くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「菜の花食堂のささやかな事件簿」碧野圭

2017-05-08 05:04:16 | ミステリ・サスペンス・ホラー
 料理プラス推理。さらに、著者は碧野圭さん。これは買いだ! と発売してすぐに買ったのです。
 しかし、わたしの悪い癖。車からうっかりトランクに入れてしまい、探しても見つからない……。
 続編を買ったことと、図書館で借りた本が一冊どうしても見つからなくてトランク内部を片づけたら、こちらは見つけました。
 「菜の花食堂のささやかな事件簿」(だいわ文庫)。
 「私」こと館林優希は、菜の花食堂で行われる料理教室のアシスタント。店主の靖子先生が教えるのは、毎回ある野菜をテーマに家庭で応用できる調理法です。
 例えばごぼうであれば、きんぴら、ゴボウチップス、蓮根と合わせたマヨネーズサラダ、豚肉の柳川風、ごぼうと牛肉の炊き込み御飯、豚汁。
 ウド農家さんに頼まれて考えたのが、ウドと人参と油揚げの炊き込み御飯、味噌汁、ウドと大葉とチーズの春巻き、豚肉との味噌炒め、皮を使ったきんぴら、そして、ウドのスイーツ!
 えーっ、ウドでスイーツですか?
 わたしはウドをもらったら酢の物か天ぷらにすることが多かったので、「レモン水にさらして灰汁を抜き、粗くみじん切りにしたものに、やはり粗く刻んだイチゴを加え、ゼリーでまとめたもの」といわれても想像がつきません……。
 もちろん、このへんも様々な事件や謎に結びついていくのです。
 途中で、フランス人の旦那さんと離婚して娘さんがいることがわかったり、近隣の屋台バザール「野川マルシェ」に参加したり(このカレーがおいしそうなんです!)、さらには出生の秘密まで。
 わたしはこの「ピクルスの絆」のエピソードに涙してしまいました。
 靖子先生の味が、たくさんの人の舌を楽しませてほしいですね。
 そして、優希はお店のマネージャーになるんですかね?
 赤い自転車の謎や、すっぱくなっていたケーキの謎など、心に残りました。