共同通信世論調査に現れた国民の衆院選後望ましい政権枠組みが意味するもの

2012-03-21 09:16:23 | Weblog

 《世論調査、政界再編に期待38% 内閣支持31%で微増》

 3月19、20日全国電話世論調査。

 野田内閣支持率。

 「支持する」――31・6%(前回2月中旬調査+2・6ポイント)
 「支持しない」――50・2%

 消費税(「どちらかといえば」を含めた数値)

 「引き上げに賛成」――42・1%(前回2月中旬調査48・3%)――-6・2ポイント
 「引き上げに反対」――56・0%(前回2月中旬調査50・6%)――+5・4ポイント

 消費税増税賛成が減って、増税反対が増加しているにも関わらず、野田内閣支持率は+2・6ポイントの逆の現象を見せている。

 いずれにしても、前回反対と賛成の差が2・3ポイントから3・9ポイントと拡大している。

 これは内閣支持増加率の2・6ポイントを1・3ポイントも上まわる反対の増加率となっている。

 前回2月中旬調査にはなかった衆院選後の望ましい政権の枠組みを取り上げている。
 
 「衆院選後の望ましい政権の枠組み」

 民主・自民両党の大連立23・4%
 自民党中心13・4%
 民主党中心8・3%

 合計45・1%が答えている。

 残念なことは政党支持率が出ていないことだが、「衆院選後の望ましい政権の枠組み」がそのまま反映した政党支持率となっていなければならない。

 このことから読み解くと、現在の政治状況から判断して、民主党政権に失望している、期待していないということであり、この拒絶反応がそのまま反映した、民主党中心の「政権の枠組み」に対する最低の期待ということであろう。

 にも関わらず、内閣支持率が微増という逆の現象が他の世論調査と同様にここでも見て取ることができる。

 「衆院選後の望ましい政権の枠組み」に答えた合計45・1%から、現況から見た場合の期待不可能性・失望度、いわば拒絶反応の程度を見てみる。


 民主党中心の政権に期待しない・失望している――36.8%。
 自民党中心の政権に期待しない・失望している――31.7%
 民主・自民大連立に期待しない――21.7%

 これも現在の政治状況から判断した期待不可能性・失望、イコール拒絶反応であって、簡単に言うと、政治不信、当然の結果ではあるが、日本の政治を代表する二大政党が共に責任を果たしていない、国民の期待に応えていない姿が浮かんでくる。

 民主党と自民党が現在の勢力のまま大連立することは考えにくいから、政界再編の形で民主党と自民党の主だったところが多数派を形成する政権の形を取るはずだ。

 期待不可能性・失望、拒絶反応にしても、民主党も自民党も、同じ党に所属しながら、政策によって意見が合わずに何事も決まらない、あるいは何事も決めることができない、その結果政治が先に進まない閉塞的な状況が仕向けている期待不可能性・失望であり、政治不信ということなのだろう。

 当然、現在のままの勢力による大連立は政策が異なる集団体制を引きずることになって、現在の二の舞を演じることになる。

 民主党に関しての閉塞的状況を言うと、野田首相が消費税増税を目指していながら、増税で党を今以て一本に纏めることができないところに象徴的に現れている。

 野田首相は2月29日(2012年)午後の党首討論で、谷垣自民党総裁に対して次のように発言している。

 野田首相「手順は踏んできているんです。去年の6月に成案をまとめました。成案をまとめましたときには、これは政府と党が一体でまとめたんです。それを踏まえて8月の代表選で明確にそれを具体化していくと申し上げました。そして、素案として(2012年)1月6日にまとめました。これも多くの時間をかけながら、多くの人が参加をして、熟議を重ねながら、最後はこれは拍手で、そして握手で終わっています。深夜までかかりました。党内のプロセスは民主的なプロセスを踏んでしっかりやってまいりました。その素案を閣議決定したら、もしかすると与野党協議に応じていただけるかもしれないという話があったんで、閣議決定しました。大綱にしました。そのときもいろいろ議論がありましたけれども、きちっと手順を踏んで、党議として今の方向を決めております」(MSN産経

 党内で民主的なプロセスを踏んで拍手と握手の和気藹々で党議として今の方向性を決めたと言っている。

 3月6日(2012年)衆院予算委員会。

 野田首相「私は、(与党内が)一枚岩でない、ばらばらという前提に立っていない。かんかんがくがくの議論をし、民主的手続きを瑕疵(かし)なくやっている」(毎日jp

 以上の発言から窺うことができる状況は民主党は消費税増税で一枚岩に固まっている。それも民主的なプロセスを踏んで拍手と握手で党議決定し、野田内閣で「大綱」を閣議決定した。

 だが、実態は消費税増税案を閣議決定する前の民主党の事前審査では経済状況が好転しなければ税率引き上げを凍結できる「景気条項」や2016年度をメドとする「追加増税」規定の扱いで、野田首相が言う「拍手と握手」の和気藹々に反して議論が紛糾、激しい抵抗に遭って先週、3日間に亘って事前審査を行ったが未だ内容が確定していない。

 だが、何よりも奇妙なことは各マスコミの消費税増税に関する世論調査で増税反対が殆ど50%を上回っているにも関わらず野田首相が不退転を言い、粛々と消費税増税の法案化を進めている世論が通らない閉塞状況に見舞われながら、野田内閣支持率微増に手を貸していることであろう。

 民主党中心の現政権に一番失望し、次の政権の枠組みとして民主党と自民党中心の政権を望無事を民意としていながらである。

 消費税増税に反対しながら、増税は既定事実と諦めているといったところが民意なのかもしれない。

 この諦めが増税賛成・反対の民意とは別個に内閣支持率に僅かながらに働いているのだろうか。


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