くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ぬまっちのクラスが『世界一』の理由」沼田晶弘

2016-09-20 20:59:17 | 社会科学・教育
 職場で配られたパンフレットに紹介されていた「ぬまっちのクラスが『世界一』の理由」(中央公論新社)を借りてきました。
 著者は沼田晶弘さん。東京学芸大学附属世田谷小学校の先生です。
 赴任したばかりのときは、赤ジャージ、赤い靴、前髪は立てて金のネックレス。保護者からは「トサカ」と密かに呼ばれていたとか?
 三年生のクラスは「全員リレーゆっくり作戦」で運動会に勝利。授業参観ではミニゲームで保護者も巻き込む。
 「内閣」と呼ばれる班にクラス経営をできるだけ任せる。授業も児童が前に出て教えるように促していくようです。
 子どもだからというより、「体が小さい人」と捉えてリアルな社会を教材にしていく。スーパーマーケットが特売をするのはなぜか。もうかる秘密って?
 一週間の期限でスーパーについて調査すると、棚陳列やチラシに施した工夫がわかる。中には試食コーナーで「買わないおばさんの法則」を発見した子も!(食べたあと大きくうなずく人は買わない、のだそうです)
 店長さんはインタビューにいくときは、「はい」「いいえ」で済んでしまうような質問はしないこと。
 沼田さんの基本は「そもそも」。原点に立ち戻ることで「なぜならば」にたどり着けるとか。
 実習生に「いい質問です」を禁ずるというのも、なるほどと思いました。そういうのは、誰にとっての「いい質問」なのか。それは「都合のいい質問」ではないのか。
 意外性のある質問こそが授業の醍醐味。相当覚悟がないとできませんよね。
 「四十分の問題なのに一時間かけてできたって、何の意味もないからな。宿題は四十分以上はやらないこと」
 こんなふうに時間を区切るとラストスパートができる。
 千問ある社会の問題集を使ってクイズ大会、わたしも参加したいです。
 学校は自立できるように後押ししなければならないと、わたしは思っています。自分の力で生きていけるように。
 子どもたちが考えて活動する様子、頼もしいですね。