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女性マーケターから見た日々の出来事

「癒える日」は、こないのかもしれない

2024-03-11 21:48:59 | 徒然

13年前の今日は、ご存じの方も多い「東日本大震災」が、起きた日だ。
あの日から13年も経ったのか?という思いもあるが、被災者、特に大切な方を亡くされた方々にとっては「まだ13年」という気持ちなのかもしれない。
というよりも、経過していく年月とは関係なく「被災によって失われた気持ちは、癒される日はこないのかもしれない」という、気がしている。

今から30年前、大ベストセラーになった故永六輔さんのエッセイ「大往生」という本を、読んだことがある。
この中で、永さんは親しくされていた故坂本九さんとそのご家族の方について、書かれていた。
坂本九さんは、日航機事故により御巣鷹山で亡くなられている。
残された遺族にとって、ついさっきまで元気に連絡をくれていた夫や父が、突然飛行機事故によって亡くなってしまった、という衝撃は想像以上のことだったはずだ。
そして、亡くなられてから10年ほどの時間が過ぎた頃くらいから、その死を受け止められるようになった、という内容のコトが書かれていた。
永さんは「大切な人の突然の死を受け入れるまでには、10年という歳月が必要なのかもしれない」と、書かれていたように記憶している。

「阪神淡路大震災」の時も、約10年ほど経過した頃から、被災地に日常が戻り始めている、と言われていたことを考えると、永さんの「10年」という時間の経過は、ある程度当てはまるのではないか?と、考えていた。
しかし「東日本大震災」に関しては、その「10年」という時間は当てはまらないのかもしれない。
というのも、「東京電力福島第一原子力発電所事故」の処理が、完全に終わっていないからだ。
例え終わったとしても、あの「残骸」と化した建屋が朽ち果てても、強制避難をされた人達にとっては一生癒えない心の重りのようなモノとなって、残っていくのでは?という、気がしている。

それだけではなく、震災の場合「目の前で家族を失った」という経験をされている方にとっては、懺悔と後悔の繰り返しなのでは?という、気がしているからだ。
その心を癒す為に、様々なサポートが必要な場面はこれからもあるだろうし、場合によっては「サポート」ではなく、その思いを持ち続けることが、一つの癒しとなるのかもしれない。
それほど、衝撃的な出来事だったはずだし、その気持ちを当事者ではない私にはわからないからだ。

だからこそ、記憶の片隅に残しておく必要があるという気がしている。



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