「一度外に出て裏手の階段を上がった2階にございます。」
「………」(松屋の店員さん、僕にはそんなところまで行く体力がないんです…)
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あぁ、、、
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僕のズボンは牛丼の比じゃないくらい"つゆだくだく"になった………
20:00新橋到着。
今日はバイトの飲み会。
気が乗らなくて当日まで迷ったが結局行くことにした。
僕が一度も会ったことがない人も何人か来るとのことなので、その人達に期待だ
。
つまり既に知っているメンバーには特段親交を深めたい人がいない。
待ち合わせ場所に行くと見慣れたメンバーに紛れて見慣れない若い女の子の姿。
それも細身で顔も可愛らしい娘だ。
それも指輪なし。絶対彼氏なし!(ホントか!?)
そんなんで飲み会スタート。
その娘と話す機会を窺いつつ、上海出身のミツさんに「団地妻」という言葉を覚
えさせることに集中した。
努力の甲斐あってミツさんは「ダンチヅマ」と正しく発音するようになったが、
その娘と話す機会はほぼないままお開き。
ここで救いの手。
2次会に流れ込む模様。
22:20、2次会スタート。
今度はその娘の隣の席に。
話に夢中になってしまい、ふと時計を見ると23:50。
わが町南行徳への終電は23:58。
まだ赤外線通信という名の秘め事を行っていない。
でも終電を逃すのは痛い。痛すぎる。
苦渋の決断、秘め事は諦めて駅へダッシュ!
23:59駅到着…
二兎追うものケータイと終電逃す。
んー、最悪。
すごく死にたい。
いまある選択肢は3つ。
①飲み会に戻る
②行ける限り家の近くの駅、日本橋へ向かう
③渋谷へ繰り出す
①は恥ずいから即却下。
②は夜の日本橋はつまらなそうだから却下。
24:00ひとり渋谷へ。
こうなりゃ人生初のナンパだ!!
と意気込むがいざやろうとすると勇気が出ない。
ひとりで歩いてる女の子少ないし。
ひとりで歩いてる娘見つけても「絶対僕なんて相手してくれないよー」「絶対彼氏いるよ、だって指輪してるし」なんて思ってる間に2:30。
もう諦め。
なんもしてないけどさ。
始発を調べてみるとあと2時間以上もある。
ふと「始発待つより歩いたほうが早いんじゃねーか?」という疑問が。
でも僕は歩くのが大っ嫌い。
でもでも気になりだしちゃって止まらなくなっちゃって。
2:35、歩き出しちゃったんです。
電車でも4、50分かかる道のりを歩き出しちゃったんです。
道路標識だけを頼りにまずは新橋へウォークウォークウォーク。
酔っ払い、客引き、路上生活者の間をすり抜けひたすらウォーク。
道中、路上生活者と連れションしたり、「マッサージニセンエン」と呪文を唱える中国人女にコーヒーを奢ったりしつつ、なんとか新橋到着。
新橋から人っ子ひとりいないオフィス街を歩き、4:00大手町到着。
足も腰もボロボロだが無意味な義務感が僕を突き動かす。
ここからは東西線を辿っていく。
フラッフラになりながら日本橋、茅場町と進む。
もう奇声とかあげながら歩いてたね、この辺になると。
ガッツポーズしてシャウトしてみたり、「1・2・3・4」って掛け声かけてみたり、「グワシッ!!」って言ってみたり。
隅田川を渡った。
どう見てもいい景色だったがそれに見とれる余裕もなく、前を目指した。
5:00門前仲町到着。
25分後に始発が来る。
体力的にも限界だろう。いやもはや超限界だ。
門前仲町で僕の東京ウォークラリーは幕を閉じた。
渋谷から門前仲町まで歩いた。
謎の無意味なエネルギーに駆り立てたれ無意味に歩いた。
そして、冷静に考えれば当たり前だが歩くより始発の方が早かった。断然。
ああ、腹が減った。
それとなにより小便がもれる寸前だ。
僕はその両方が満たせる松屋に駆け込んだ。
「トイレはありますか?」
「一度外に出て裏手の階段を上がった2階にございます。」
「………」(松屋の店員さん、僕にはそんなところまで行く体力がないんです…)
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あぁ、、、
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僕のズボンは牛丼の比じゃないくらい"つゆだくだく"になった………
あとがき
最後だけウソです。はい、完全にウソです。漏らしてません。眠いー。寝るー。