決して真っ直ぐな人生でなく

曲がったことが嫌い。
と言えればカッコイイのだが、
どっこいそういう素直な人間じゃない。

曲がったことも結構好きである。
屈折した人生を歩んできたからだろうな。
順風満帆の人生だったらね。
きっとカッコイイ建前を言う人間になっていたと思うんですよ。

実際にね。
心の病の発病前はそういう人間だったから。
カッコイイ建前を言って、
その実、人の心なんてなんにもわかっていなくて、
うわべの優しさだけで繕った空虚な人間だった。

神様がいるかなんてムズカシイことはよくわからないけれど、
いるとしたら罰を与えたんだと思う。

当時の病名、精神分裂病。
（今は統合失調症と言わないと怒られるらしい）
発病。
転落。
落ちるのはあっという間。
それまで積み上げてきたものがすべて崩れ去るのも簡単なプロセスだった。

んでもって、ながーい過程の末。
少しだけ回復した今に至る。
闘病、苦しかったからさ。
その苦しさを知っているからさ。
結果、いろんな生き方を認められる人になれた。
真っ直ぐだけじゃない。
ねじ曲がった人生も頭から否定しない。
だって自分の人生がねじ曲がりまくりなんだから。
文句を言えた義理はない。

でも、何だかんだで満足しているよ。
病気のことを人に話してさ。
一番困るのは
「それはそれは大変だったでしょう」
みたいな反応。
気を悪くする訳でもなく、困ってしまうんだな。
私にとってはこれが標準の人生。
他の人生を知らないからさ。
「大変だったでしょう」
と言われても、
「はぁ、そんなもんですかねぇ」
と言うしかない。
だからトータル満足の人生。
今もそれなりに楽しいし。

金銭的には恵まれているとは言い難い。
結婚はおろか、彼女いない。
それでも満足かっ？
満足ですっ！
はい。

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