小野寺眞夫の言いたい放題

所長、小野寺眞夫の思った事を綴っています。

言いたい放題ー怨念

2009-10-24 15:02:29 | Weblog
20日夕刻、西川日本郵政社長が怒りの内に辞任した。小泉元首相から三顧の礼で、日本郵政の社長に迎えられ、着実に利益も上げこれからという時に、政治に翻弄され詰め腹を切らされた、その無念な思いが会見に滲み出ていた。そもそも、郵政民営化の趣旨は「郵便貯金と簡易保険で数百兆円の金融資産を家計から吸い上げ、それを、財政投融資という形で不採算の事業に回す官製金融の仕組み。そこにメスを入れ民間部門を主体に金融や資源が回って行く姿に変えることだった。
4年前の、郵政選挙で大惨敗した民主党、自民党から追い出された亀井静香、両者の「怨念」-にっくき小泉・竹中路線の息の根を止めるーが今回の全てではなかったか。当然のこととして、その流れで、郵政民営化法案は閣議で廃案が決定した。
時計の針は、また「官営化」に逆戻りした。
元々、民主党は、自民党と構造改革を競っていたではないか。「怨念」だけで国益を損なって貰いたくない。
選挙は、武力行使のない戦争というが、今回の騒動は、敵の首を取り合う戦国時代を彷彿とさせる。つくづく「戦に負けるものではない」と自民党の方は思っているのではないか。
話は逸れるが、自民党大惨敗の第一の戦犯は、小泉純一郎その人と思えてならない。それは、改革の途中で首相の職を辞したこと。そして何より、小泉改革の趣旨を自分の閣僚や自民党員に伝え理解させていなかったこと。自党の政策を理解していない議員が、国民を説得したり、ましてや選挙に勝てるわけがない。
小泉内閣の郵政所管の総務大臣であった、麻生太郎元首相が「元々、自分は郵政民営化には賛成ではなかった」と言ったことがその証拠だ。

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言いたい放題ー食管制度の復活?

2009-10-16 18:24:57 | Weblog
15日、2010年度予算の、各省庁の概算要求がほぼ出揃った。何と、史上空前の90兆円を超える大型予算だ。これからどう変わるか分からないが、現時点では、この内容、どうも政策が一貫していない、迷走予算ともいえる物とも思える。何故なら、大幅なカットを宣言しているのだが、その一方では、子供手当の創設等で数兆円もの新規予算を投入しようともしている。となると、「小さな政府」と「大きな政府」が混在している様にも思え、何ともすっきりしない。その中で、農家の戸別補償制度を来年度「米」から始めるとのこと。これは、販売価格と生産コストの差額に、国が一律に補償金を出すというのだが、一生懸命コストを切り下げてきた農家の自助努力はどうなるのか?もし実施されたとして、その生産コストの査定は誰がするのか?農協がするという案もあるが、いずれにしても、人間がやること。全国一律公平にやることは難しい。しかも、コストが掛かれば掛かるほどお金がもらえると言う物だから、誰もコスト削減の努力などしない。怠け者が得をする、農家の経営意欲を削ぐ愚策だ。農家に一律にお金をばらまくと言うことは、形を変えた食管制度の復活ともいえる。しかも、この愚策を、畜産、酪農、漁業にも広げるという。一体お金をいくら使う気なのだろうか?末恐ろしくなってきたし、怠け者が得をする、そんな物に赤字国債なんか使ってもらいたくない。

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言いたい放題ー黄昏

2009-10-04 14:22:52 | Weblog
本日4日、中川昭一前財務金融大臣が失意のうちに突然死亡した。現段階では死因は確定されていない。まるで自民党の前途を悲観してこの世に見切りをつけたようにも映る。今から遡ること一週間前の、9月28日に新しい自民党総裁に谷垣禎一氏が24代総裁として就任した。そして役員の顔ぶれも自民党幹事長に大島理森氏、政調会長に石破茂氏となんと新鮮味のないものとなっている。
兎に角、今回の自民党総裁選挙、今までになく味気なく、興味の持てない選挙はなかった。多分、選挙に参加した議員さんと党員さんは党内運営を安心して任せられる、谷垣氏を選んだのだろうが、これでは、民主党との政策的な対立軸は見いだせない。私個人としては、「小泉改革路線は間違いではなかった」「小さな政府の継続」を主張した、河野太郎氏のほうが、「大きな政府」に逆戻りしている民主党と
対立軸が明確になり、国民には分かりやすかったのではないかと思う。
ともかく、旗印一つ立てられない情けない谷垣自民党が、民主党政権を倒すことは今は考えられない。もはや黄昏時から夜に移りつつある状況だ。
自民党そのものが消滅の危機にあるが、しかし民主党も行き詰まる可能性もある。
民主党が自壊するまで待つしかない。もっとも、その時が政界再編の時だろう。

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