わたしの随筆  雪  地  風

心に浮かんだことを気ままに

日傘、入道雲

2016年07月28日 | 随筆

 今日、関東、甲信地方も梅雨明けしたようだ。例年より遅いため、夏休みに入っても市営プールなど利用者は少ししかいなかった。夏はそれなりに暑い方がいい。

 

 テレビをつけると障害者施設での凄惨な殺傷事件のニュ-ス。弱者を差別し、抹消しようとする酷過ぎる行為である。今の日本の世相と関係するとは決して思いたくないのだが・・・。世界中が紛争や難民、テロ事件、ヘイト、経済格差、極右保守化などと、かつての時代より更に混乱している昨今。日本だって五十歩百歩。経済、経済。金、カネ、金。現憲法だって、悪憲法呼ばわり。しかも政治家たちが率先して。こつこつと長い間かかって築かれたきた立派なものが劇場型のような短絡的政策、愚策で次々と崩されていく。挙句、道徳教科ときた。徳も一番無さそうな身勝手な利権政治家たちの口から。党派性丸だしの詭弁で。教育現場もブラック企業みたいに締め付けと過労働になってるんだと嘆いていた知人。子どもたちも可愛そう。

 

 文化だって然り。息抜きにポケモンGO。流行に夢中になり過ぎて、ケガしちゃバカモンだ。そんなこと、こちらはノケモンだけど。ついて行った方がよさそうな事とそうでもない事。そんな時代のようで・・。

 

 米大統領選挙もなー。ワーワー ワーワーと何時まで騒いでるの。11月まで?AKBの選挙の方がずっとましでは、ちょっと失礼か。大袈裟な身ぶり手ぶりでうるさい。まるでショーみたい。フェスティバル?経済効果?ガス抜き?長くやって政治意識を高めるということ?その割には、結局、銃規制などはせず、貧困格差、人種差別は更に進み、内実は騒ぐ割には後退するばかりのように見えるけど。トランプ現象などと・・。大袈裟で、人気最優先の昨今の大資本ハリウッド映画の如し。

 

 ジー ジー ジーと盛んに蝉の声がする。オットットットと竿の先の鮎をつかもうとしている笠をかぶったニコニコ顔の釣り人。汗をかきかき自転車をこいでいる男。日傘をさして歩く婦人。いよいよ暑い夏へと入っていく。入道雲が見たい。海もいい。

 

 

  梅雨明けへと

                    

                     ①               ②              ③               ④               ⑤

                    

                     ⑥               ⑦               ⑧              ⑨               ⑩

    

                                                DATA

                                                    CANON  IXY      写真 ①~⑧

                                                    FUJIFILM   X-E1 

                                                        zoom-nikkor-c  43~86mm  f3.5

                                                                  写真  ⑨ ⑩

                                                    撮影日  2016.7.25  写真  ①~③

                                                            〃  7.26  写真  ④~⑦

                                                            〃  7.27  写真  ⑧

                                                            〃  7.28  写真  ⑨ ⑩    


夏が来た

2016年07月24日 | 随筆

 日曜日の今日、久し振りに良い天気となった。蝉の鳴き声もジージージーと盛んである。門の横の石垣には蝉の抜け殻がくっついたまま。それは、昨夕何処かへ飛んでいったアブラゼミの名残。脱皮から半日ばかりかかって、ようやく飛び立てる濃い茶色の羽になっていった。

 

 森を抜け、土手を歩いているとスマホを持って歩く若者を何人も見る。あちこちのベンチに座って見入っている者もいる。いつもの電車の中のように。立ち止まってスマホを見ている4年生位の子に、ポケモンを見つけたのと聞く。いっぱい捕まえたよと言って、パラパラと捕まえたポケモンを見せてくれた。いろんな種類のポケモンがいっぱい。画面が変わると、今立っている土手がアニメ風に映った。「気を付けて、頑張ってね」と言ったら、「はい!」と元気な声が返ってきた。歩きスマホの注意キャンペーンも効いているのかなと少し思った。

 

  プールの方へ歩くと親子連れの客も多い。夏休み4日目の日曜日だ。休みに入って初めて、夏らしい暑い日となった。プールも開かれないような日がしばらく続いていた。夏は、子どもたちが大好きな水泳ができるような暑い日がいい。長い夏休みにしかできないこともいろいろあるだろう。また、熱中症、水難事故などには十分注意したい。

 

  竹垣を伝って赤紫のアサガオが咲いている。昼間、高い木を見上げて、白い網を静かに伸ばしている子ども。午睡をしている軒先で、風鈴がチリン チリンと涼しげな音をたてている。日没後、パチパチパチとはじける音と子どもの笑い声。流れてくる花火の匂い・・。夏の風物詩もいろいろ。

 

 

           夏の日に

                                  

          

                                    

                                              ☆             ☆*               ☆*

 

                                          DATA

                                               camera     

                                                   FUJIFILM  X-E1

                                                       fujinon super ebc xc  16~50mm

                                                                      *印を除く写真7枚

                                                   SONY  cyber-shot        *印の写真2枚

                                               撮影日  2016、7、23     ☆印を除く写真6枚

                                                       〃  7、24     ☆印の写真3枚                        

 


大暑へ

2016年07月21日 | 随筆

 東京はこのところ雨模様の天気。夜などちょっと寒い感じ。明日は大暑。もっとも暑い真夏。でも、午前中は雨の予報が出てる。

 

 ぱらぱらと雨が降ってくるのも時にはいい。暑いより、涼しい方が過ごしやすい。池の水紋が面白い。水蓮も古代蓮も生き生きとしている。河原のクルミも大きくなった。稲が風に揺れる。水溜りに影がすっきりと映っている。

 

 もうすぐ、梅雨も明けるだろう。そして、いよいよ真夏の到来。ヒマワリ、サルスベリ、ヘチマ、トウモロコシ、花火、プール、海水浴、スイカ、そーめん、入道雲、お盆・・。暑さ対策も。よしずを窓際に立てた。扇風機、団扇、蚊取り線香も・・。

 

 

      土用の頃

                                     

                                        *                 *

                         

                      *

                                   

                                             DATA

                                                 camera   CANON  IXY

                                                 撮影日   2016、7、20    *印の写真3枚

                                                          〃  7、21   


「二十四の瞳」

2016年07月18日 | 随筆

 今日は海の日の祝日。暑くなったこともあり、近くの水上公園のプールは親子連れでいっぱい。九州から東海まで今日、梅雨明けしたそうだ。子どもたちが楽しみにする夏休みも近い。

 田んぼの方へ散歩に行くと、蓮池にピンク色した古代蓮や白蓮の蕾を見つける。畑や野原に咲くヒマワリなどを見ると、いよいよ暑い夏になるなーと思う。

 

 一昨日、市のホールで開催された<思い出の映画鑑賞>へ行ってきた。映画は昭和29年公開作品の「二十四の瞳」。子どもの頃とか、その後、テレビで見たけど、2時間半の白黒映画なのでじっくり見終わったという思いはいつもなかった。だから、大きな映画スクリーン画面で落ち着いて一度見たかった。

 ストーリーはよく知られた小豆島、分教場での十二人の児童と高峰秀子演ずる大石先生との戦前から終戦翌年までの激動する時代を描いたもの。原作・壷井栄、監督・木下恵介、音楽・木下忠司(恵介の実弟)などの松竹映画。戦後9年目の公開映画で撮影に丸一年かかったそうだ。

  

 単純な感想として、やはり名画だと思った。見る前に、もう時代に合わないのではと思ったりしたが、逆で、今だからこそ是非見たい新鮮な映画だと確信した。

 映画で流れた曲や唱歌を中心にして簡単に心に残った場面を記してみる。先生を落とし穴でケガさせてしまう。子どもたち全員がケガで休んでいる先生の家まで訪ねて行く。1年生には道のりは遠過ぎて、くだびれ、みんな泣きながら歩く。  ♪ からす  なぜなくの  からすは山に  かわいい七つの  子があるからよ  可愛 可愛いと  からすは  なくの ~ ♪ の歌が流れる。

 

  修学旅行へと船は出て行く。先生は、金比羅の食堂で働く貧しかった教え子と偶然にも再会する。あの浪花千栄子が店の女将役。先生と無言の涙目で店で別れる。その後、店の裏口から女の子は出ていき、楽しそうに旅行している同級生を隠れながら見つめて泣いている・・。

 

 ♪ 菜の花畠に  入り日薄れ  見わたす山の端   霞深し  春風そよふく  空を見れば~

 ♪ うさぎ  追いし  かの山  こぶな  釣りし かの川  夢は  今も  巡りて  忘れ  がたき  ふるさと~

 ♪ あした浜辺を  さまよえば   昔のことぞ  しのばるる   風の音よ   雲のさまよ  寄する波も  かいの色も~

 

 いろんな場面で、 アニー・ローリー、春の小川、浜辺の歌、庭の千草、おぼろ月夜、荒城の月、故郷などの曲や唱歌が画面に流れる。歌が画面を説明しているように思う。素直でいい。

  

 やがて、時代は軍国主義が色濃くなっていく。こんな時代、アカ教育と疑われるようなことをしては駄目だと校長からこそこそと諭される。その後、先生は自ら退職する。

 ♬ ♬  若い血潮の  予科練は  七つボタンは  桜に錨    今日も飛ぶ飛ぶ  霞ヶ浦にゃ~

     ~   ~   ~   ~     さっと巣立てば  荒海越えて  行くぞ敵陣  なぐり込み~         ・・・ 軍歌が流れる。

                                                                                                           戦意高揚映画「決戦の大空」の主題歌“若鷲の歌”より

  

  世の中は、日の丸、たすき・・軍事一色となっていく。年若き男たちが、次々と出兵。

 

 時代の流れは、教え子を離れ離れにもする・・。戦地で命を失い、遺骨となって帰ってくる者も。先生の夫も戦死。また、娘を終戦後の栄養失調で亡くす。残された二人の息子と先生でつつましく生きて行く。分教場に再び戻った先生は、かつての教え子そっくりな子どもたちを見て涙ぐみ、しくしくと泣いてしまう。教え子たちの子どもたちが何人かいたりした・・。<小石先生>から今度は<泣き虫先生>にあだ名が変わていた。 

 

 生き残ったかつての子どもたちから同窓会で自転車を貰う。歳をとってきた大石先生は、毎日その自転車に乗って分教場へ向かう。電柱と木がぽつんぽつんと立っている海辺の道を一人こいで過ぎ去って行く。強そうで、どこか哀しそうな姿は右画面の方へと消え、残った寂しそうな場面のまま2時間半の映画は終わった。ふと、タラのテーマ曲(風と共に去りぬ)が脳裡をよぎった。トーキーの言葉で聞きづらい箇所も少しあったが、何度何度も哀しく思ってしまう映画である。苦しい時代の中、誠実に、清貧に生きる姿に幾度も哀しく思ってしまった・・。良い映画だ。  いつ迄も平和であることを祈りたい。

   

 

     暑い夏へと

                                                        

                                          7/16                    7/17                  7/17                 

                                                             

                    7/17                   7/18                 7/18写

                                        

                                              DATA

                                                   camera    CANON  IXY                                                     


面白かった舞踊

2016年07月15日 | 随筆

 雨がよく降る。関東では渇水が心配されているので恵みの雨と言えるのかな。一方、九州の方では大雨による被害が心配である。

 

 昨夜、新宿へフラメンコフェスティバル 2016を見に行った。“ 7人の侍 ” 男の一曲入魂!と題した男ばかりのフラメンコ。七名のバイレ(舞踊)に、カンテ(歌)、ギター、パルマ(手拍子)など合わせて二十名近く。紅一点、カンテの中に上手で個性的な女性が一人。映画、「七人の侍」での志乃役の女優・津島恵子みたいだと思った。

 

 三十代、四十代、そして七十代のベテラン一人という計七名のダンサーによる渾身の力をふりしぼった舞台。かすれたような歌声、びんびんと心に波打つように迫るギター。まるで狂ったようなスピードとリズムのある手拍子。身体を絞り、ねじり返し、跳ね、急回転しながら激しく打ち鳴らす踊り手の靴の音・・。そして震えるような微動。飛び散る汗。

 

 七名が自分の最高の表現を<これでどうだ>と魂を込めて踊る。74歳のダンサーは55年以上にわたってフラメンコを追い求め、ある時は能との共演もする大ベテラン。年令を知って驚く。この人は映画の勘兵衛役<志村喬>にあたるなと思ったりして見入った。じゃ、久蔵役の宮口精二は?それは、スペイン人二人、日本人一人の三人のカンテ(歌)と顔を近づけて向き合い、スペイン語で掛け合いながら、踊ったり肩を組んだりする演技は凄かった。服を脱ぎ、「じゃ、やってやろうじゃないか」という感じで激しい踊りへと変化していく。どっしりと、ある時は激しく、またある時は静かに。ユーモアのある笑いと静寂・・。ある点では菊千代、三船敏郎かな?そんな変幻自在、水の流れのような展開の中に見えた素晴らしい男性のフラメンコ舞踊。天晴れ。序、破、急というのが日本にあるが、そんなのも含んでるのだろうか。

  

 

 スケートの羽生選手のようなスピードと優雅さが見えたかと思うと、整った形をわざと破壊するように展開していく力強さ。それぞれのダンサーに、圧倒され、凝縮された時間だった。映画と一切関係ないのだが、「七人の侍」の題でいい。7人、ダンサー各人が自分なりの深い独特の世界をもっているのだと思った。

 

 小さい時から始めたとか、親も子も、勿論本人もフラメンコひと筋だというダンサー。スペインにずっと暮らして学んできたとか、他の舞踊を以前はしていたとか、いろいろその人なりの経歴がある。そんな日本の現在のフラメンコ界を代表する七人。それをまた支える、秀でたカンテ、ギター、パルマたちだったのだ。次の日には、女性舞踊が披露される。きっと、そこでは女性なりの優雅さ、華やかさも表現されることだろう。

 

 会場へ向かう時、新宿南口の変わり様を写す。また、夜遅く帰宅すると、駅前は夏祭りに向けたイルミネーションで彩られていた。少し疲れたけど、そんな楽しい夕べだった。

 

 

  いろんな時に

                                            

                  ①       パンフレットから ②     大類愛子の絵ハガキ ③                ④                             

 

                                             

                ⑤                  ⑥                  ⑦                ⑧

 

                                                                                  DATA

                                             CANON  IXY              写真 ① ⑤ ⑥ ⑦ 

                                             CANON  EOS  kiss  X7      写真 ②~④

                                             SONY  cybar-shot           写真  ⑧

                                             撮影日  

                                                 2016、7、12   写真  ⑥

                                                   〃  7、13   写真  ⑦

                                                   〃  7、14   写真  ① ⑤

                                                        〃  7、15   写真  ② ③ ④ ⑧


徒然に

2016年07月12日 | 随筆

 改憲発議の三分の二に達したと喜ぶ、改憲保守政党や「美しい日本の憲法をつくる会」などの勢力。そんなに駄目な日本国憲法なのか。時代に合わない憲法というのか。押しつけらた自虐的憲法というのか。九条をはじめとする現憲法を守ろうとすることが本当に間違っていると言えるのか。決してそうは思わない。改憲でなく立法でやっていけるはずだ。

 戦後七十年が経つ中で、大切なものをいよいよ見失い始めたのだ。時代が変わったといえば変わった。国民も政治家も目先の利害に霞みとられるが如しと言ったら非難されるのだろう。国民が駄目で馬鹿になってきた?もちろん自分も。 ・・もう語るのを止めよう。

 

 永六輔が七夕の日に亡くなった。何度も聞いた「黒い花びら」や「上を向いて歩こう」。また、「情熱の花」などのザ・ピーナッツの妹さんも姉のいる世界へと旅立った。寂しい気持ちになる。当時の歌を聞いていると、上手で、何だかみんな心の澄んだ人たちに思えて。現代は嘘っぽいというか、作為的というか、何と言うか・・。政治も歌も映像も人間関係も自然さえも飾られ、作られ過ぎているような。ああ、・・老いの繰り言か。

 

 散歩をしてたら、虫かごを持った子どもたちに会う。頭にセミの抜け殻を乗っけてる子。かごの中のバッタを得意顔で見せてくれる子。かごには精霊バッタ数匹と草が入っていた。土手下で三人の子どもたちがミニテニスをやっている。三姉妹なのかな。小さい子が「やらせてー!」と不平を言ってる。

 

 土手を写していたら、女の子が歩いてきて、いきなりラケットを土手から放った。その寂しそうに歩いている子の後ろから、「待ってー」という元気な声がする。さっきの女の子たちのようだ。小さな子はちらっちらっと振り返っている。

 

 いろんな時代を過ごして人は生きて行く。早急になり過ぎず、また自由で、楽しく、時には頑張って・・。時は還らず。大切な時も。

 

 

      時が流れていく

                               

                       

                  

                                         

                                                                     *

                                              DATA

                                                  CANON  IXY    (*印の写真を除く六枚の写真)

                                                  CANON  EOS  kiss X7

                                                     canon zoom lens  55~250mm

                                                               (*印の写真)

                                                  撮影日  2016、7、11   六枚の写真

                                                          〃  7、10   *の写真                     


東北へ (3)

2016年07月06日 | 随筆

  高館(たかだち)の丘陵から、束稲山(たばしねやま)と北上川が見える。曇っていた視界が次第に明るくなった。立っている左手に義経堂、主従供養塔などがあり、右手には芭蕉の碑が建っている。

   

      夏草や 兵共可   跡    

 

 そんな文字が書かれている。 ~ 夏草や 兵どもが  夢のあと ~ 芭蕉の句である

 芭蕉も曽良もこの丘陵から眺めていたのだろう。北上川に注ぐ衣川の方を眺めながら、弁慶が中の瀬に凄惨にも<立往生>したという最期の姿を想像する。

 雨はもう止んだ。バスに乗り、平泉駅へ。

 

 三日目、仙台から仙山線で山寺へ向った。今年もまた立石寺に行きたくなった。駅に着くと、目の前の山が雨に霞んでいた。駅の外には、修学旅行らしい二十数人の男子高校生たちが喋っていた。雨で困った風だった。

  

  1015段続く石段を登る時は、杉木立の中だったから殆んど傘はいらなかった。やがて<せみ塚>へ出た。雨が上がると霧が木立の中に漂った。あの高校生たちも話しながら登ってくる。昔の人が此処に来たらしいというようなことを話している。どうも、昔の人とは芭蕉のことらしい。

 やがて、五大堂へ着く。高校生たちは、見晴らし台と呼んでいる。まあ、若い時は寺社なんかには興味はあまり湧かないだろう。仙台の繁華街などが楽しいのかな。若い時はそうだ。それでいい。

 

 五大堂からしばらく眺めていると、雲間から山が見え始めた。やはり、来てよかったと思った。流れる雲。柔らかい光。墨絵のような山々。ゆったりとした時の流れ・・。右目もよく見える。高校生たちは、ちょっと急ごうと言いながら足早に石段を下って行った。

 

  山寺を後にして山形へ向った。更に一泊することは止めた。もう十分だ。山形駅を発つと、電車の窓から綺麗な空が見えていた。東京に着くと、35度を超える暑さ。この大都会には自然は無いと思った・・。

 

 

   自然の流れ 

                      

                              義経堂から北上川、衣川の方面                        山寺の参道で

        ⑤    ⑥        

                納経堂(左)と開山堂                           五大堂から

                  ⑪      

          五大堂から                         帰りの車窓から

 

                               DATA

                                               CANON  IXY   写真  ⑤ ⑦ ⑧ ⑨

                                               CANON  EOS  kiss  X7

                                                  canon zoom lens  18~55mm

                                                            写真  ① ② ③ ④ ⑥ ⑩ ⑪

                                               FUJIFILM   X-E1

                                                  fujinon super ebc xc  16~50mm

                                                            写真  ⑫

                                               撮影日

                                                  2016、7、2  写真 ① ②

                                                    〃  7、3  写真 ③~⑫

 

 

     * 平泉ではやはり義経、弁慶に関わる場所が多い。下の写真は中尊寺の弁慶堂。

                                                               CANON  EOS  kiss x7 

                                                                                   canon zoom  lens  18~55mm  7/2 写


東北へ (2)

2016年07月05日 | 随筆

 中尊寺の表参道、月見坂を歩くのは少しきつかった。階段ではなくて、つるんとした感じの地面がずっと続くのは登りづらい。脇に掴まってもいいようにロープが張ってあるのだが・・。やがて、本堂へ着いた。寂聴が、僧侶で作家だった今東光の下、ここで得度したのだと書いていたのを思い出した。瀬戸内晴美、五十代の頃かな。

 本堂を参拝し、鐘楼など見て歩くうちに金色堂へ。創建当初のまま残った堂内には、奥州藤原4代の遺体が納められている。金箔、螺鈿・・八宝輝く仏と円柱・・。この金色堂が最初の国宝1号となった。何度訪れても、ずっと長く見づづけていたいと思ってしまう。極楽・浄土思想を基調とした輝くお堂、光堂。

  

           五月雨の  

                 降り残してや   光堂               芭蕉

  

  経蔵から旧覆堂の方を巡るうちに、白山神社境内の能舞台へ出た。薪能のポスターが貼ってあり、演目は「船弁慶」だった。雨は止み、涼しい。目に優しい緑色した木々の間を抜け、バス乗り場の方へと下って行った。やはり、義経堂へも行きたかった。芭蕉は小雨降る今のこの時期、曽良と共に平泉を訪れていると思う。その時、芭蕉、四十六歳。

 

   

       静寂の中尊寺

                                            

 

                                                       

 

                                               

 

                                                DATA

                                                      CANON  EOS  kiss x7

                                                        canon  zoom  lens  18~55mm

                                                      撮影日  2016.7.2

 


東北へ (1)

2016年07月04日 | 随筆

 一日から三日間、東北の方へ行ってきた。右目が白内障手術で随分見えやすくなったので、リハビリ兼ねて出かけた訳。一日、3、4回、四種類の目薬を点しながらの短い旅。

 海風に吹かれ、ゆっくりできそうな所と考え、船で塩釜から松島へ向った。穏やかな海で、写真を時々撮った。五大堂の屋根にカモメが止まっていた。

 瑞巌寺本堂の襖絵などを見たあと、庫裡の方へ廻る。杉木立と苔が美しい。大きな沙羅の木には白い花がいっぱい咲いていた。夏椿。

 仙台へ戻る。ビルも店も多くて、賑やか。しかも、きれいな街である。若者も多い、元気な都会。青葉通り一番町からクリスロード辺りは混雑。バブルの頃をつい思い出した。二高教授だった土井晩翠の草堂に入って、ほっかりする。♪  春  高楼の 花の宴   めぐる盃  かげさして~ ♪ <荒城の月>の作詞家でもあると案内されていた。素朴な佇まいで、落ち着いた感じの漂う家だった。入館料は無料。

 

  二日目、平泉を訪ねた。小雨模様なので、「るんるん巡回バス」に乗って毛越寺(もうつうじ)へ。モウオツがモウツウジに変化して、こんな読み方になったとか。開山の慈覚大師に関わる白鹿の毛や山越えなどが名の起こりのようだ。

 平安時代の池庭式の浄土庭園。アヤメなどが咲き、しっとりとして美しい。世界遺産になって随分整備されてきた。地蔵菩薩のまったりとしたユーモアのある表情が印象的的。手に持つのはおにぎりではなく、願い事が心のままになる如意の玉。拝むと願いが叶うという。

  寺を出て、バスでまた中尊寺へ向った。

 

      晴れた松島、小雨降る平泉

                                                

                     松                          島                (五大堂のカモメ)

                       

                                    

     瑞巌寺境内           晩翠草堂              毛              越               寺

 

                                          DATA

                                             CANON  IXY   (五大堂のカモメ)の写真

                                             CANON  EOS  kiss x7

                                                 canon zoom lens  18~55mm          

                                                          (五大堂のカモメ)以外の全ての写真

                                             撮影日  2016、7、1  松島~晩翠草堂までの写真6枚

                                                      〃 7、2  毛越寺の写真3枚