くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「学校図書館発 育てます! 調べる力・考える力」遊佐幸枝

2011-11-08 05:35:45 | 総記・図書館学
正直を申し上げて、本校図書室、読書センターとしての機能もまっとうされているとはとてもいえません。
この本によれば、「本のある部屋」の段階でしょうね。蔵書も、かつての在校生が借りたまま返さない。多分中には無断借用もあり。で、カバーかけない(外部に整備を委託するから)、古い本が幅をきかせるうえにシリーズ欠本があったり、頻繁に図書担当が代わるために選書にまとまりがない(みなさん、ご苦労されたのだと思います……)。いちばんの問題はスペースです。狭い。普通教室と同じ広さ。本棚が少ない!
こういう本を読むにつけ、思うわけです。
調べ学習ってさ、ちゃんと基礎を教えないとやっぱりできないんだよね。本人たちはできる「つもり」になっているけど、パソコンに頼りがちだし情報を鵜呑みにするし。
実は今、ネット環境が故障していて総合学習の活動が動かないのです。地域学習に関わる本って、なぜか学校の図書室には少ない。郷土資料を地域の図書館に探しに行っても、役に立つものはわずかです。ムックでもパンフレットでも、図書室に揃えておかなければと、地道に活動はしているつもりですが、散逸してしまったり。整理が下手なんですよね……。
今年は予算を使い切って、魅力的な読みものメインに買いました。まず、本が「動く」ようにしなくてはならんと思うのですが、なかなか活発化しませんね。わたしも現在委員会担当ではないため、購入と棚の整理くらいしか関われないので思い切ったことはできないし。
で、気づいたのは資料活用に慣れていないぞ、と。いちばん目につくのは、「索引」を利用しないことです。
「この本に○○、載ってますか?」といいながら一ページずつめくっても見つからないよ。
で、同じ素材を選ぶと同じモチーフを描きたがるので、例えば柳の木の写真を五枚くらい探すことになります。(でも安易に便覧の写真を模写する子もいるので、同じ構図の絵が数枚出ることもあります……)
もっと授業で活用できるようにしたいのですが。そんな悩みへのヒントになるのが、この本。「学校図書館発 育てます! 調べる力・考える力 中学校の実践から」(少年写真新聞社)。
純心学園の司書として、長年図書室を支えてきた遊佐幸枝先生の実践記録です。何度も試みて完成した資料ですから、ものすごい参考になります。わー、これで新聞スピーチやる補強になるわー。
いやいや、うちの貧乏な経営にくらべて、純心学園はさすがに潤沢ですよ。実状にはあわない部分も、ないわけではない。世界の国を調べるためのブックリストを揃えるには、二年分の予算をこのためだけに注ぎ込まなければ。
その分を情熱で埋めるのは難しい。パスファインダーを集約したワークブックや、ステップによる学習の構想といった視点も、本当にためになります。一からここまでの流れを作りあげるのは、幅広い視点と書籍の知識が必要です。
調べ学習をする場合、疑問形でテーマを設定し、答えが出るようにする。例が秀逸です。「どうしてベートーヴェンの肖像画は、怖い顔をしているのだろう」
素敵です(笑)

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2 コメント

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発掘 (ウティカ)
2011-11-08 18:42:30
ぼくも図書館を愛用しています。四国の田舎町で暮らしているのですが、自転車で南に10分はしれば小さな図書館に行き当たります。それに、北に二十分走れば大きい図書館が有る。恵まれた環境です。

ちょいとおもいだしたのですが、角川書店の
「13歳からの反社会学」
という本に、図書館の活用術が紹介されていました。わざわざ紹介する必要があるというのがさみしいですが(図書館に慣れていない人が、まだまだ多いということですよね)面白かった。べつに
”起て若人!!こんな腐った世の中ひっくりかえすんじゃ~~”
というような本ではありませんので、機会があったら読んでみてください。
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ウティカさん (いつか)
2011-11-08 22:17:52
公立図書館が近くになかったので、わたしには学校図書館が唯一の本と触れることのできる場でした。
仙台にいた頃は自転車で市立図書館に通ったものです。閉架もマイクロフィルムも活用したなー。
実際自分の興味関心のあることを調べるのは楽しいのですが、やってみたことのない人には難しいかもしれませんね。自分が中学生のときにこういう手法を知っていたかというと自信がありません。
ウティカさん、四国にお住まいなんですか。昔、徳島や今治の方と文通してましたー。
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