母親の入っているカルト団体「実践倫理宏正会」の雑誌２。
（清原）加奈さんは、某出会い系サイトの「いますぐ系」（当日に会える相手を募集するカテゴリー）の掲示板で、ほぼ毎日売春相手の募集を書きこむ、いわば常連だった。彼女の提示する条件は、別イチ生本番ＯＫ。これはホテル代とは別に１万円を貰えば、避妊具なしでセックスしますよということ。だが、このサイトでは書き込みに対して対して男性から返信がないものに星印がつき、男性利用者に対して「いまがチャンス！」と返信を訴求するシステムになっているが、加奈さんの場合は書き込みから何時間たっても、翌日に同じ書き込みをするまでこの星印がついたままのことが多い。つまり、毎日募集していても、彼女を「買う」男はまれということだった。それでも書き込みを続ける彼女には、小学校に通わせる８歳と６歳の息子がいた。開口一番、明るく笑いながら言う。「ほんともう、絶対ほんとには来てくれないって思ってたから、うれしい。昨日すごい落ち込むこともあって、今日の約束なかったら、死んでたかも」（「最貧困女子」鈴木大介氏著,p56,2014年発行）
生活保護を受給している人は、働かなくてのんびり暮らしていけるのでいいなあ。うらやましい。生活保護費を１割カットすべきである。
小島さんが地元の県立高校に進学し３年生になったころ、その父親にがんが見つかり、たった半年で亡くなった。そして、生まれ育った環境は、急速に崩壊していった。実は小島さんの父親は、大借金持ちだった。会社の資金繰りのためだろうか、信用金庫などの金融機関はもとより、父親に金を貸していない親族はいないほどだったという。顔を見たこともない親族がかわるがわるやってきて、タンスの中から押入れの上の天井裏まで家捜ししていく。現金や証券類などを隠していないか、隠しているなら差し押さえの前に回収しようと思ったのだろう。それがないと分かると、今度は家の中で売れるものを運びだし始めた。テレビや冷蔵庫などの家電や家具、小島さんが子どもの頃から大事にしていたコミックの蔵書も子供部屋から持っていかれた。（「最貧困女子」鈴木大介氏著,p20,2014年発行）
