大企業は円高・株高演出のアベノミクスだけでなく、安倍晋三の「働き方改革」からも大きな利益を吸い上げる

2018-02-20 12:23:33 | 政治

安倍晋三:従軍慰安婦強制連行否定2007年3月16日閣議決定


「政府が発見した資料の中には、軍や官憲がいわゆる強制連行を
直接示すような記述も見当たらなかった」
とする
“政府発見資料”とは如何なる資料か、公表すべき


 安倍晋三が自身の「インスタグラム」に平昌オリンピックで金メダルを獲った羽生結弦と小平奈緒を祝福する投稿を載せたとマスコミが伝えていた。覗いてみたら、小平奈緒への投稿記事の中に「こういった祝福を寄せると、すぐ政治利用だと批判するヤツがいる」といったコメントが寄せられていた。

 金メダルアスリートを祝福しても、安倍晋三自身の権威づけになるとは思えないから、端的に政治利用と言うことはできなかもしれないが、人気情報に便乗して自身に対する好印象を期待する人気情報の利用と言えるかもしれない。

 このような意味では国民栄誉賞授与も人気情報の利用の側面を備えているはずだ。

 私自身もお節介ながら、「月並みな賛辞。国連演説や主要会合での演説のようにスピーチライターに書いて貰ったら、月並みから脱することができたに違いない」といったコメントを寄せたが、既に削除されている。

 安倍晋三が自身の「インスタグラム」に政治利用に見える羽生結弦と小平奈緒を祝福する投稿を載せたからなのかどうか分からないが、今日のアクセス記事一覧の中に2007年2月14日付当ブログ記事《人の死をも利用する安倍首相の冒涜行為? - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》がアクセス数僅か10人程度だったが、11年という時を経て亡霊のように蘇っていた。

 線路内に入った女性を助けようとして電車にはねられ、重傷を負ったのち回復ならずに死亡した巡査部長に対して安倍晋三は異例とされる弔問を行った。どのような利用なのか、参考までにここで紹介することにした。

 安倍政権は「働き方改革」を掲げて、「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」、「短時間労働者の処遇改善」、「長時間労働の是正」等の実現を目指している。

 その一方で年収1075万円以上の勤労者を労基法による労働時間、休日・深夜の割増賃金等を規制の対象から外す高度プロフェッショナル制度の創設や実際の労働時間に関係なく、労働者と使用者の間の協定で定めた時間だけ働いたと見なし、賃金を支払う仕組みの裁量労働制の見直しを掲げている。

 狙いの核は「労働生産性の向上」である。労働生産性とは労働者1人当たりが生み出す成果を言う。当然、同じ労働者数で労働の成果を上げれば上げる程、労働生産性は向上することになる。

 労働の生産性向上に成功すれば、企業が利益を上げることができ、企業の利益は賃金に還元されて、賃金の上昇に繋がることになる。但し企業が還元する気があるならばである。 

 企業としては賃金は抑制し、労働者数も可能な限り抑えて、生産性だけを上げたいと欲しているはずだ。

 他の先進国とは異なって日本の企業が利益を上げてきた要因の一つに長時間労働がある。労働者数が少なくても、残業で労働時間を増やせば、同じ労働者数で労働の投入量を増やすことができ、当然、労働の成果=労働生産性もそれなりにプラスさせることができるばかりか、逆に賃金は抑えることができる。

 残業がなくなると、満足に生活できない、余分な贅沢ができない、あるいは住宅ローンが払えなくなるといった労働者が多く存在することが残業が長時間に亘る程、企業にとっては賃金抑制のメリットとなり、このような労働状況によって労働生産性を維持している何よりの証明であろう。

 当然、安倍政権が「働き方改革」で掲げている「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」、「短時間労働者の処遇改善」等の賃金改善は企業のコスト負担増となって、企業利益にとってはデメリットとなる。「長時間労働の是正」は労働生産性にマイナスの影響を与えかねない。

 これらのマイナス面を補うには労働生産性のみを大きく改善しなければ「働き方改革」は絵に描いた餅で終わる。但し労働生産性を一挙に向上させる特効薬など存在しない。存在していたなら、2016年OECD加盟35カ国中の生産性が前年同20位で、6位のアメリカ(69.6ドル)の3分の2の水準にとどまり、主要7カ国では最下位というランクは遥か過去のものとしていただろう。

 となると、創設を狙っている年収1075万円以上の勤労者を労基法による労働時間、休日・深夜の割増賃金等を規制の対象から外す高度プロフェッショナル制度と実際の労働時間に関係なく、労働者と使用者の間の協定で定めた時間だけ働いたと見なし、賃金を支払う仕組みの裁量労働制の見直しといった新たな制度から企業の賃金負担増や、残業時間の短縮、あるいは長時間労働の短縮による労働生産性の低下を主として埋め合わさなければ、企業の利益自体が低下することになる。

 つまり企業としては企業利益維持の観点から賃金抑制や労働生産性維持の期待を高度プロフェッショナル制度と裁量労働制の見直しにかけていることになる。そうでなければ、企業の味方、特に大企業の味方である安倍晋三が「働き方改革」を進めるはずはないし、大企業側が賛成するはずはない。また、労働者の側に立つ野党が反対するはずはない。

 となると、安倍晋三の2018年1月29日の衆院予算委員会での「働き方改革」の議論中、厚労省の調査を元にして「裁量労働制で働く平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁して裁量労働制の見直しが決して悪法化ではないと思わせたものの、その答弁を2月14日の衆院予算委で撤回し、「お詫び申し上げたい」と陳謝したが、最初の答弁自体は企業、特に大企業に味方する意図を担っていたはずだ。

 なぜなら、いくら厚労省が出したデータだったとしても、目を通せば、企業にメリットとなるデータとなっていることに気づかなければならないからだ。例え目を通さずに答弁に利用したとしても、読み上げる過程で企業にメリットとなることに気づかなければならない。

 気づかずに答弁したとしたら、認識力もなく原稿を読み上げる人間と化す。もし労働側に味方していたなら、用いないデータであるし、大体が異なる比較を用いた間違っていたデータである。

 円高・株高を演出したアベノミクスから企業は、特に大企業は大きな利益を吸い上げた。安倍晋三の「働き方改革」からも、大きな利益を吸い上げるに違いない。
 

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