外相の岸田文雄、派閥所属議員のパーティーで安倍晋三の人物像を権力に驕り、狭量・短気だと語ったも同然

2017-06-27 09:29:44 | 政治

 2017年6月26日付朝日デジタルが福島県郡山市で開かれた派閥所属議員のパーティーに出席の外相岸田文雄の発言を伝えている。

 《「権力は大変恐ろしい、謙虚でなければ」 岸田外相》     

■岸田文雄外相(発言録)
 宏池会(岸田派)は今年で60周年を迎えた。宏池会を立ち上げた池田勇人総理が掲げたキャッチフレーズが「寛容と忍耐」だ。権力というのは大変恐ろしいものであり、権力を扱う者は謙虚でなければならない。寛容と忍耐でもって、権力を扱っていかなければならない。(宏池会は)こういった権力に対する謙虚さを持った政策集団だった。

 いま国際社会は大変不透明だ。国内政治もいろんな出来事の中で(安倍内閣の)支持率が下がり、いろんなことが議論されている。こういった不透明な時代だからこそ、宏池会の歴史を大事にしながら、日本の政治の行く末をしっかりとにらんで努力していきたいと思っている。(福島県郡山市で開かれた派閥所属議員のパーティーで)

 岸田文雄は安倍晋三の後継を狙っている。当然、相互の政治的立ち位置、あるいは政治思想、さらには国民を背景に置いた国会や記者会見での説明責任の態度等々の違いの有無に応じて見習うべき模範とするか、反面教師とすべきかが決まってくる。

 岸田文雄は言っている。「権力というのは大変恐ろしいものであり、権力を扱う者は謙虚でなければならない。寛容と忍耐でもって、権力を扱っていかなければならない」

 もし仮に安倍晋三が「寛容と忍耐」、謙虚さを持って国民や野党と相対し、そういった美徳に満ちた政治を行っていたなら、岸田文雄にとっては見習うべき模範となる。但し池田勇人が掲げたキャッチフレーズの「寛容と忍耐」という言葉の後に権力の恐ろしさや権力者が要件としなければならない謙虚さをわざわざ言う必要はなくなる。

 なぜなら、見習うべき模範にしますという言葉を続ければ済んだはずだからだ。それは池田勇人が掲げ、安倍晋三が既に体現している「寛容と忍耐」、謙虚さといった美徳に満ちた姿勢の政治を自らも行うことの誓いともなっただろう。

 そうしなければならないのは次のリーダーが前のリーダーの美徳に劣ってはならないからだ。劣ったとしたら、池田勇人が掲げたキャッチーフレーズ自体の価値を下げることになる。

 キャッチフレーズをキャッチフレーズとして維持するためには、前任者以上の美徳の発揮を心しなければならない。心し、実際にも発揮することによってキャッチーフレーズの価値をも保つことができる。

 だが、岸田文雄の発言はそういった展開を見てはいない。「権力というのは大変恐ろしいものであり、権力を扱う者は謙虚でなければならない。寛容と忍耐でもって、権力を扱っていかなければならない」と、権力の恐ろしさに対峙させて寛容と忍耐と謙虚さの必要性を自他への戒めとした。

 このような対峙を必要としたこと自体、安倍晋三が実際には「寛容と忍耐」、謙虚さを持ったリーダーはなく、それとは正反対の権力に驕った狭量・短気なトップリーダーだと間近に見ていて、そのような安倍晋三を対極に置いていたからに他ならない。

 要するに安倍晋三の国民を間に置いた政治姿勢を内心では反面教師としているからこそ、自他への戒めの言葉を口にすることになった。

 くどいようだが、もう一度繰返す。もし仮に安倍晋三が「寛容と忍耐」、謙虚さを持って国民や野党と相対し、そういった美徳に満ちた政治を行っていたなら、権力が陥りやすい驕り、驕りゆえの狭量・短気、その恐ろしさをわざわざ持ち出す必要性はどこにもない。

 岸田文雄は頭の中で安倍晋三の政治家像をそのように描いていて、その政治家像を反面教師として自他への戒めとした。

 いわば自分では気づかないままに安倍晋三の人物像を人物像通りに権力に驕り、狭量・短気だと語ってしまった。

 自民党東京都支部連合会会長の下村博文が東京都議選の東京・武蔵野市での応援演説発言を2017年6月25日付「NHK NEWS WEB」記事が伝えている。   

 下村博文「私たちは、東京を前に進め、東京オリンピック・パラリンピックを成功させるために、小池都知事に協力すべきところはしっかり協力する。しかし、スピード感が遅いところについては、背中を押していかなければ、間に合わなくなる。都議会で小池知事のイエスマンばかり増えれば、チェック機能がなくなってしまう。知事に対する白紙委任状を出す都議会であってはならない」

 後半の発言はそっくり安倍晋三に返すべきだろう。

 「内閣、国会で安倍晋三のイエスマンばかり増えれば、チェック機能がなくなってしまう。安倍晋三に対する白紙委任状を出す国会であってはならない」・・・・・・

 実際にも安倍一強支配の驕りが言われていて、反対意見を言える雰囲気ではないとの声も出ている。下村は安倍晋三一派を組んでいて、その中にいるから、内閣や国会がこのような状況に陥っている足元には気づかずに小池百合子を批判したのだろう。

 下村博文の鉄面皮もいいとこだが、安倍権力のこのような姿が外相の岸田文雄の自他への戒めの言葉を誘い出した。

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