博士の愛した数式新潮社このアイテムの詳細を見る |
今回は、小川洋子『博士の愛した数式』を紹介します。この本は、心温まる(heartful)美しい本だと思いました。この本の主要な登場人物は、家政婦とその息子(ルート)と博士である。博士は、1975年で記憶の蓄積が止まっている。記憶は、80分しか持たない。この本で出てくる事例でいうと、つまり、その当時の阪神タイガースの28番江夏豊は知っているが、トレードされた以降の江夏豊は知らない。
この話の心温まるところは、一途な博士の姿である。家政婦とルートに数学の話をする一途な博士の姿は、心温まるほんわかとした空間を彩っている。また、数学にしか興味がないと思われていた博士が、ルートに一途過ぎるほど一生懸命なところもいい。
この本を読んで、今まで意識しなかった数学の美しさについて感じることができた。その美しさを感じさせる書き方がまたいい。特に、素数についてはなんともいえないほど興味をを持った。素数については、出方に規則性がないらしい。素数の出方の不規則性が神秘的で美しい。
この本を読み終わった方は、下記の本もお勧めします。
世にも美しい数学入門筑摩書房このアイテムの詳細を見る |
「世にも美しい数学入門」、本屋で見かけて気になるのですが、未読であります。
>まさに心温まるじんわりいい本でしたね。
確かにその通りですね。英語で言う、heartful & beautifulと言う言葉がふさわしいですね。
>「世にも美しい数学入門」、本屋で見かけて気になるのですが、未読であります。
数学が美しいものだと言うことが共感できる方にはお勧めしたいと思います。少なくとも、『博士の愛した数式』を読んで数学が美しいと思える方ならば、読んでも損することはないとおもいます。
それでは失礼します。
トラックバックさせていただきます。
よろしくお願いします。
>博士の愛した数式、トラックバックさせていただきます。よろしくお願いします。
こちらこそよろしくお願いします。それでは失礼します。
博士と亡くなったばかりの祖父が重なり切なくなります。
(祖父は85歳だったので私の博士はかなりおじいちゃん^^;)
TBさせて下さいね
>数学にしか興味がないと思われていた博士が、ルートに一途過ぎるほど一生懸命なところもいい。
ほんとうに・・・。
あの可愛がり方、愛し方、いいなぁって思います。
私のほうからもTBさせてください。
>博士と亡くなったばかりの祖父が重なり切なくなります。
私は、母方の祖父(18年ぐらい前)と重なり合うところはありますね。なんか博学なところは、博士と通じるところがありますね。
それでは失礼します。
>あの可愛がり方、愛し方、いいなぁって思います。
博士の無邪気な可愛がり方は、子供にとっては幸せなんでしょうね。
それでは失礼します。
わたしも「世にも美しい数学入門」が気になってます。(^^ゞ
こうやって、数学が市民権を得ていくといいなぁと思ってます。
ウチの記事でも触れていますが、この作品の「博士」には、
実在の数学者ポール・エルデシュの面影を強く感じます。
もし未読であれば、この作品の参考文献にも挙げられている
『放浪の天才数学者エルデシュ』も一読されることをおすすめします。
『博士の愛した数式』の印象もまた違ってくるのではないかと思います。
それでは。