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女性マーケターから見た日々の出来事

植村秀さんが残したモノ-メイクアップアーティスト・シュウウエムラ-

2008-01-08 22:11:55 | アラカルト
夕方の新聞各紙のWEBサイトを見ていて、驚いたニュースがあった。
それが植村秀さん死去だ。

男性諸氏にとって「植村秀って誰?」という、感じだろう。
そして、40代~の女性にとっては「エ~、信じられない!!」という、感じなのではないだろうか?
と言うのも、ある意味カリスマ的メイクアップアーティストだったからだ。
それだけではなく、最近では当たり前になってきたメイクアップアーティストのセルフブランドの先駆けとなった人物でもあった。
もし植村さんがいなくては、その後のトニータナカさんやRMKのRUMIKOの活躍は無かっただろうし、メイクアップアーティストと言う分野も無かったかもしれないからだ。

昨年暮れに亡くなったメイ牛山さんは、戦後の日本女性の美容意識を変えたように思う。
「お化粧を美容」と言う意識へと変えた点では、大きな存在だった。
それに対して、植村秀さんは「ハリウッドで活躍をしている日本人」という、実績を持ってセルフブランドを創りあげ、それまでのスキンケア方法を大きく変えたという点でその存在は大きかった。
まして、それまで「メイクアップ」=美容と言う女性を対象とした世界で、男性が活躍すると言うコトそのものがなかったからだ。

数年前に公開された映画「化粧師(けわいし)」などのように、日本では女性の化粧や髪結いをする男性がいた。
だが、それは個人であって事業化し、ブランドを確立と言うことに成功させたと言う意味で、植村秀の功績は大きかったと思うのだ。

植村秀さんは「自然」をとても意識していた。
その一つが、高知県沖で採取した海洋深層水を使った化粧水の発売だ。
発売当時は、売り切れが続出したと言う商品でもある。
この商品の登場によって「海洋深層水」が一般的にも知られるようになり、多くの地自体が企業と一緒になって「海洋深層水」商品を作り出すキッカケにもなったのだ。

もう一つは、それまで化粧品メーカーが販売していなかった分野である「メイクアップ用品」をトータルで販売したことだろう。
今でも多くの化粧品会社は、化粧品を作り・販売をしているがメイクブラシなどの道具を作り・販売すると言うことは無かった。
(メイク)レッスンを通して、自分のお気に入りのメイクカラーを選び、ケースに入れ、適したブラシやアイチップなどを揃える、と言う一連の購入スタイルが、「キレイになる」と言う気持ちに「ワクワク・ドキドキ」感をプラスさせたように思うのだ。

「(女性に)化粧品ではなく、希望を販売している」と言う名言は、マーケティングの分野では有名なことばでもある。
それにレッスンと言うプロの意見と自分で選ぶと言う、安心感に「ワクワク・ドキドキ」感をプラスさせ、多くの女性から支持をされたのではないだろうか。


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