小沢大連立構想を読む

2007-11-20 02:27:51 | Weblog

 11月18日の日曜日の朝、フジテレビ「報道2001」で民主党代表小沢一郎が出演して、連立問題について「連立という言葉が報道でも国民の間でも独り歩きして・・・」と言っていた。

 自治会の行事で標高304メートルとかいう山頂の公園の市から委託されている草刈と茶畑の整備に出かけて午前中取られてしまったために詳しく聞くことができなかったが、小沢辞任表明記者会見で、政権交代が最終目標だが、連立を組むことで政権の一翼を担い、民主党の政策を実現させて政権担当能力があることを国民に示し、その上で民主党政権を実現させる、それが民主党政権実現の早道だと言っていたことと、連立を組んでも、選挙は別々に戦うんですからと述べていたこととを考え併せてみた。

 既に同じ情報解読を誰かが行っているとしたら、ご容赦を。

 先ず連立を組んで、すべての政策に関して政策協議を行う。両党の政策を足して2で割る方式ではなく、参院与野党逆転の状況を人質に民主党の政策を少しでも多く呑ませるよう迫って、法案に自民色よりも民主党色を際立たせて政策担当能力があることを国民に認知させていく。

 衆議員は例え途中解散がなくても、残り任期は1年10ヶ月。1年10ヶ月かけて、連立政権内での民主党の存在感を国民に印象付ける。1年10ヶ月経過すれば、自動的に衆議院は任期満了・総選挙へと突入する。

 選挙で例え民主党が予期していたように自民党議席を上回ることができなくても、成立させた法案に民主党色を埋め込むことができて国民に民主党にも政権担当能力があることを認知させることができたなら、その議席差は左程大きくならないことが予想される。そのことと総選挙後約9カ月ある次の参院選までは参議院与野党逆転の状況は人質として維持できる。次の参院選挙で自民党の勝利が確定しない限り連立は解消できないから、民主党は依然として主導権を握ることができる。

 もし総選挙で民主党が自民党を破ったなら、衆参与野党逆転状況をつくり出すことができるから、そのとき初めて自民党との連立をご破算にして小沢が「最終目標」だとしていた民主党主体の自民党に変わる政権交代を実現させることができ、二大政党時代の幕開けを告げることができる。

 こういったプロセスを小沢一郎は頭に描いていたのだろうか。

 問題が二つある。総選挙で勝利して自民党との連立を解消するとき、民主党が元の民主党にそのまま戻る保証があるかということである。自民党としては何人の民主党議員を一本釣して自民党に入党させれば、公明党を加えて過半数を握れると計算し役職やその他エサにできるあらゆるエサを用意して勧誘するだろうし、元々自民党にごく近い民主党議員の中には連立を組んでいた間、自民党と一緒の政治に居心地のよさを感じてしまった者や、小沢に使われるよりはましだといった者も出てくることが予想される。

 いわば連立を解消したとしても、総選挙の結果どおりの議席数で民主党を維持できなかった場合の誤算である。脱党者が衆議員だけではなく、参議院でも出てきたとき、虎の子としてきた参議院与野党逆転状況をも失いかねない。元の木阿弥の自民党一党独裁状況に戻ると言うことである。

 こうなった場合、総選挙で負けたケース以上に最悪の結果に至る。

 もう一つの考えられる誤算として、連立政権が一時的にも滞りなく運営された場合、連立政権も悪くないと安定を望む国民が少なくない数で出てきたとき、次の総選挙でバランス感覚が働いて、それが民主党の票数の伸びを抑える動きとなり、結果として自民党に優勢な状況を生じせしめて、連立政権そのものが民主党敗北の原因となることである。

 そうなった場合、民主党の方から連立維持の必要性が生じて、主導権は自民党に移り、連立を解消したいにも解消できない身動きできない自縄自縛の状態に陥りかねない。

 連立政権が次の総選挙後、さらに次の参院選挙後も続くこととなったら、自民党と民主党の政策協議も次第に緊張感を失って和気藹々のものとなりかねず、当然のこととしてガン細胞が全身にまわるように政治全体が緊張感を失うこととなり、政治は連立政権維持のための政治へと自己目的化することも予想される。官僚たちも安心してあの手この手を使った国民の生活を考えない、自分たちだけの生活を考えた天下りやその他官僚利益獲得に邁進することになるだろう。

 いずれにしても捕らぬ狸の皮算用の誤算を考えて、小沢一郎は社民党や国民新党、さらには共産党の協力を必要とする状況が生じる場合のことを考えて、各方面に亘って前以て相談して、合意を取り付けることができた場合の行動とすべきだったろう。


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