くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ペリーヌ物語」

2018-01-07 05:59:08 | 外国文学
 教頭先生から、中学生のころに好きだった本を聞かれました。
 「『家なき娘』ですね! マロの。アニメ『ペリーヌ物語』の原作です」
 「それは『家なき子』じゃないの?」
 「『家なき子』は男の子が主人公で、これは女の子なんです。読むたびに泣きます」

 ところが、教頭先生はおたよりに載せるのを断念したというので、わたしがまるまるパクって特集本棚を作ることにしました。
 どうせ売っていないのはわかっています。学生時代から本を探していたのです。古本屋で見たら即買いし、たまに岩波文庫で復刊されたり(旧字で)、偕成社から出たりしたので、5冊くらい持っていました。
 偕成社のを展示しようかと思ったら、先日天袋に入れてしまったため、竹書房文庫で十年くらい前に出たアニメ名作劇場シリーズの「ペリーヌ物語」を。
 以前は毎年読み返したものですが……。
 息子の産休のときにアニメを一気に見たらなんとなく気が済んだようで、ずっと読んでなかったのですね。(この本はその後に出ているので、読んではいます)

 予想通り、泣きました。
 分かっていたので、早々に布団に入って、じっくり物語に入り込みましたよ。
 特に弱いのは、乳母だったフランソワーズ(ロザリーのおばあさん)がペリーヌの顔を見て、どこかで会ったことがあると考える場面と、弁護士さんが調査をした結果の報告で、パリカールについて質問する場面。
 それから、工場で働くことにしたものの下宿の劣悪さに耐えられず狩猟小屋で寝泊まりして、自給自足の生活をするところもいいですね。

 解説は和田慎司。ビデオを再編集して繰り返し見ていると語り、ペリーヌはまだ十三歳なのだというのです。
 十三歳……。
 うちの娘、まさに今十三歳です。一人でこんなにやっていけないよなあ。しかし、本当にペリーヌ健気だよなあ。
 と思う反面、同じ母親としてマリの無念さがつらいのです。
 彼女はイギリス人とインド人のハーフで、エドモンと知り合ってペリーヌを産みます。二人の結婚にビルフランは激怒し、エドモンは勘当されてしまう。
 でも、やはりビルフランのもとに帰ろうと決意したエドモンに説得されて故郷を離れるのですが、旅の途中でエドモンが亡くなり、アルプス越えの疲れがたたって自分も寝込んでしまう。
 残された日は少ないと悟ったマリは、ペリーヌに「人を愛すること」を諭し、祖父から許してもらえないかもしれないけれど、マロクールのビルフラン邸に行くように話すのです。
 受け入れられないかもしれない。娘のことを考えると、今手を離さなければならない運命は残酷です。
 昔はそこまで思わなかったなあ。母親の年齢の方が近い年(時代背景からいえば、マリはわたしよりずっと若そう)だからでしょうか。
 ふと、アニメの影響もあるけれど、自分の母が若い頃この話が好きだったと話していたことを思い出しました。

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