GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

訪日観光客へ、日本の年末の楽しみ方

2016-12-22 04:33:04 | Talk is Cheap
年末年始に海外から日本に遊びに来られる外国人の方へ。
もしあなたがクリスチャンなら、「あれ?日本人って無宗教じゃなかったの」と不思議がるくらい24日までは街にはジングルベルが溢れてます。でもそれは決してイエスキリストをとか、マリアとか、聖なる日って考えはなく、もはやお祭りのように賑やかに騒ぎたいだけです。これはハロウィンでも一緒です。
その証拠に肝心の25日に教会にお祈りに行ったり、家族で厳かに過ごしたりもしません。
なぜかサンクスギヴィングと勘違いしてて、七面鳥の代わりにチキンを食べます。甘ったるいソースにつけた鶏もも肉だったりします。KFCのチキンはこの日に飛ぶように売れます。日本には焼き鳥という食文化もありますので、なぜかこちらの店もおじさんたちで大流行りです。コンビニのチキンも若者に結構人気です。

以前はフランス料理屋さんでワインなど飲んでたカップルも多かったですが、最近は少なくなりました。フランス料理屋さん自体が30年前に比べるとかなり減ってると思います。夜景の綺麗なバーラウンジにもカップルはいませんので狙い目です。
以前はイブの日に高級ホテルの宿泊予約は争奪戦でしたが、現在はかなり取りやすくなってる思います。最近はアジア系観光客の皆様のおかげでビジネスホテルの予約の方がとにくくなってます。はっきり言ってビジネスマンが困ってるくらいです。
賛美歌はほとんど流れてませんが、ワムの「ラストクリスマス」や、マライアキャリーの「恋人たちのクリスマス」はどこでも流れてます。山下達郎という日本のアーティストの「クリスマスイブ」という曲と並んで「定番」と言われてます。

クリスマスツリーをはじめ、街がイルミネーションに彩られます。ブティックやカフェレストラン以外にも、普通の民家や道路までライトアップや電飾まみれです。ちょっと前に「節電」とか騒いでた国とは思えないくらいきらびやかです。原子力発電所反対運動は最近下火のようです。それでも「エコ」とか「省エネ」という言葉は好きですから「電化製品コンセントプラグは使わないときは抜く」と推奨しながら、夜中でも電気がついてます。誰も通らないような道でもピカピカしていますので、治安にも糸薬買ってるみたいです。青色LED発明の国ですから、フィラメントの電球からLEDライトに変えることで省エネ・節電できてるという言い訳が存在してるらしいです。

クリスマスが終われば「年の瀬」または「歳末」と言います。アメリカやヨーロッパならクリスマスを終えた途端お休みに入るのでしょうが、日本では年末ギリギリまでやっています。百貨店や商店街は「歳末セール」というものをやっておりますので、格安で衣料や電化製品を買う方は是非ご利用ください。
ただ、この時期に商店街や百貨店に行くと、人混みで身動き取れなくなったりします。また、魚屋のおっさんに身振り手振りで進められ、勢いで「荒巻ジャケ(鮭)を一本買ってしまった」とか「マグロをコロで買ってしまった」、などという羽目にならないでください。ホテルでは調理してくれませんしね。
ただし大阪の黒門市場とかには行かないでください。普段は観光客も歓迎、というか観光客だらけなんですが、年末は一般の主婦や飲食店関係者で溢れかえってます。たぶん京都の錦商店街も同じだと思います。豊洲への移転が延びた東京の築地はどうなのかわかりません。

31日は大晦日と言います。この日はほとんどお店もやっていません。飲食店もオフィス街はほとんど閉まっていますので、気をつけてください。ただしチェーン店は開いていますのでご安心を。
この日の夜は「年越し蕎麦」を食べます。音を立てながらすするのが嫌だとか言わず、「縁起物」ですので是非食べてください。
紅白歌合戦と言う歌番組が国民放送NHKで流れてます。一時期より人気がなくなったとはいえ、日本国民の40%くらいの人が観ています。演歌と呼ばれる日本のソウルソングも聞けます。もしあなたがお笑いが好きなら裏番組の1ダウンタウンというコメディアンがやっている「ガキ使・笑ってはいけない」と言う番組がオススメです。

これが終わると窓を開けてみてください。どこかから鐘の音が聞こえてくると思います。「除夜の鐘」と言います。西欧の鐘の音と違い低く長く聞こえる日本のお寺の鐘は、108個ある「煩悩」を消してくれるのです。もちろん日本人でさえ、その煩悩一つ一つの名前は知らない人がほとんどですので、間違っても質問しないほうがいいでしょう。あなたたちの嫌いな愛想笑いをされて誤魔化されるだけです。

もし退屈なら、神社仏閣に行かれてはいかがですか。これを「初詣」とよびます。伏見稲荷や住吉大社など人気のスポットは大混雑です。油断してたらスリに遭うので、空いてる神社やお寺をお勧めします。どこでもそれほどご利益(ごりやく)は変わりません。ただし、中には「お酒の神様」とか「恋愛の神様」と特出した神様がいるところもありますので、事前に調べておいたほうがいいかもしれません。
「屋台」というものが参道には並んでいます。タイやベトナムの屋台とは違い、こちらはテキ屋とかヤクザと呼ばれるアウトローな人たちがやってる屋台です。テイクアウトして歩きながら食べるスタイルです。最近では座って食べれる屋台も出てきましたが、是非ヤンチャな兄ちゃんが威勢良く焼いてる「たこ焼き」とか「お好み焼き」という小麦粉加工物にソースをかけたジャンクフードを、歩きながら食べてみてください。座って食べるより数段美味しいですよ。つい色々買ってしまいたくなったら、「イカ焼き」とか「とうもろこし」というのがオススメです。
ただし、着物を着た女性の近くでは注意してください。日本人でも普段は滅多に着なくなった着物ですが、この日に着てる着物は「晴れ着」と呼ばれるものです。普段は温厚な日本人も晴れ着をソースで汚されたらえらい剣幕で怒ります。クリーニングは専門店でしかできないので高額な支払いを要求される場合があります。

初詣が済んで、屋台も堪能したら、朝までやってる居酒屋などでダラダラと過ごすのもいいかもしれません。混み合っていますので相席をお願いされたり時間制になってたりしますので気をつけてください。
大晦日は夜通し電車が動いていますので、最終電車を気にすることはありません。
そのまま「初日の出」を見に行ったりするのもいいかもしれません。厳かになれること間違いなしです。
夜や明け方は寒いから、暖かい格好で行ってくださいね。日本に来て風邪をひいてしまっては楽しめませんのでね。

それでは日本の年末を楽しんでください。


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