右翼政治家高市早苗と稲田朋美の右翼団体代表とのツーショット写真が広げた日の丸を背景としている意味

2014-09-11 07:51:22 | Weblog


 アドルフ・ヒトラーを崇拝し、ネオナチの思想を掲げる右翼活動家「国家社会主義日本労働者党」代表山田一成氏と右翼安部政権の安倍晋三に続く右翼閣僚高市早苗と、同じく右翼政治家稲田朋美自民党政調会長それぞれがツーショットで収まっている写真がインターネット上に出回り、海外メディアも取り上げて、波紋を広げている。

 そこでチョイと「国家社会主義日本労働者党」のサイトを覗いてみた。

〈外国人犯罪糾弾〉のページに次のような主張を掲げている。

 〈似非人道主義者どもは、共産主義者や異民族を生き長らえさせるために、優秀なる日本民族を骨抜きにし、滅ぼそうとしている。しかしながら、国民生活の水準を上昇させる能力に欠けた民族が専有する土地は、我が民族の生存圏たるべきなのである。広島・長崎をこれ以上我が国に作らないためにも、我々は断固として核武装を推進し、北鮮の核開発に対する抑止力としなければならない。〉

 〈また我々は、我が国において現代における攘夷、すなわち “民族浄化” を推進しなければならない。それは、 “住み分け” の一形態に過ぎない。均質的な日本の社会を維持し、日本の単一民族国家化を維持・推進して行くのである。本来人種、民族は分離されねばならぬものなのだ。なぜ “人種のサラダボール” アメリカが犯罪大国なのか、考てみよ。それは、多民族国家、人種の坩堝たるが故である。国民の生活を守るためにも、不良外国人には出て行ってもらおうではないか。「全ての外国人が凶悪なわけではない」という者がいるが、逆にいえば「全ての外国人が善良なわけではない」ということではないか。即ち、彼らを全面的に受け入れれば、必ず国民は何らかの被害を被るわけだ。〉――

 要するに山田一成氏は日本民族優越主義者にして、それゆえに日本の単一民族国家の維持、即ち外国人排斥による民族浄化を掲げ、核武装論者でもあることが分かる。

 『国家社会主義ドイツ労働者党日本支部』の組織も運営していて、炎を背景とした巨大な赤い鉤十字を配した手前にマシンガンを何かの勝利の印のように右手で高々と持ち上げた兵士の黒い影が浮かんでいる写真が掲げてある。

 そのような人物と高市早苗、稲田朋美がそれぞれツーショット写真を撮った。ごくごく当たり前のようでもある。安倍晋三も同じような写真に収まっていたなら、なお自然に見えるに違いない。

 右翼政治家高市早苗も稲田朋美も、写真の人物がどのような氏素性なのか知らなかったと言っている。これもごく当然である。「非常に親しい仲です。人生の師とさえ仰いでいます」とは言わないだろう。

 但し戦前のような時代であったなら、得々としてその人物との近い関係を宣伝したに違いない。

 高市早苗と稲田朋美が発表したコメントを「MSN産経」が伝えている。全文を参照引用してみる。 



 《極右代表と撮影、高市総務相のコメント全文 「撮影時、どんな人物か不明だった」》MSN産経/2014.9.10 17:10)

 高市早苗総務相が、極右団体代表の男性と写真撮影をしたとの報道に関し、10日に出したコメントは次の通り。
 1、男性(※コメントでは男性の姓)とは会談どころかほとんど会話をしておりません。男性は、3年以上前だと思うが、雑誌のインタビュアーの補佐(メモを取る程度の係)として議員会館に来訪されたそうです。そのインタビューが終わった後、男性が「一緒に写真を撮りたい」とおっしゃったので、ツーショットで撮影しました。もちろんその時点では彼がそのような人物とは全く聞いておりませんでした。

 1、上記の通り、撮影時に彼がどういった人物であるか不明でした。出版社に確認したところ、彼はもともとフリーのライターをやっていたようで、たまたまインタビューの時に同行されたようです。その後、出版社と彼との契約はないようです。なお、出版社も彼がそのような思想であったことは知らなかったようです。

 1、男性との付き合いは以前も以後も全くありません。出版社がスタッフとして連れてきた方がツーショットを撮りたいとのことで、それに応じただけです。こちらとしては出版社を通じて、男性に写真の削除を依頼しております。

 2014年9月10日 高市早苗事務所 

 《極右代表と撮影、自民党の稲田政調会長のコメント全文 「素性や思想、名前、把握していない」》MSN産経/2014.9.10 17:14)
 
 自民党の稲田朋美政調会長が、極右団体代表の男性と写真撮影をしたとの報道に関し、10日に出したコメントは次の通り。

 平成26年9月10日 各位
 衆議院議員 稲田朋美

 一部報道にあるご指摘の人物は、雑誌取材の記者同行者として、一度だけ会い、その際写真撮影の求めには応じたものだと思われます。記者の同行者という以上に、その人物の所属団体を含む素性や思想はもちろん、名前も把握しておらず、それ以後何の関係もありません。
          
 
 高市早苗も稲田朋美も一緒に写真を撮った人物の素性も思想も知らなかった。ただ単に頼まれたから、一緒に写真を撮っただけだと言っている。

 但し二人共、何という名前の出版社、あるいは雑誌の、どのような内容の取材を受けたのか明らかにしていない。明らかにすることで、山田一成氏と出版社の間に関係があるのかないのかが明らかになる。

 もし山田一成氏の思想と出版社が掲げる思想に共通点があれば、高市早苗も稲田朋美も出版社と同じ思想を持った人物であることを承知してツーショットに収まったことになる。

 だが、二人共出版社、あるいは雑誌の名前も取材内容も明らかにせず、素性も思想も知ることができなかったイキサツを高市早苗は山田一成氏を「たまたまインタビューの時に同行されたようです」と言い、稲田朋美は「記者の同行者」に過ぎないと言って、直接的な関係者ではないことを理由に挙げている。

 これを一旦は事実と認めよう。

 インターネット上に出回っている高市早苗と稲田朋美の山田一成氏とのツーショット写真はどちらも日の丸を背景にしている。

 オリンピックで優勝したり2位になったりした日本人選手が日の丸を背中にかけたり、両手で広げて高々と掲げたりして観客席に近い場所やコースを走るのは色々な国の人間が混ざる中で、日本のチーム、もしくは日本のチームの一員が優勝したり2位となったことを誇らかに示すためであり、日の丸には国籍を示す以上の意味はない。その証拠に国内競技で優勝したとしても、日の丸を肩にかけて走ることはない。国籍を示す必要はないからだ。

 もしそのときの日の丸に国家の意味を持たせたなら、選手という個人を超えて、国家の優越性を示すことになり、非常に危険な思想の誇示となる。

 オリンピックは例え国別のメダル獲得数を競う競技であったとしても、国家同士が競う競技ではない。

 高市早苗の場合は、山田一成氏が彼女の左側に立ち、左手で日の丸の端を持ち上げて広げた状態にして二人の背景としている。稲田朋美の場合は山田一成氏は彼女の右側に立ち、同じく左手で日の丸を広げて、稲田朋美の背景としている。

 決して一般的な光景としてある、日の丸の旗が垂れた状態で立てかけてあるところを背景としていたわけではない。わざわざ広げて、日の丸を背景とした。その意味は大きい。

 断るまでもなく、山田一成氏が日の丸で示した意味はオリンピックのときとは大きく違っているはずだ。山田一成氏は自らの思想である日本民族優越主義、日本単一民族主義、民族浄化主義、ネオナチズム等々を凝縮させた形で日の丸に象徴させていたはずだ。

 逆説するなら、山田一成氏の日の丸は常に彼自身の思想である日本民族優越主義、日本単一民族主義、民族浄化主義、ネオナチズム等々を表現していることになる。

 高市早苗も稲田朋美も、勿論、そんなことは知らなかった。――としよう。

 だとしても、単にそこに立てかけてあった日の丸が偶然背景となったわけではない。山田一成氏はわざわざ広げて背景とした。高市早苗も稲田朋美も、このことに気づかなかったわけではあるまい。気づかなかったとしたら、余りにも鈍感ということになる。

 気づき、日の丸の背景となることを認めた結果のツーショットであるはずだ。

 当然、その日の丸に日本の国旗であるということ以上に意味を持たせていることにも気づかなければならない。一般的に言って、右翼は日の丸に肯定的な意味を持たせ、サヨクは否定的な意味を持たせる。後者は殊更に日の丸を背景とした写真は撮るまい。

 高市早苗も稲田朋美も右翼である以上、右翼という存在が日の丸にどのような肯定的な意味を持たせているか知っているはずだ。

 高市早苗にしても稲田朋美にしても、山田一成氏の素性・思想を知らなかったを事実と認めるとしても、広げた日の丸を背景とした時点で、山田一成氏の素性・思想を認識する危機管理を発動させなければならなかった。

 にも関わらず、ツーショットの写真に収まった。高市早苗も稲田朋美も、広げた日の丸を背景としたことに抵抗どころか、そのような日の丸を通して山田一成氏の思想に近親性を感じ取ったからこそ写真撮影に応じたのであり、それが二人の危機管理であったということであるはずだ。

 実際に最初から山田一成氏の素性・思想を知らなかったかどうかは不明である。だが、殊更広げた日の丸を背景としてツーショット写真を撮ることを認めた時点で、その日の丸にどのような意味を持たせていたか気づいたはずであるし、気づかなければならなかった。

 もし高市早苗と稲田朋美が二人共危機管理に長けていたなら、同じ右翼の思想の持ち主だと気づいて、例え近親性を感じたとしても、のちのちの自己保身の危機管理上、ツーショット写真は断ったろう。

 右翼の政治家であるということ以上に、愚かしい政治家である。日本の政治を任せることができるだろうか。


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1 コメント

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Unknown (通行人0)
2015-09-07 14:12:26
戦争大好き安倍晋三妖怪右翼ばばぁ高市稲田なら2ショットは不思議や無いでしょ。自分等のカネ儲けと彼らの為に政治活動してんだから。

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