ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

「ユーゲント」88号

2008年10月11日 | 教科通信「ユーゲント」
「ユーゲント」88号(2007年07月27日)

                     ドイツ語教室の教科通信

 4回目のレポート提出となりました。皆さん慣れてきたようで、新たな課題がなくても力作も多かったです。

     これまでの「ユーゲント」の記事について

- 先生はこれまで「ユーゲント」などで組織の代表の責任を説明されてきましたが、私は毎回その返答ではいけないと思います。確かに、組織の代表の責任は重要ですが、だからといってそれに追随する人間が諦めてしまったら意味がありません。代表が何もしていないから〔部下たる自分も〕何もしなくてもいいという姿勢ではなく、個々人が自分のできる事を見つける方が建設的だと思います。

 日本の組織体制の問題は古くから言われていることですが、根付いてしまっているものなので急に変えることは出来ません。〔組織体制が〕変わってから〔自分も〕変わればいい〔と考える〕のではなく、大きな変化は期待できないけど〔自分の出来る範囲で〕変えていこうとする姿勢が重要だと思います。そういった姿勢を見せることが状況変化の1つのきっかけにもなると考えます。

 ★ 文については、角括弧で補ったような言葉を入れて、分かりやすく書くようにして下さい。内容については、(1) 「リーダーを批判する勇気がない事をごまかすためにこういう事を言っている」と受け取られると思います。それが嫌なら、校長や教育長や市長や県知事や首相を合計 100回くらい批判して(批判を相手に送って)から言うべきだと思います。自分で学長アンケートをやらないのに授業アンケートに協力するのも同じだと思います。(2) 太平洋戦争で負けたら自分たちの責任を逃れるために「1億総懺悔」と言い、消えた年金の問題が発覚すると「責任問題ではなく皆でこれをどうするかを考えるべきだ」と言う日本政府の態度をどう思いますか。

- 1つのテーマについていろいろな側面から議論することができていると思うが、意見の数が2、3しか載せられていないものが多いので、もう少し載せてほしい。内容については、自分の意見と違う意見も多いので興味深い。
- 「毎週出して下さい」と言うのはなぜ悪い態度なのか。このような意見は、自分で努力して改善するという態度ではなく、先生に要望を出すだけで自分で好くしようとしていないからだと思います。
 ★ 同じ意見がほかにもありました。後期の授業で考えます。

- これまで生徒の意見を真剣に考えて返答してくれる先生がいなかったので、先生がどんな考えをしているのか、毎回楽しみにしていました。
 ★ 2000年に妹尾(せのお)和弘編「私の目は死んでない!」(評論社)という本が出ました。これは、岡山県の高校の国語の先生が授業の最初の10分間くらいに生徒に思っている事を自由に書いてもらったものを編集してB4のプリント1枚にまとめて配る、ということを15年間(今では20年間以上)続けた記録です。これだけでも立派な仕事ですが、先生の意見が全然ないという点でもの足りません。教師は意見を言うのを避けたがっています。それなのに生徒には「意見の言える人間になれ」と言うわけです。

- 自分の書いた意見が「ユーゲント」に載るとうれしいし、載らなかったら、次は載るような意見を書かなければという気持ちになった。
 ★ 哲学の授業では「1人1回(または2回)は載せる」という方針でしたが、ここでは内容だけで判断しています。

- バカロレアの試験が気になり、調べてみましたが、バカロレアでは日本と違い、理系科目の受験者が増加しており、文系科目の受験者が減少しているというデータを見てびっくりしました。また、バカロレアの受験料は原則無料だそうです。日本もセンター試験を無料にしてくれないかなと感じました。
 ★ バカロレアを調べた人が3人いました。ウィキで調べたのかな。金の問題と同時にまず内容のレベルを考えてほしいです。

- ヨーロッパ圈の人はマイペースだという考えを持っていたが、ウィーンの記事を読んで、それはあながち間違いではないと思いました。日本ではこんな時間の使い方が出来る場所は少ないと思うので、少し見習っても好いかなと思った。
 ★ 労働時間等、社会の仕組みを変えないと無理だと思います。ドイツ人は午後2時ころには帰宅して、その後趣味などをします。1日に2つの事をするのです。全員ではありませんが。

- 自分も常に相手を論破することを考え、かなりの圧力をもって議論していた。相手を論破することよりも、議論を有意義にすることの方が重要だと、改めて認識しました。
 ★ 議論で勝った方が正しいとは限らない。真偽は歴史だけが決める。互いに「自分の意見を自分にはっきりさせ、更に発展させること」を目的として議論したいものです。私もここまで来るのは大変でした。

- 校長の上に教育長がいることなど、初めて知りました。~一部の偉い人が得をするシステムは誰が作ったのでしょうか。国民が監視できるように、彼らに情報公開を促すべきだと思います。
 ★ 公的機関の情報には、広報誌などで自分から発表する情報、聞けば知らせてくれる情報、聞いても発表できないと断られる情報の3種があります。自分から発表する情報は「全体的真実を隠すために部分的事実を発表する」という特徴があります。「聞けば知らせてくれる情報」は皆さんが思っているよりはるかに沢山あります。私はこれを聞き出して、全体的真実が分かるように整理して、役所の「真ホームページ」を作っています。

- いつも最後に載せているコラムは様々なものの見方や様子が分かり、毎回楽しみにしている。

     前期の学生生活

- 始めての独り暮らしなのでいろいろ、特に家事が大変だった。何でも自分がやらないといけないのですごく大変で、今まで親まかせだったのを少し反省した。学問においては少しおろそかにしてしまった部分もあると思う。
- 高校時代に思っていたよりも忙しく、すぐに前期が終わりに近づいてしまったが、大学は色々な人がいて、楽しく毎日を過ごすことができた。

     このドイツ語の授業

- ドイツ語という路線から抜け出し、否、ドイツ語の授業という枠にとらわれない授業のあり方に戸惑った。しかし、これはこれで面白かったように思う。
 ★ 最初に「教養教育の一環としてのドイツ語の授業」として考えてくれと言ったはずです。この観点から、「全ての授業」を考えて見てください。

- ドイツ語の時間は、いろんな事に気づかされた、というより気づけた好い時間になったと思いました。「ユーゲント」という機会をもらえたので、自分の意見を文章にしてまとめることができました。それによって様々な事、自分の思っている事や意見、大学生とはというような事に気がつけました。

 また、休憩のビデオでは教養が身につきました。ドイツ語圏の文化も知ることができ、ドイツ語を身近に感じる事ができたので良かったです。ドイツ語を学ぶことは、ザッハートルテを食べる事と同じように、文化を学ぶと思えば、より身近に感じる事ができた。
 ★ 昔は「高校時代にこういう通信があったらなあ」という意見がよくありました。好いものは他に普及していくべきだと思います。

- ブログで毎回の授業のアウトラインが示されるので、予習の段階から授業全体をイメージできて勉強がしやすかった。

- 関係代名詞のプリントで、回答以外の選択肢がなぜ間違っているのか、自分では好く分からなかった。
 ★ 授業中に質問するべきです。

     夏休みはどう過ごすか

- サマースクールというイベントの成功に全力を上げることです。サマースクールというのは、浜松養護学校の児童、生徒を対象にしたイベントのことです。文化祭のようなイベントで、プールに入ったりクッキーを作ったり工作をしたりと、部屋毎に企画を作って、生徒たちに楽しんでもらおうというものです。ボランティアは初めての経験なので、頑張って成功させたいと思います。
 ★ スタッフの協力の重要性を学び、その協力体制を作り上げるにはどうしたら好いか、考えてきてください。又、国や県や市の福祉政策を考えて下さい。

- 趣味の読書を満喫したいと思うので、図書館で過ごす時間が長くなるかもしれない。
 ★ ブログ「浜松市政ニュース」には「図書館探検」というコーナーもあります。まだ2回しか書いていませんが。そこに投稿してもらえるとありがたいです。

- おそらくバイトばかりしていると思います。そのお金は一部は欲しいものがありますので、そちらに回し、残りは旅行のための資金にあてます。春休みに海外旅行へ行きたいと考えています。行き先はヨーロッパのつもりです。夏休みにも地元の友達と小旅行を計画中です。

     休憩(放浪職人、ウィーンでバトミントン)について

- 祖父は2人とも大工であったため、昔の修行について聞かされていましたが、3年の一人旅はあまりにもきびしいと思いました。日本の職人心と通じる部分があるのだろうと思った。
 ★ 僧侶の雲水修行とか、江戸時代の剣術の修行での旅とか、日本にも似たようなものがあったのではないかなと思います。手裏剣が下手だとウサギを取れないので死んだ人もいるとか聞いたこともあります。

     その他

- 「教育の広場」は、先生が宿題でここに載っているブログを読んでレポートを書くようにと言われてから、週1で必ず見るようになりました。このブログはこれからも続けてほしいです。

- 最近、オーストリア大使館が日本語での国名表記を「オーストリア」から「オーストリー」に代えましたが、日本の外務省の方はまだ対応していないようです。

- 今の政治家の中で魅力ある人物がいないと思っています。しっかりとした行動の指針と実行力を持った人がいないからです。先生はどう思いますか。
 ★ 私の考えはブログなどで沢山発表しています。根本は「政治や選挙ではベターだけを考える」ということです。

     浦松佐美太郎『たったひとりの山』から

 昔ながらの面影の未だに残るベルンの町は、スイスを旅した人にも、また旅せざる人にも、スイスの首府として、あるいは又、紺碧深いアーレの急流に臨む古風な町として、記憶に残っていることであろう。

 アルプスに登る者にとっては、ベルンの町ほど忘れ難い所はあるまい。私が筆をベルンの町に起こしたのも、山を思うたびに、瀬になって落ちるアーレの音が、心に響くからである。

 胸の痛むほどに山に焦がれつつアーレの懸崖(けんがい)の上に立った日の思い出、幾日かの激しい山旅の後、手足にまだ生ま生ましく尾根の岩を、崖の氷を感じつつ、議事堂のテレスの上から遙かの山につきざる名残りを惜しんだ日の回想。ベルンの町は、山に入る前の日に、山から下りた後の日に、つながって懐かしい思い出を残している。

 よく晴れ渡った日、町はずれの丘に立って、遠く眺めたオーバーランドアルプスの姿は、スイスの美しい風景の1つであろう。ブリュームリスアルプから、遙かに左のはずれのウェッターホルンまで、空高く、岸を目がけて崩れかかる大浪のように、有名な山々が一列に並んで見渡せる。山の雪が飽くまで青く澄み切ったアルプスの空に、時の移るにつれてあるいは煌(かがや)きあるいは煙る。しかしいつ見ても厳(おごそ)かに美しい。山を愛する者は、その峰の上に燃えざる火を、沸き立つ血に感じよう。

 ★ 名著『たった一人の山』は1920年代にアルプスを歩いた氏の山行の随筆的な記録です。古き良き時代の雰囲気が全編に漂っています。中でもこの「頂上へ」(ウェッターホルン西山稜初登攀の記)と「マッターホルンの麓」が双璧だと思います。

   夏休みの宿題(ワープロで書き。消印有効、速達を使わないように)

8月15日(水)までに郵送
 1・プリント(55,56,65)。2・訳(デモステネス)、3・「天タマ」第16-30 号の内5つ以上を読んで考えた事を書く( 800字程度)。4・TVドイツ語講座を2回以上。

8月31日(金)までに郵送
 1・プリント(69,70,71,72 )、2・訳(Suchen; Gootes Existenz)、3・出身高校のホームページの批評文を書いて、相手に送る。

9月14日(金)までに郵送
1・プリント(73,74,75)、2・訳(不気味な箱、第1~2章)、3・ 100頁以上の小 説を読んでその粗筋を書く( 800字程度)。

10月05日(金)提出
1・訳(不気味な箱、第3章)、2・「組織はトップで8割決まる」について親や知人 の意見を聞いた上で自分の考えをまとめる( 800字程度)。