《社会保障のムダ削減に意欲 藤井・民主税調会長》(asahi.com/2012年8月13日20時26分)
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藤井裕久民主党税調会長が8月13日(2012年)にBS11の番組に出演、予算編成について次のように発言したという。
藤井税調会長「財政には社会保障に甘い面があり、これは見直さなくてはいけない」
記事は解説で、〈社会保障費のムダに切り込むべきだとの考えを強調した〉発言だとしている。
そしてさらに、〈野田内閣は「日本再生戦略」で社会保障を含む歳出のあり方を見直す必要があると指摘したが、それを強く後押しするものだ〉と解説を加えている。
記事はこの点について何ら矛盾を感じていいないらしい。
記事指摘の歳出の見直しに関しては、7月31日(2012年)閣議決定の「『日本再生戦略』について」には、5.「日本再生戦略」と予算編成との関係の中で次のように記述している。
〈⑥社会保障分野を含め、聖域を設けずに歳出全般を見直すこととする。その際、行政事業レビューの結果及び会計検査院の過去の指摘事項等については、来年度予算において確実に反映させる。〉――
歳出全般見直し、ムダ削減、あるいはムダ排除は大いに結構な姿勢である。
だが、2012年度本予算を組んだのは野田首相が主導したはずの野田内閣である。にも関わらず、「財政には社会保障に甘い面」があった。〈社会保障分野を含め、聖域を設けずに歳出全般を見直〉さなければならないと言っている。
要するに予算編成に於いて官僚に対してムダのない予算付けを指導・監督することができなかったばかりか、出来上がった予算案をムダがないか、見直し必要箇所がないか検証し、訂正する能力もなかったことになる。
あるいは政策自体に不適正個所があり、そのことがムダを生じせしめていたということなら、政策構築能力自体に先見性を欠いていたことになる。
大体が民主党は2009年総選挙マニフェストで「ムダ遣いの根絶」を謳っていた。
〈「ムダづかい」
税金は、官僚と一部政治家のものではありません。
国民の税金を、国民の手に取り戻します。
国の総予算207兆円を全面組み替え。
税金のムダづかいと天下りを根絶します。〉――
「国の総予算207兆円を全面組み替え」にはムダ削減(歳出の見直し)が含まれている。
「税金のムダづかいの根絶」とは歳出の見直しを言うはずである。
それをテレビ番組に出て、「財政には社会保障に甘い面があり、これは見直さなくてはいけない」と今更ながらに言う。
では、今まで何をやってきたのかと言いたい。
7月31日閣議決定の「日本再生戦略」で、今更ながらに「社会保障分野を含め、聖域を設けずに歳出全般を見直すこととする」などと謳う。骨身を削る思いで政策の構築と構築した政策に対応した適切な予算編成に取り組んだのだろうか。
その逆だったからこその反省であろう。
テーマを掲げ、掲げたテーマすら満足に実現できなかった自分たちの責任・無能には一言も言及せずに棚上げにして、今更ながらに反省を持ち出す。
何と言う盗人猛々しい矛盾なのだろうか。
政治家・官僚のチエを総動員して政策を構築し、予算付けを行うはずである。チエを総動員しながら、ムダや欠陥や甘い面がある。
当然、チエ自体に問題があることになる。問題のあるチエ取りは替えなければならない。取り替えずに同じチエを使えば、チエ自体に問題があるのだから、同じ失敗を繰返すことになる。
自民党政権時代、あるいは自公政権時代、チエ自体に問題がありながら、同じチエを使い続けたがために赤字国債を発行しては無駄な事業を行い、国の借金を無際限に増やしてきた。
国民は問題のあるチエを取り替えなければならないことにやっと気づいて取り替えたものの、取り替えたチエ自体も欠陥チエだった。
チエ自体に問題があることになると、社会保障の持続可能性だ、世代間公平性の実現だ、全世代対応型だといくらスローガンを並べ立てようとも、その実現は些か怪しくなり、消費税だけ取るという恐れさえ出てくる。
取り替えるべきだと目指すチエが枯渇状態の手詰まりにあるから、既成政党離れを起こしている。民主党の今のお粗末なチエと決別した新党「国民の生活が第一」のチエは全然期待できないだろうか。
その知恵は現民主党のチエを間違っていると見抜いたチエである。
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