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老化?

  一昨日、昼ご飯を食べに行った帰りにコンビ二に立ち寄った。ウーロン茶と妻の飲み物を買って、お金を払って外に出た瞬間に転んだ。何かにつまづいて、とっさに持ちこたえようとしたのだが、あえなく倒れ込んでしまった。しかし、少しは踏ん張った甲斐があって、両手で前のめりになった体を支えることができたため、膝や顔を地面に打ち付けずにすんだ。そのはずみに買ったばかりのウーロン茶はどこかに飛んで行ってしまった。すぐ後に店から出てきた妻が、「何やってるの?」と冷淡にも笑い転げる。「クソ、つまづいた!」私は手を払いながら立ち上がったものの、恥ずかしさで身が縮む思いだった。辺りをさりげなく見回したところ、他に誰もいなかったのがまだ幸いしたが、それでも妻に大笑いされただけでも十分屈辱的だった。
 「1cmくらいの段差だよ、何で転ぶの?」「ふむ」私は憮然として車に乗り込んだが、ハンドルを握ると少し手首が痛い。上手く支えたつもりでも、急に負荷がかかったのだから多少は痛んでも仕方がない。それにしても何であんな物につまづくんだ、私が黙ったまま運転していると、妻が「年なんだって」と遠慮なしに言う。そりゃそうだろう、若い頃に転んだことなんてなかった。要するに、歩くときに足がちゃんと上がっていないのだ。昔なら何の苦もなく跨げた高さまで足が上がらなくなっているから、簡単に障害物につまづいてしまうのだ。悲しいけど現実だから仕方がない。こうやって1つ1つ老いを重ねながら、いつの間にか身も心も老いてしまうのかもしれない。
 そう言えば、2ヶ月ほど前にはもっとひどい転び方をしていた。この時は家族で夕食を食べに行った店から、食事を終えて出てきたところで転んだ。ほろ酔い気分でぼやっと歩いていたせいで小さな段差につまづいたのだ。「わっ」と叫びながら膝から倒れて、前のめりに突っ伏してしまった。息子が「大丈夫?」と叫んだ声に気を取り直して、短パンをはいていた脚の方を見たところ、むき出しになった右膝をひどくすりむいて血が流れ出している。「くそっ!」と立ち上がろうとしても膝が痛くてすぐには立てない。息子が近寄ってきたが、何とか手を借りずに立つことはできた。「大丈夫?」とまた息子に聞かれたのが恥ずかしく、「うん、大丈夫・・」と見栄を張ったが、打ち付けた膝がヅキヅキ痛む。何とか家までたどり着けたが、しばらくは痛みが退かなかった。痛みが消えた後でも、擦り傷はなかなか治らない。いつまでもグジグジと膿んで、なかなか傷口がふさがらなかった。年を取るにつれて怪我の直りが遅くなっている。ちょっとした傷でも、元に戻るには何日もかかる。イヤになってしまうが、これもまた仕方がない。
 さらには、近くの物が本当に見えにくくなってきた。老眼だ。もともと軽い近視で眼鏡をかけているため、塾の生徒に質問された時など眼鏡を外さなければ問題がはっきり見えなくなってしまった。はめたり外したりしなければならないのはすごく面倒だし、生徒から見れば何やってるんだろうってことにもなる。これではいけないと、1年ほど前に遠近両用の眼鏡に変えた。自分としてはまだまだ若い気でいるため、眼鏡屋へ行って「老眼鏡を下さい」とは言い出せなくて、「最近近い物が見にくくて・・」と切り出してみた。すると店員は心得たもので、老眼鏡とは決して言わない。遠近両用のレンズだとかシニアグラスだとか言葉を変えて私の心を気遣ってくれた。そうは言っても結局は老眼鏡に変わりはないから、生徒から「眼鏡が変わったね」と言われても、「老眼鏡にした」とは言えず、「前のが合わなくなったから」などと適当にお茶を濁しておいた。
 このように老いは確実に私の中に入り込んで増殖を続けている。しかし、それはあくまでも肉体のことだけで、頭はまだまだ犯されていないぞ、と大見得を切りたいところだが、悲しいかな物忘れが激しい・・・やはり、どこもかしこも同じように老い続けているのを実感する。だが、気持ちだけでもまだまだ若いつもりでいなけりゃ、とてもやってられない。頑張ろう。
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