滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

湖西の家 その2

2010年10月23日 | 建築
今日は、久しぶりに現在工事中の「湖西の家」のお話をします・・・。私の現場は手間のかかる作業が多いので、なかなか思うように工事が進まない事が多いのですが、「湖西の家」も例外になく、現場監督さんや職人さんたちにいろいろとご苦労をおかけしています。それでも現場のみなさんが一生懸命に頑張ってくださるので、少しずつ形になって来ています・・。

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右の画像は、中庭から2階デッキのスチール手摺りを見上げたものです。重厚でシャープ感のある手摺りにしたかったので、スチールのフラットバーで製作しました。フラットバーを横使いにしているので、中庭からのプライベートルームへの視線を隔てる目隠しルーバーの役目にもなっています・・。

実は、このスチール手摺り・・一度製作したのですが、納得いくモノが出来上がらなかったので、製作方法などを再検討してもらって造り直したモノなのです。金物屋さんも2度目のときは、慎重かつ気合いを入れて造ってくださったので、ご覧のとおりシャープな仕上がりになっています。(ありがたい事です・・。)

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左の画像は、玄関ポーチを回廊側から見た様子です。壁に張られている木板は、ラスモルタル下地なのですが、お施主さんは以前より、この状態のほうがカッコイイと言って気に入っておられて、このままの状態で仕上げに出来ないか・・とおしゃっていました。(何でも、ラスモルタル下地のチープな感じがいいそうです・・。)

それで先日お施主さんから、本当に木板を張って仕上げたい(本来はラスモルタルにスタッコ吹付けだったのですが・・)という相談がありました。この時点でファサードの仕上げを変えるのは異例な事なのですが、私も設計中にこの壁(お施主さんのおしゃっている部分と同じ部分)だけテクスチャーに変化をつけてアクセントにしたほうがいいかも・・と思っていたときもあったので、木板張りもアリか・・と思い、赤身揃いの杉板を張る事になりました。

赤身揃いの杉板を張る事で、ファサードにどのようなアクセントを与えてくれるのか・・ちょっと不安もあるのですが楽しみです・・。

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ところで・・まったく話が変わりますが、画像は「湖西の家」の現場に行く途中で見つけたコスモスの咲いている花畑です。(車の中からバシャと撮影しました。)、以前にも言ったような気がしますが、秋の花は春夏の花と違って・・どこか物静かで寂しげに感じるのは私だけでしょうか・・・。




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わが家から一番近い国宝

2010年10月17日 | アート・文化
この間までキンモクセイの甘い香りが何処からともなくしていたのに、もうキンモクセイの花も枯れ落ちてしまいました・・・。どんどん季節が流れているのですね。(当たり前の事ですが・・。)
先日、車の運転中に白い花が咲いているキンモクセイを見つけました。(キンモクセイは普通オレンジ色の花ですから。)私は初めて白い花のキンモクセイを見たのですが、ひょっとしたらあの木がギンモクセイだったのかも知れませんね・・。(ギンモクセイは、キンモクセイに似た白い花を咲かすそうです。)

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今日は、わが家から一番近い場所にある国宝を紹介します。わが家から直線距離にして約300メートルぐらいの位置にある「新羅善神堂」です。
大津市の掲示板に書かれているとおり説明しますと、堂は三間四方の流れ造りで屋根は檜皮葺きの美しい建物で国宝に指定されています。暦応3年(1339年)、足利尊氏によって再建されました。ちなみに、新羅明神は、園城寺の開祖智証大師の守護神で、本尊新羅明神坐像(非公開)も国宝です。

源頼義の三男義光がここで元服し、新羅三郎義光と名乗ったことは有名です・・。義光の兄は、さらに有名なあの八幡太郎義家です。(と言っても、歴史に興味がない方には有名ではないかも知れませんが。)
新羅三郎義光は、後に関東に下り、甲斐源氏の祖となり武田氏へとつながっていきます。歴史に詳しくない方でも、戦国大名の武田信玄はご存知ですよね・・。つまり武田信玄も新羅三郎義光の子孫という事になります。

私の微かな記憶では、映画「影武者」の中でも武田信玄の子である諏訪勝頼(確か・・荻原健一が演じてた筈です。)が「新羅三郎光義公より武田は敵に後ろを見せたことがない・・!!」と言って進撃して行く場面があったと思います。

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と・・まぁ、歴史の授業のような話になってしまいましたが、私は夕暮れ時に新羅善神堂の前の広場で、ボーッとしながら新羅の森の小鳥のさえずりを聞いているのがとても好きです。わが家から数百メートルしか離れていない所にこのような別世界の空間がある事に感謝しながら、今日も散歩の途中に立ち寄ってボーッと新羅の森の空を眺めていました。
(今日も心が癒やされました・・・。)


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1年点検

2010年10月03日 | 建築
ずいぶん過しやすい気候になってきました・・・。工事現場に行っていても日が暮れるとけっこう肌寒いですからね。秋のお彼岸も終わりましたが、私の叔母が「暑さも寒さも彼岸まで・・。」とよく言っています。暑さは秋の彼岸まで・・寒さは春の彼岸までという事なのでしょうけど本当にそうですよね・・。

先日、昨年竣工した「西念寺-庫裏」の1年点検を行いました。1年(四季)を通して建物を使って頂いて、どこか不具合が起きていないかを調べる点検です。まずお施主さんから不具合がないかお伺いした後、建物を一通り点検し不具合があるところについては、工務店と協議して手直しをする事にしました。

点検を終えてから、お施主さんに建物を1年を通して使って頂いた感想などを交えて、いろいろお話を伺っている中で来客から「あそこを褒められたとか・・私はここが一番気に入ってる・・。」と言われたりすると、設計者としては半分お世辞でも嬉しいものです・・。もちろん、いいお話だけではなく、もう少しこうしておけば良かったという反省点もいくつかありました。(こうした反省点は、これからの建築に生かしていかなければいけませんね。)

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それにしても、お寺の庫裏という事もあって、とても手入れされて綺麗に使って頂いているので、点検していても気持ちが良かったです。大切に使ってくださっているのが伝わってきました。(有り難いことです・・。)
画像は、プライペートスペースにある階段の手摺りです。外観や庫裏としてのパブリックなスペースは和風になっていますが、こうしたプライベートなスペースは、気持ちの切り替えができる遊び心のある空間になっているんですよ・・・。






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