ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

「何度目の青空か?」初回限定盤の特典は全国握手会1日と抽選ライブ2日、内向きになる乃木坂 [01Oct14]

2014-10-01 14:30:00 | 芸能
10枚目「何度目の青空か?」の初回限定盤に付く特典がようやく発表されましたが、内容を読んで椅子から転げ落ちそうになった。

CD3枚応募抽選による平日の地方ライブって、ちょっ、おま、なっ、な、なにを考えてるんでしょう、運営は(笑)。

以下が、その概要です。

(表1) 10枚目「何度目の青空か?」初回限定盤の特典イベント

2014年11月03日(月祝) パシフィコ横浜
全国握手会

2014年11月17日(月) なんばHatch
似顔絵会 (ライブ前)
スペシャルライブ第1部 (17:00~)
スペシャルライブ第2部 (20:00~)

2014年11月27日(木) Zepp Nagoya
似顔絵会 (ライブ前)
スペシャルライブ第1部 (17:00~)
スペシャルライブ第2部 (20:00~)

2015年02月11日(水祝) 都内某所
似顔絵会

# 全国握手会以外は、上記7個それぞれのイベントに応募券3枚1口での事前申し込みが必要。締切は2014年10月22日(水)で、応募多数の場合は抽選。もちろん、お1人様何口でもOK!(笑)


CD1枚で確実に参加できる全国握手会は、横浜の1会場のみで、これまでの京都、名古屋は少なくとも現時点ではアナウンスがありません。

一方、地方イベントは、大阪の「なんばHatch」と名古屋の「Zepp Nagoya」で1日づつ行なわれ、それぞれ似顔絵会とライブ2公演が予定されています。

とにかく問題なのは、大阪が月曜、名古屋が木曜というまったくの平日に行なわれることです。

似顔絵会は、ライブの前なので、おそらく昼過ぎに始まるわけで、地元の人でも会社や学校の融通が付けづらく、遠くから参加する人は、さらに大変なスケジュール調整を強いられます。

しかも、ライブは夕方5時から1公演、その後、夜8時から1公演って、あまり聞いたことのないやり方で、なんだかビアホールのコンサートみたいです(笑)。


ライブの募集人数は、なんばHatchが1900人、Zepp Nagoyaが1700人だそうで、全部で最高7200人の動員となります。

2000人ほどの会場であれば、機材の設置など、ライブの準備費用が抑えられ、しかも平日なら会場費が安くなる可能性がある。

とくに地方でのイベントは、メンバーとスタッフの交通費宿泊費が掛かるので、そのため平日昼からの3イベントになったのかもしれません。


しかし、コストを抑えると言っても、限度というものがある筈で、参加者の利便性をここまで軽視すると、運営のファンに対する姿勢が問われて、乃木坂というグループのイメージまで損なわれかねません。

平日開催であっても、CD1枚からの応募であれば、まだお得感があるけど、3枚というのは厳しい。

当選したら面倒な日程調整が必要なのに、当選するかどうか分からないイベントに、5千円近く払って、手を挙げる気分になる人は、あまり多くはないんじゃないでしょうか。

逆に、平日イベントの3枚応募だからこそ、申し込み人数が抑えられて、抽選しなくても大丈夫という読みがあるのだとすれば、地方での知名度を上げるために、大阪と名古屋まで全員で出掛けるのに、一体何をしているんだろうということになります。

会議が紛糾し過ぎて、もう訳分かんなくなった末の「ナイスアイデア」にしか見えません(笑)。


AKB48襲撃事件以来、警備費が一気に上昇して、ファンへのサービスイベントだったミニライブ付き全国握手会を見直す流れとなった。

シングルの店頭販売セールスは落としたくないけど、イベントに出すお金はとことん抑えたい。

とくに遠征費が負担となる地方イベントは、抜本的な変更が必要。

その結果が、CD3枚応募の平日ライブだったのだと思いますが、あまりに利便性が低過ぎて、もの凄く熱心なファン以外は、到底ついて行けるレベルじゃないでしょう。


では、「何度目の青空か?」初回限定盤のセールスは落ちるのかというと、実は、そうとも言えない(笑)。

個人的な予想として、そんなに悪くないんじゃないかという気持ちに傾きつつあります。

HKT48の4枚目「控えめI love you!」のオリコン初動とサウンドスキャン第1週の数字が出て、次の表のように、店頭販売も特定販売も、前作とほとんど同じであったことが分かりました。

(表2) HKT48の歴代シングルの売り上げ構造と特典イベント

凡例
シングル番号:タイトル [発売日]
オリコン第1週(A) = サウンドスキャン第1週(B) + (A-B)
店頭販売CDの特典
特定販売CDの特典

# 売り上げ枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
#「全国」と「個別」は、それぞれの握手会

1枚目:スキ!スキ!スキップ! [2013/03/20]
初動25.0 = 店頭9.2 + 特定15.9
店頭) 全国6日(関東2名古屋1大阪1福岡2)
特定) 個別3日(関東1大阪1福岡1)、写メ会2日 in 関東1福岡1

2枚目:メロンジュース [2013/09/04]
初動26.9 = 店頭9.2 + 特定17.7
店頭) 全国3日(関東1名古屋1福岡1)
特定) 個別4日(関東1大阪1福岡2)

3枚目:桜、みんなで食べた [2014/03/12]
初動27.7 = 店頭8.0 + 特定19.7
店頭) 全国3日(関東1名古屋1福岡1)
特定) 個別4日(関東1名古屋1大阪1福岡1)、抽選船上パーティー2日(東京1福岡1)

4枚目:控えめI love you! [2014/09/24]
初動27.8 = 店頭8.1 + 特定19.7
店頭)「参観日」イベント3日(関東1名古屋1福岡1)
特定) 個別4日(関東2大阪1福岡1)、抽選HKT48SHOW!2日(東京1福岡1)


前作とほとんど同じというより、ぴったり一緒と言ってもいいくらいです(笑)。

ただ、AKB48の「心のプラカード」が、店頭販売を大きく減らす中、「控えめI love you!」が前作と同じ8万枚に踏みとどまったのは、さすが勢いのあるHKT48というべきで、固定ファンをしっかり掴んでいることが浮き彫りになっています。

また、初回限定盤の特典イベントは、全国握手会ではなく、「HKT48参観日~みんなで一緒にもりあがるっちゃん!」だそうで、中味はよく分からないけど、何だか楽しそうでいいですよね(笑)。

こういうネーミングに関して、HKT48の運営は結構冴えていて、ファンに期待感を抱かせて、セールス下落を防ぐ一助になっている気がします。


HKT48の4枚目を見ていると、AKB48が37枚目でCDセールスを落とした原因は、全国握手会からミニライブがなくなったからというより、未消化の握手会が多過ぎて、握手会券がダブついていることが大きいのかもしれません。

上表から分かるように、HKT48のCDリリース間隔は6ヶ月で、前作の特典イベントを十分に消化してから、次のシングルを発売していて、これが今回の良好なセールスにつながった可能性がある。

一方、乃木坂46も、先日、9月28日(日)に、9枚目「夏のFree&Easy」の第5回個別握手会が行なわれ、前作の特典イベントは10月18日(土)の第6回最終個別を残すのみです。

10枚目は、9枚目個別が一つ未消化なままでの「前倒し」発売ではあるけど、全国握手会はすべて終わっていて、握手会券がダブついているということはない。


初回限定盤の抽選応募イベントは、似顔絵会と地方ライブが満員になった場合、CDの売り上げとして、2万3千枚以上の寄与がありますが、平日イベントへの3枚応募という判断に迷う条件に加えて、締切が10月22日(水)なので、オリコン初動を引き上げる効果としては、やや疑問がある。

しかし、乃木坂は握手会券のダブつきがなく、生田絵梨花センターという話題性、神宮ライブの成功で勢いがあることなど、プラス材料も多い。

また、Amazonのランキングを見ても、初回限定盤はTypeAが現在7位に入っていて、絶好調という風ではないけど、全然宜しくないというわけでもなく、そこそこ堅調な推移を見せていて(笑)、前作に近い店頭販売を期待していいのかなと思い始めています。

もし「何度目の青空か?」の店頭販売が前作並みの11万枚であれば、日数を増やした個別握手会によるCDセールスが30万台後半に深く切り込む勢いを見せているので、オリコン初動が50万枚を越える可能性も出てきます。

まあ、乃木坂にとって、初動50万枚が良いことなのか、良くないことなのか、それはまったく別問題ですが(笑)。


HKT48に関してちょっと気になるのは、「控えめI love you!」のダウンロード配信にやや勢いがなくて、発売後1週の現時点で、iTunes Storeランキングは100位を下回っています。

曲が出来るのが遅れたという話があって、発売前のプロモーションが十分ではなかったのかもしれません。

現在のHKT48はコアファン層がしっかりしているので、一般層へのアピールを強める絶好のチャンスを迎えていて、CDセールス以上に、ダウンロードや有線をより意識したプロモーションが重要という気がします。

安定したCDセールスを実現しているときに、幅広い新曲キャンペーンを通して一般知名度を上げ、ライトファンやソフトファンを増やし、分厚い人気の裾野を作れば、本格的なブレイクが見えてくるんじゃないかと。


まったく同じことが、現在の乃木坂46にも言えます。

AKB48Gと乃木坂46は、襲撃事件以降、CDセールスの「防衛」に入っている状態で、とくに初回限定盤の特典に関しては、「夏祭り」や「参観日」など、様々な試行錯誤を行なっています。

そんな中、乃木坂の運営は、売り上げ枚数を微塵も減らすまいとして、既存ファン1人当たりの出費を上げる仕掛けにのめり込んで、現在ファンでない人をファンにするという意識がどんどん消えているように見えます。

かなりのコアファン層がすでに存在する乃木坂に今必要なのは、無理をしてCDセールスを伸ばすことではなく、一般知名度を上げて、人気の裾野を広げることだと思います。

しかし、襲撃事件を切っ掛けに始まった危機に直面して、乃木坂の運営は、コアファンに懐を開かせる発想が中心となり、内向きなアピールを強めている感がある。


例えば、10枚目「何度目の青空か?」では、表題曲MVとカップリング1曲のMV予告編をYouTube公開しただけで、その他のMVに関して、未だに情報がほとんど出てきません。

前作までなら、収録されている4個のMVをすべてフル公開して、それが話題を呼んで、一般へのアピールとなっていた部分があるけど、今回は、予告編すら流されていないMVがある。

熱心なファンであれば、情報を出そうが出すまいが、前回と変わらずCDを買ってくれるだろうけど、もともと乃木坂を知らない人に振り向いてもらうためには、曲やMVをしっかり宣伝するしかありません。

今回の10枚目は、かつてないくらい発信情報が薄く、ライトファンですらシングルへの興味を維持出来ないんじゃないかと心配になる部分があります。

本格的なヒットを飛ばすには、既存ファンだけでなく、一般層を大きく巻き込むことが不可欠なので、前回記事に書いたように、楽曲情報を誰もがアクセスしやすい形で、積極的に外向きに発信することを運営は考えて欲しいですね。


個別握手会は、熱心なファンを対象にした内向きなイベントで、一方、ミニライブ付きの全国握手会は、より外向きな発信力を持ったイベントだと思います。

10枚目シングルの特典では、内向きなイベントである個別を6日から7日に増やして、規模を拡大し、逆に、外向きなイベントである全国は、従来の京都と名古屋を含めた3日から、関東会場のみの1日に減らすことになったようです。

また、地方での全国握手会に代わって、大阪と名古屋でのライブを設定したけど、CD3枚からの応募による平日ライブで、相当に熱心なファンでも二の足を踏みそうな、内向き度マックスのイベントになっている(笑)。

つまり、どんどん内向きになっているんですね、乃木坂は。


HKT48は、個別握手会を4日に据え置き、総部数の大幅増加もなかったようです。

握手会でメンバーを疲弊させず、かつグループの人気をあまり内向きにさせないという発想からであれば、博多の運営は、ひたすら個別規模を拡大して、内向きなイベントを連発してくる乃木坂運営より、遥かに有能だと思います。

個別握手会という内向きなイベントでの成績を基準に選抜を決めてきた乃木坂は、握手以外の能力による外からの評価が入りにくくなり、選抜上位メンバーが固定され、握手会人気に深刻なメンバー間格差が発生、9枚目「夏のFree&Easy」で遂に、握手会での売り上げが前作を下回ることになってしまった。

そして、さらなる前作割れを防ぐため、個別日数が増やされ、総部数の大幅アップが行なわれた。

一方、HKT48の完売表を見ると、そういった極端な格差はなく、バランスの良い人気構造になっている。

個別を重視して、握手会による売り上げに頼っていると、(SS/OC)比が低下、グループはどんどん内向きになり、人気の裾野が広がらず、一般層は振り向かず、やがて握手会の人気格差からセールス効率がダウン、総日数と総部数を増やさないとオリコンが維持出来なくなり、さらに握手会依存を深めてしまう。

乃木坂が危険な悪循環に入り始めていることに、運営は気づいているんでしょうか。

「何度目の青空か?」が個別7日で初動50万枚を達成しても、次は、どうしましょう?

8日に増やさないと、前作割れとなる状況は、すぐにやって来ると思いますよ。

多額の費用を掛けて首都圏での個別握手会を1日増やすのであれば、CDセールスが若干落ちても、地方での全国握手会やチケット制土日ライブ(笑)にお金を使って、外向きな発信をした方が、長い目で見れば、プラスになるんじゃないでしょうか。


9月29日付のオリコン週間ランキングを見ると、「夏のFree&Easy」の13位に加えて、「君の名は希望」が200枚以上売れて、200位以内にランクインしています。

乃木坂のシングルでチャートに入っているのは、この二つだけです。

数は少ないけど、「君の名は希望」は、こうやってコツコツ売れ続けている。

どのシングルが何十万枚売れた、売れなかった、だからこのシングルは成功、こちらは失敗という量の議論ではなく、CDセールスの質を評価する発想はもっとあっていいと思います。

発売後1年半経ったシングルの200枚のセールス、それを買った人たちの思いは、特典イベントで稼いだ数十万枚という数字以上に、大きな意味を持っていて、それこそが乃木坂の未来への「希望」じゃないでしょうか。


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