政治の場で「高齢者の定義」を決めるとは何ごと。結局は社会保障に手を付けたいだけ・・

2017-04-16 14:22:48 | 日記

 政治の場で「高齢者の定義」を決めるとは何ごと。結局は社会保障に手を付けたいだけ・・

 

    70歳までを「ほぼ現役世代」として、その年齢まで働ける社会にすべきだとする提言が「65歳以上の人の働き方などを議論する自民党のプロジェクトチーム(座長・片山さつき政調会長代理)」によって公表された。(70歳は『ほぼ現役』・65歳「完全現役」…自民PTが案・朝日新聞4/13)
  これは今年の1月に開催された日本老年学会において、今まで65歳以上とされてきた「高齢者の定義」を「75歳以上」とすべきだとの提言を発表されたが、これを受けたものであろう。

    片山チームがまとめた骨子案は次のとおりである。「65歳までを『完全現役』とし、定年を65歳に引き上げることを求め、さらに定年から70歳までを『ほぼ現役世代』として、それまでの経験を生かし、地域と一体となった仕事や社会活動に参加してもらう」としている。加えて、そのための環境整備として「公的年金の受給開始を遅らせると有利になるような具体策の検討をすべき」としている。この提言をまとめた片山座長は「70歳未満までを現役にすれば、2065年には高齢者1人を1.3人の現役世代が支えるというものが1・8人となり、完全な『肩車型社会』にはならずに乗り切れる」と述べている。

  では問いたい。まず完全定年制なるものを制度として持っている企業が今幾つあるだろうかと。ましてや定年退職金などは存在していない企業が大多数である。今後はこの実態がさらに拡大するだろう。まさに「定年」と言葉自体が「死語」になっていくといっても過言ではない。

    さらに同紙は取材記者が、記名付きで投稿を呼びかけ集まった約60件の意見を記事にしているがその一部を紹介する。

    ◆若い世代からは「年金で遊んでいないで働け」とせかされるイメージが浮ぶ。60歳を過ぎて高校の同級生2人が病気で相次いで亡くなった。「最近の高齢者は元気」と言われると「元気じゃない人は表に出ないだけ、と言いたくなる」(66歳)

    ◆69歳で退職した後、未経験の不動産窓口で月100時間働いている。ただ、同世代の知人からは「仕事が見つからない」と聞いており「自分は運がよかったと思っている。仕事の場を与えられていない人は多いのではないか」(75歳)

   ◆将来に不安を感じる。勤務先も65歳からはパート扱い。将来への情報収集のためハローワークで「65歳以上」と設定して検索するがフルタイムの募集は少ない。「75歳で線引きするなら、それに合った雇用や社会保障の仕組みを整えてほしい」(57歳)

   いずれにしても「高齢者の定義を政治の場」で決められるものではない。それは余計なことである。ましてや、その定義を「看板」として年金制度や雇用保険などに手を付ける、挙句に高齢者は医療費・介護費がかかるということを理由に社会保障に手をつけるとは何事だと言いたい。ハローワークの報告があったが、そのハローワークの窓口相談員が「非正規」であったという笑えないケースも報告されている。

  政治家や官僚の上から目線、そして徹底した市場原理の政治姿勢に「ノー」を突き付ける「有権者思想」を持ちたいものである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿