くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「うつぬけ」田中圭一

2018-01-10 05:39:27 | コミック
 古本屋に行ったらこの本があって、立ち読みしているうちに、自分にとって必要な本かもしれないと思い、購入しました。
 昨年、「ペンと箸」(小学館)を買ったらすごく良かったのです。特に吉沢やすみとかわぐちかいじの回が。諸星大二郎も。
 だから、前後してこの「うつぬけ うつトンネルを抜けた人たち」(角川書店)が出たときも、書店でぱらぱらめくったんですよね。
 そのとき、熊谷達也が取り上げられているところを読んだのです。
 直木賞作家の熊谷さんですが、わたしの初任地管内で退職されています。当時は荒れた学校も多く、そのせいなのかなーと漠然と思っていたのですが。
 田中さんは熊谷さんの話を聞いて、「ステルスうつ」ではないかといいます。本人には自覚がない。でも、ストレスがたまっていることを見ないようにしているうちに身動きが取れなくなる。
 熊谷さんの場合は、奥さんが退職してもいいと舵を切ってくれたことが良かったのだろうとのこと。(奥さんは美術の先生を続けてらっしゃるようです)
 思い切って仕事から離れてみることを、田中さんはすすめています。
 時々フラッシュバックすることを繰り返しながら時間をかけてゆるやかに回復することが多いそうです。気温や気圧の影響を受ける人も。

 まんがでは、ゲームクリエーターや編集者、コミケのボランティアをまとめていた人、教師、作家といった方々が体験を振り返っています。
 教師、うつになる人、増えているように感じます……。
 わたしも他人事ではないと思って読んでみましたが、とりあえず今の「自分付き合い」はなんとかなっているかなと思いました。結構自分に甘い性分なので(笑)。