小説などの活字の世界で出会って、それってどんな花なんだろうなって思ったことありませんか?
実物の花に出会ったとき、こんな花だったのかってがっかりしたことありませんか?
今回紹介するのは、まさにそんな思い出のある花です。
【フタリシズカ・二人静】センリョウ科
最初に「二人静」の名前を目にしたのが何だったのかは失念しておりますが、この花に初めて出会ったときに、これがフタリシズカの花かって思ったのは憶えております。
花巻温泉の裏山でのことで、20年近く前の話です。
30代の頃、毎年のようにGWには東北温泉ツアーをやってたんです。
この年は、玉川、後生掛(ごしょかけ)、花巻と巡り、もう一泊と急遽松島にまで足を伸ばした旅でした。
このあたりの記憶は鮮明で、一緒に旅をしたメンバーたちも、フタリシズカの名前を教えてくれた人間のこともわかっております。
S吉に「これがフタリシズカだよ」って言われたとき、「エェー、これがかよ、これがフタリシズカかよ」ってがっかりしましたからね。
「二人静」という言葉に、過剰な思い入れを持ってしまっていたんです。
名前にそぐわない花だなと、当時の私はそう思いました。
フタリシズカの花にしてみれば、知ったことじゃないというレベルの話なんですがね。
現在は少し違います。
与えられたフタリシズカという名前に、精一杯応えようとしている花だなって、そう思ってます。
この花にピッタリの名前だとは、今でも思えないんです・・・けどね。
ウソやお上手が言えなんだよ、ゴメンネ。
フタリシズカの静は、静御前のことですよ。
同じセンリョウ科に、花穂が1本の【ヒトリシズカ・一人静】があり、フタリシズカは2~5本の花穂が立ち上がります。
ヒトリシズカの花には、この2年の間には出会っていないので画像はありませんが、花も葉もフタリシズカとは全然違います。
ポツポツとついている花ですが、「花弁は無く、3個の雄しべがまるく子房を抱」いているんですって。
これ以上開花することは無いってことですね。
今回出会ったフタリシズカたち、3人や4人の静さんが多かったな。