもてあそび、特に敬意は払っていなかった。
 ただ、それまで手慣れた雰囲気でにこやかに記念写真撮影に応じていた李も、デモ開始時刻になると表情を厳しくし、あいさつではこう嗚咽した。
 「春姫姉さんは痛みも心配もないあの世に旅立ったけれど、私たちは一生懸命、闘い続けるのでどうか力をちょうだい」
 慰安婦は、死してなお対日歴史戦の戦士と祭り上げられ、反日の道具とされているように見えた。
 また、参加者には、英語やハングルで「性奴隷の戦争犯罪を認めろ」「犠牲者に賠償しろ」「慰安婦像を建てろ」などと書かれたプラカードを手にして、日本大使館に向けて掲げる者も多かった。だが、大使館側はデモ中、窓のブラインドをずっと下ろしていた。
 「私たちの領土である対馬を返還しろ」
 デモでは、こんな慰安婦問題とは関係のないビラを配る人もいた。それを疑問なく受け取る人々を見ながら、彼らと話し合う土台は存在するのかと考えた。
 「国際社会に対する重大な挑発だ」
 日本政府による河野洋平官房長官談話の検証結果発表を受け、挺対協は21日、こんな声明を出した。声明は「今後、各国政府、市民社会との、より強力な連帯によって、日本政府を糾弾、圧迫していく」とも指摘している。
 検証結果については、河野氏自身が「正しく書かれている。足すべきところも引くべきところもない」と認めたにもかかわらずだ。
 日本が事実関係を明らかにしたり、少しでも何か主張したりすると韓国側が感情的に反発する。この構図が変わらない限り、冷静な話し合いは難しい。(敬称略)
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します

【歴史戦 第3部 慰安婦 韓国との対話(2)後半】連行20万人「みんな嘘と分かっている」韓国研究者 それでも河野談話検証認めず
 産経ニュース 2014.6.23 16:00 
 慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話に関する有識者チームの検証結果について、河野氏自身は21日の講演で「すべて正しい」と述べ、その事実関係の正しさを認めている。ところが、検証に対する韓国主要紙の21日付社説の論調は激越なものだった。
 「河野談話は“殻”だけが残ることになった」(中央日報)
 「検証の名で暴露するのは信義に欠け無礼な国家がするような野蛮な振る舞いだ」(京郷新聞)
 「報告書は21年前の河野談話に大きな傷をつけるもの」(朝鮮日報)
 「今になって検証うんぬんすること自体が天に唾する行為だ」(ハンギョレ)
 それだけ韓国にとって、河野談話は外交的に勝ち取った大きな成果だったということだろう。その正体が赤裸々となって「河野談話の無力化」(東亜日報)が進むことは、談話を根拠にして日本たたきを続けてきた韓国メディアにとっても都合が悪いのだ。
 朝鮮日報は河野談話が生まれた背景についても、社説でこう言及している。
 「元慰安婦を中心に始まった駐韓日本大使館前での水曜デモは23年にわたり続いている。そうして日本はこの問題をこれ以上隠し通せない状況になったことから、河野談話を準備する以外にない状況に追い込まれたのだ」
 日本側は、自分の意思で慰安婦になったのではないと主張する元慰安婦の名誉回復のため何らかの形で強制性の認定を求める韓国側に、「政府の善意」(元官房副長官、石原信雄)で河野談話を作った。これに対して、韓国側はあくまで自分たちの圧力が談話を作成させたと考えている。
 彼我の認識の差は、果たして埋められるものなのだろうか。水曜デモや韓国紙の論調を見ていると、渡る橋のない大河の対岸にいるような気持ちになるが…。
 「今、いちばん問題だと思っているのは、日本も韓国も政府内に真剣に関係改善に向けてやろうとする熱気がないことだ」
 世宗研究所日本研究センター長の陳(チン)昌(チャン)洙(ス)は現状をこう指摘した。そのうえで、「日本側が河野談話の検証結果を発表した後、日本の世論がどう動くかをみて、それを踏まえて日韓が本音で話し合いができる雰囲気になると思う」と語り、次のように強調した。
 「まず雰囲気づくりだ。世論の動向を変えることだ。慰安婦の問題は両国のトップにとって政治的負担になる。それを乗り越えてリーダーシップで決断しなくてはならない」
 前日も韓国外務省の東北アジア局長、李(イ)相(サン)徳(ドク)と意見交換したという陳によると、元徴用工の訴訟問題は「韓国内で何とか解決するという流れ」だとされる。結局、残るは慰安婦問題だけだというのだ。
 だが、かつて元慰安婦に「償い金」を支給した「アジア女性基金」は韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の反対もあって韓国政府にはしごを外され、成功しなかった。現在、挺対協だけでなく、さまざまな市民団体が協力して米国で慰安婦像を建てるなど執拗に日本攻撃を続けている。
 日本からみればこれ以上、慰安婦問題で韓国に譲るものがあるとは思えないが、仮に歩み寄ったとしても韓国の政権が代わればまた元のもくあみではないか。第一、メディアや市民団体の反日を韓国政府は制御できないのではないか。
 こんな疑問をぶつけると、陳はこう答えた。
 「日韓関係がよくなると運動団体の力も弱くなる。挺対協も、そろそろ他の争点に移って運動しなくてはならないと気付いている。市民団体の活動についても、最近は『元慰安婦たちが本当にそう思っているのか』と問題提起する人が出てきた。以前だったら絶対にあり得ない。韓国もだんだんと多元化している」
 陳は市民団体はコントロール可能との立場だったが、違う意見の人もいる。元韓国外務省東北アジア局長の趙(チョ)世(セ)暎(ヨン)は、挺対協が韓国政府に発揮する影響力について「政府の政策について最終的な拒否権を持っている」と表現した。
 また、日本人としては慰安婦像に「朝鮮人女性20万人を強制連行」などと書かれ、世界に宣伝されるのは我慢できない。陳は言う。
 「20万人は嘘だということははっきりしている。20万人が嘘だというのはみんな知っていることだから」
 ソウルで日本製ビールと焼酎を酌み交わした韓国大手紙の元東京特派員も「日本の記者が数字を大切にし、それにこだわることは分かっている」と語ったが、20万人を訂正すべきだとは言わなかった。そういう問題ではないと感じたが、それが韓国側の感覚ならば、やはり簡単には理解できない。(敬称略)
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【歴史戦 第3部 慰安婦・韓国との対話()】 元慰安婦、死してなお反日の道具 / 日常溶け込む反日 2014-06-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉 
【歴史戦 第3部 慰安婦 韓国との対話(2)】連行20万人「嘘と分かっている」それでも河野談話検証認めず 2014-06-23 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
【歴史戦 第3部 慰安婦・韓国との対話(3)】慰安婦も安重根も一緒くた 史実無視、中韓連携の不可解 2014-06-25 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉 
【歴史戦 第3部 慰安婦 韓国との対話(4)】振り上げた拳の着地点 2014-06-27 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉 
【歴史戦 第3部 慰安婦 韓国との対話(5)】「歴史戦」第3部 終り 阿比留瑠比 / 水沼啓子 2014-06-27 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉 
....................


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。