滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

第70回 正倉院展2018

2018年10月30日 | アート・文化

今年も奈良国立博物館で開催されている正倉院展に行って来ました・・・。毎年の恒例行事として、古の文化と職人技(そのセンス)に敬意を表しに奈良に行って来ました。今年で70回を迎える正倉院展ですが、これまで正倉院展に出陳された宝物は延べ5000件近くに及ぶとの事です。それでもなお正倉院には約9000件を数える宝物があり、未だに初出陳の宝物が毎年含まれています。このことからも、正倉院では、いかに数多くの宝物が大切に守り伝えられてきたかがよく分かります。

 

それで、今年も出品の中から宝物を1つ紹介したいと思います。画像の宝物は、「玳瑁螺鈿八角箱」という印籠蓋造の八角形の箱です。木製で底裏を除く外面を玳瑁(たいまい:べっこうのこと。)貼りとし、玳瑁に文様の形をくり抜き、螺鈿で唐花文や蓮華・鳥などの文様を表しています。玳瑁は下地に黄色と焦げ茶色が彩色された上に貼られていて、斑文に変化を持たせています。また、螺鈿はヤコウガイが用いられていて、象嵌(ぞうがん:金属・陶磁・木材などの材料の表面に他の材料を嵌め込むこと。)後に線刻が施されています。

この「玳瑁螺鈿八角箱」は、明治28年に大がかりな修復が施されており、外面の玳瑁は面積の半分以上が修復されているそうです。当初の玳瑁は赤黒い斑文の多い部分を用いているのに対して、後補部分は黄色の部分が多い材が用いられています。ちなみに、正倉院宝物の玳瑁は、黒色の斑点を多く含むものが用いられている傾向があり、玳瑁の黄色を好むようになったのは近世になってからのようです。本品の用途については、珍材を用いた華麗な装飾から仏前に進める献物を納めるための献物箱と推定されています。

 

せっかく奈良に行くのだから、今年も正倉院展に行く前に他の社寺を訪れて来ました。今年は、法隆寺(2回目です)と中宮寺(法隆寺のすぐ隣です)と法起寺に行って来ました。

 

画像は、コスモス畑から見る法起寺の三重塔(国宝)です。706年(慶雲三年)に建立された現存する日本最古の三重塔です。法起寺の周辺では、農家の方がコスモスを栽培されていて、その規模は毎年少しずつ拡がっているとか・・。ちょっとした名所になっているようです。

という事で、今年の恒例行事も終わってしまいました。、正倉院展は、11月12日まで開催されていますので興味のある方は、古の文化と職人技に敬意を表しに奈良に行ってみてはいかがでしょうか・・・。

 

 

 

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「睡眠負債」を防ぐには・・・。 最初の90分が睡眠ゴールデンタイム

2018年10月07日 | 独り言

最近バタバタしていて、先月は久しぶりに月1ブログが書けませんでした・・・。努力目標は月2ブログなのですが、月1も達成できていませんね。それで、私もバタバタしていて睡眠不足になりがちなので、今回は「睡眠負債」を防ぐ基礎知識を紹介することにします。

睡眠不足が借金のように積み重なってしまうことを意味する「睡眠負債」という言葉があるそうです。日本人の睡眠時間は年々少しずつ短くなり、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は、2007年が28.4%だったのに対して、2015年には39.5%と10ポイント以上も増えているそうです。(厚生労働省「国民栄養・健康調査」)

「睡眠負債」を防ぐには、少しでも質の良い睡眠をとることが重要になってきます。22時から2時の間に成長ホルモンが分泌されると言われていますが、成長ホルモンの分泌は時間に左右されるワケではなく、入眠から約90分間のノンレム睡眠の間に多く分泌されるそうです。さらに、寝始め90分間のノンレム睡眠では、最も大きな睡眠圧(眠気)の解消・自律神経の調整・脳のコンディショニング(記憶の定着)などが行われるとの事です。

以前、私が3~4時ぐらいにいつも寝ている(最近はもう少し早く寝るようにしています・・)ことを知っている友人から、「一番睡眠においしい時間帯(22時~2時)を外して寝ているな!!」と言われたことがありますが、どうやら「何時に寝るか」ではなく、最初の約90分間でいかに深い眠りにつくことができるかが重要だということのようです。つまり、寝始め90分間で脳と身体のコンディショニングが決まる(最初の90分が睡眠ゴールデンタイム)ということです。

ちなみに、良質な睡眠には、脳などの深部体温を上げてから下げることも必要なんだそうです。睡眠は深部体温が少し下がったときに始まるので、寝る90分前に入浴を済ませておけば、深部体温が上がったあと、入眠時までに適度に下がるため、スムーズな入眠とその後の良質な睡眠につながるそうです。

という事で、「睡眠負債」になりがちな方は参考にしてみてはいかがでしょうか・・・。

 

 

 

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