頭脳のスタジアム 一球一球に意思が宿る日本経済新聞社このアイテムの詳細を見る |
今回は、吉井妙子『頭脳のスタジアム 一球一球に意思が宿る』を紹介します。本書は、一流野球選手へのインタビュー記事で構成されています。ただ、考えもなしにプレーはしていないんだなということがわかる内容です。一流ともなれば、感覚の許すままにプレーをするんではなくて、よく考えてプレーをするものなんだなということがわかります。昔の野球選手のイメージである「酒、遊び、女」というイメージとはかけ離れている。
本書を読んで、一流のプロ野球選手が野球に関して何を普段考えているのかが垣間見ることができる。自分の感覚を言葉にすることは難しいことかもしれないが、それをよく言葉にしてくれたなあという感じがする。また、インタビューの技術が素晴らしいのかどうか走らないが、わかりやすく伝えている。インタビューの合間に専門家の人が補足説明をしているのが、説得力を生むのかもしれない。
私は、福岡に住んでいるので、ソフトバンクの選手(松中、城島、和田)に関しては地元のテレビ局がドキュメンタリー番組で彼らを取り上げることがあるので、知っている内容が多かった。本書を読むときは、ソフトバンクの選手以外を重点的に読もうとしました。その中でも、西武の和田選手の話が良かったと思う。イメージトレーニングってこんなに効果があるんだなということが、和田選手の話だけでなく、実際に成績を残していることでわかった。
私はこの本については、女性がプロ野球について書いた本であるということで、女性ならではの視点からの取材を期待していたのですが、突っ込みが今ひとつだったのでちょっと残念でした。
今、日経新聞の記者が著した「ヒデキマツイ」を読んでいます。日経新聞に月イチで連載されていた記事に加筆したもので、新聞で読んでいた時からとても興味深く読んでいました。前書きによると著者は野球に関しては素人だそうですが、松井選手の内面を鋭くえぐり出しています。必読ですよ。
インタビューは基本的には、選手本人にどれくらいしゃべらせるかがポイントだと思っています。私は、これについては目的を果たしていると思っています。
「ヒデキマツイ」という本についても書店で探して読んでみますね。
それでは失礼します。