島尻北方問題担当相が「歯舞」の漢字を読めなかったことの意味、安倍晋三の閣僚能力を見抜く能力との関わり

2016-02-10 09:33:44 | Weblog

 北方領土問題を担当する島尻安伊子・沖縄北方担当相が2月9日の閣議後の記者会見で、北方領土の一つである歯舞(はぼまい)群島の「歯舞」を読めず、秘書官に教わる場面があったと、2月9日付の「asahi.com」が伝えていた。 

 〈元島民らでつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」が主催する北方領土ネット検定を紹介しようと、島尻氏が手元のペーパーを読んだ際、「千島、はぼ、ええっと、なんだっけ」と言葉を詰まらせた。〉

 傍にいた秘書官が助け舟を出したという。

 島尻安伊子(あいこ)は上智大学文学部新聞学科卒業の50歳。東大出だって読めない漢字があるだろうから、読めないことは何も恥ではない。だが、当の漢字を読むことができるかどうかで自らが所管している北方領土問題に関わる職務に精通しているかどうかが問われるバロメーターともなる漢字の読みもであったはずだ。

 いわば北方四島の内の一島である「歯舞群島」という漢字を読むことができなかったで収めることができる単純な問題ではない。

 「内閣府」のサイトに、〈北方四島は、歴史的にみても、一度も外国の領土になったことがない我が国固有の領土であり、また、国際的諸取決めからみても、我が国に帰属すべき領土であることは疑う余地もない。〉と、日本政府としての北方四島に対する主張が書いてあって、北方領土問題担当相の職務が〈北方地域の諸問題への対処、北方領土問題の啓発、北方地域の旧住民への援護措置、本土と北方地域にわたる身分証明等の文書作成、本土と北方地域との間の問題の連絡・斡旋・処置、などにかかわる政策を所管する。〉ことであると「Wikipedia」が紹介している。  

 当然、北方領土問題担当相という職務を所掌している以上、北方四島全体の理解の中で「歯舞群島」の諸問題を把握していなければならないから、その相互一体性から言うと、「歯舞群島」と言う名前の内「歯舞」の漢字を読むことができなかったということは北方四島全体の理解を欠いていることに他ならない。北方領土問題担当相の職務に精通していなかったと取られても仕方はない。

 これが諳(そら)んじて島の名前を言う場合だったら、つい度忘れということもあるだろうが、印字か手書きか分からないが、手許のペーパーに「歯舞群島」と書いてあって、それを正確に読むことができなかったのだから、この点からも、本人が所管している職務上、北方四島全体を理解していなければならない一体的関係にある以上、「歯舞群島」の問題だけではなく、北方四島全体の問題に精通していなかった証明としかならない。

 島尻安伊子は2015年10月7日、第3次安倍改造内閣で沖縄北方担当大臣に任命された。安倍晋三は北方領土問題に精通していない政治家を北方領土問題担当相に任命し、任命の2015年10月7日から4カ月も経過していながら、北方領土問題に精通できずにいる不勉強な政治家に北方領土問題を任せていることになる。

 このことは任命責任に当たらないだろうか。

 安倍晋三は甘利明が口利き疑惑・金銭受領疑惑で辞任したことの任命責任を国民に対する説明と謝罪で済ませたが、島尻の場合は政策担当の能力に問題を抱えていながら、そのことを見抜くことができずに任命したのは安倍晋三自身が閣僚の能力を見抜く力量の欠陥が原因となっているはずだから、島尻に対する任命責任を国民への説明と謝罪で済ませることができたとしても、自身の閣僚人事に関わる力量の欠陥を同じく国民に対する謝罪と説明で済ませたとしたら、滑稽なことになる。

 閣僚人事権を握っている一国の首相が私には閣僚の能力を見抜く力量を欠いていますと説明し、謝罪することになるからだ。

 この問題をどうカタをつけるのだろうか。


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