NAO日和

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映画の点数は自分の満足度で評価

「ブーリン家の姉妹」

2008年11月02日 | な~は行の映画

~愛は、分けられない~

イギリス王朝絵巻の話は、大好き! 即効で、観に行きました♪

2008年 イギリス=アメリカ  ブロードメディアスタジオ配給 (08.10.25公開)
監督 : ジャスティン・チャドウィック
原作 : フィリッパ・グレゴリー
出演 : ナタリー・ポートマン・・・・・・・アン・ブーリン
          スカーレット・ヨハンソン・・・・ナタリー・ブーリン
         エリック・バナ・・・・・・・・・・・・ヘンリー8世

<見どころ>
16世紀のイギリスの宮廷を舞台に繰り広げられる愛憎劇。
どちらも国王の寵愛を受けながら、まったく異なる道を歩むことになる
美しい姉妹の劇的な人生を鮮やかに映し出す。
本作ではナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンという当代きっての
若手女優の夢のような共演が実現。
後にイギリスに黄金時代をもたらしたエリザベス1世の母の壮絶な生涯に息をのむ。

<あらすじ>
16世紀、イングランド。20年にわたる夫婦生活で、王女メアリーしか
もうける事が出来なかったヘンリー8世(エリック・バナ)の目下の関心事は、
立派な男子の世継ぎをあげる事。
一族の富と権力を高めるため、新興貴族のトーマス・ブーリンは
自慢の娘アン(ナタリー・ポートマン)を差し出す。しかし、王が目をとめたのは
清純で心優しい妹のメアリー(スカーレット・ヨハンソン)。
姉より先に結婚したばかりのメアリーは夫と共に、王の愛人となるべく
宮廷にあがる。アンは姉でありながら、結婚も王の愛人という立場も妹に
奪われてしまったのだ。一族の発展のための企みが、次第にアンとメアリーの絆を
王の愛を巡る非情な対立へと変えていく…。

<感想>
イギリスで最も有名な女王、エリザベス1世の母親を中心とした物語。
ヘンリー8世の世継を生むために、姉妹で争うことになります。
歴史大好き、とりわけ王室に関するドロドロした権力争い話が好きな
私にとってはかなり興味深い作品。

物語の主軸は、姉のアン・ブーリン(ナタリー・ポートマン)
妹のナタリー・ブーリン(スカーレット・ヨハンソン)、
ヘンリー8世(エリック・バナ)。

  
父は姉のアンとヘンリー8世をくっつけようとしたのですが
不幸にも、ヘンリーが見初めたのは、既婚者の妹、メアリー。
この時点で、すでに歯車が狂っていたのかもしれません。
当時、国王の権力は絶対。そして、娘の出世=一族の繁栄と考えられてた時代。
女性は、出世の道具の一つだったんですよね。
父親から平気で「国王と寝ろ」と言われるなんて、今の時代じゃ考えられん話。

メアリーが国王に見初められたおかげで、ブーリン一族は宮廷にあがることに。
王子が生まれれば、一家安泰だけど、生まれなければ没落・・・・。
まさに、男が生まれるか生まれないかで、一家の未来が左右されるなんて
大変な時代だったんですね。
ヘンリー8世は、特に男子継承を強く望んでた国王だったので
妃になる人のプレッシャーは相当なものだったろうと思います。

メアリーは純粋に国王を愛したが、アンは野望のためにヘンリーを巧みに誘惑。
妹と仲たがいしてまでも、妹からヘンリーを奪い去ります。
 
だが、国王にはキャサリン王妃がいたのだが、アンと結婚するために
キャサリン王妃との離婚を考えるようになります。
離婚を禁ずるローマカトリックと国王は対立。
とうとう、ヘンリーは1534年に国王至上法を発布し、ローマ・カトリックを離脱。
イギリス国教会を立ち上げ、国王自ら長になることにしてしまったから大変。
これが今日まで続き、今のイギリス国教会の長は、現女王エリザベス2世なわけ。

男女の色恋沙汰が、宗教改革・国際問題と発展するから、なんとも怖い。

こんな大騒動を巻き起こして結婚したアンだが、生まれてきたのは女の子。
(これが後のエリザベス1世)
ヘンリー8世との仲は急激に冷え込み、ついには反逆罪・不貞の罪で
斬首刑にされ、ブーリン一族も悲劇的な末路をたどることになります。

史実を基にしたドラマですが、実に見ごたえがありました。
権力闘争にまつわるお話は、必ず裏には男女の問題が見え隠れするので
こういう話は、ほんと大好き。 昔から「歴史」はすごく好きだったので
2時間、まったく飽きずに観られることができました。

歴史のおさらいをしますとこう。

映画では、アンが姉・メアリーが妹となっていますが
実際は、アンが妹・メアリーが姉だったという説が有力です。
そして、↓の肖像画でもわかるように、メアリーの方が美人です。
映画では、アンの方が美人・・という設定になってますけど。
  
そんなに美人ではないが、フランス宮廷仕込の品格と
センスのよい魅力的なところが、ヘンリーから見初められたのでしょうね。

ヘンリー8世は、イギリス絶対王政の基礎を固めた王とされ、
いろんな面で非常に長けていた国王でした。しかし、こうしてみると
いくら男子継承を強く望んでいたとはいえ、相当な女好きの暴君だった
ようにも感じます。
アンのために、カトリックを捨て英国国教会を作ったことの代償は、
以後今日まで続き、逆に、その後エリザベス1世という名君を生み、
近代国家の礎となったことを考えると、何が幸いするかわかんないものです。

このことで、前妃キャサリンの娘、メアリー王女(後のメアリー1世)と
アンの娘、エリザベスは庶子扱いにされてしまいますが、
ヘンリー8世の最後の王妃、キャサリン・パーカーが、里子に出されていた
メアリーとエリザベスを呼び戻してプリンセスとして教育。
彼女のおかげで、王女復活となるわけです。

なお、前妃キャサリンは、スペイン王室出身。
アンのせいで、離婚させられた恨み?は、その後のイギリスースペインの
国問題となってしまいます。
メアリー王女は、アンの娘のエリザベスを、終生憎み続け、
死の間際まで、エリザベスを後継に指名することを拒んでたそうです。

あと、映画で目に惹いたのが、やはり衣装。
時代にのっとった衣装を忠実に再現しています。
肖像がに身につけてるブーリンの頭文字、「B」のペンダント。
劇中、ナタリーも身に着けていました。衣装にも注目です。

歴史の中では、メアリーはほんの片隅にしか出ませんが、
メアリーの存在をこの作品は、かなり押し出し、姉妹の確執&葛藤を
浮き彫りにさすことで、浮世離れのお話も身近に感じることが出来ました。

アンの家系は、エリザベスが独身だったことで、断たれますが
反対に、アリーの家系は続き、子孫には、故ダイアナ妃が含まれてるんですよね。
こうしてみると、本当に歴史って教科書に載ってない部分のほうが
はるかにおもしろいです。

歴史大好きな私としては、大満足の作品でした。
ケイト・ブランシェット主演の「エリザベス」が、再び観たくなりましたね。
音楽がうるさかったのと、スカっとしない分だけ減点。
だけど、見ごたえのある映画です。オススメ!

点数:9点(満点)
~予告編~


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4 コメント

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王様 (kossy)
2008-11-12 20:57:29
「王と寝るのは公的なこと」なんてセリフが印象に残ってしまいました。
あぁ、公的なのか・・・じゃ、しょうがないか。貴族社会にはついていけません・・・
返信する
kossyさんへ (NAO)
2008-11-12 23:31:04
お久しぶりです!
コメントありがとうございました!

そうそう、私もこのセリフ印象に残りました。
「公的」ってねぇ・・・・。^^;
一般人には理解しがたいですよね。。。
返信する
私も見ました! (ベル)
2008-11-21 18:47:30
こんにちは~。
「ブーリン家の姉妹」、私も見ましたですv
歴史物は大好きで、公開前からとても楽しみにしておりまして、前売りまで買ってたのですよ。
でも、なかなか見に行く時間が無くって・・・先日、やっと行けました。

重厚な作りで、とても面白く、あっという間の2時間でしたね。

今の時代では色々と考えられないことだらけな世界ですが、そういうのも含めて、歴史物は面白いです。
とてもお気に入りの映画になってしまいました。

後味は少し悪かったですね・・・(><)
ラストは、心にズ~ンと来ましたが、色々と印象に残る映画でした。

同じ歴史物でも、昨年公開の某フランス革命映画と違って、重々しく作ってあって、わたし的には、満足度大でした(^m^)


TBをお送りさせていただきました(*^^*)宜しくお願いいたします。

それではでは☆
返信する
ベルさんへ (NAO)
2008-11-22 01:44:50
ベルさんもご覧になりましたか。
見ごたえのある映画でしたよね。
私も歴史もの映画は、大好きなので、これはもぅ見たかったし、
期待通りの作品だったと思います。

改めて、ナタリーの演技のうまさにホレボレしてしまいました♪
後味は、かなり悪いですね。実話だからしようがないですが、でもすごすぎ。
「事実は小説より寄なり」って言いますが、ほんとそんな感じを受けますね。
TBもありがとう!(^▽^)
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