日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 党大会は終わってからが本番です。昨日閉幕した「十七大」(中国共産党第17回党大会)で選出された第17期中央委員によって本日(10月22日)、「一中全会」(党第17期中央委員会第1次全体会議)が開催され、注目の新人事が発表されました。

 まずは中国における事実上の最高意思決定機関「党中央政治局常務委員会」から。赤字が新顔です。

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●党中央政治局常務委員

 胡錦涛 呉邦国 温家宝 賈慶林 李長春 
習近平 李克強 賀国強 周永康

 現行の9人体制を維持した形です。このメンバー、「十七大」終盤にはほぼ予測されていた顔ぶれですけど、習近平の序列が李克強の前にあるのがポイントですね。


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 続いて党中央政治局。こちらは序列ではなく簡体字の画数順で名前が並んでいます。


●党中央政治局委員

 
習近平 王剛 王楽泉 王兆国 王岐山 回良玉 劉淇 劉雲山 劉延東
 
李長春 李克強 李源潮 呉邦国 汪洋 張高麗 張徳江 周永康
 胡錦涛 兪正声 賀国強 賈慶林 
徐才厚 郭伯雄 溫家寶 薄熙來

 予想以上に若返ったなあという印象。新顔には胡錦涛直系の「団派」がかなり入っています。引退した曹剛川(党中央軍事委員会副主席)の代わりに徐才厚(党中央軍事委員会副主席)、ということも含めて、胡錦涛かなり頑張った、という感じです。まあ抱き合わせのような形で旗幟不鮮明な連中もメンバー入りしていますけど。


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●党中央書記処書記

 
習近平 劉雲山 李源潮 何勇 令計画 王滬寧

 党中央の日常の事務を仕切るところです。画数順ということわりがないので序列順なのだと思います。胡錦涛系も仲間入りしていますけど、トップは習近平。総書記修業か、という印象です。


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●党中央軍事委員会

 主席  胡錦涛
 副主席 郭伯雄 徐才厚
 委員  梁光烈 陳炳 李繼耐 廖錫龍 
常万全 靖志遠 吳勝利 許其亮

 副主席の曹剛川が引退したものの空いたポストへの補充はなしです。新顔の3人を含めて、先の大幅な人事異動で抜擢された面々が中心。胡錦涛カラーが強まったとみていいのでしょうか?


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 このほか党中央規律検査委員会はトップに賀国強。こいつは胡錦涛と割と疎遠だったような気がします。汚職摘発は政敵を葬るいちばん手っ取り早い方法ですから、うーんという感じです。

 第一印象。胡錦涛よく頑張った!でも所詮は小粒だけに独裁には程遠い内容。党規約に入れてもらった「科学的発展観」がどこまで浸透・徹底されるかは不透明といわざるを得ません。

 バランス・妥協人事は予想されていたこととはいえ、いまの中国ではトップによる独裁が成立しなければ抵抗勢力を潰せないから最後には亡国。くどくなりますが「強権政治・準戦時態勢」が敷けなければ構造改革なんて無理ですから。


 ●「新華網」(2007/10/22/12:35)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-10/22/content_6921354.htm




コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
越前クラゲ (町方同心)
2007-10-22 23:30:11
こんばんわ。胡錦涛VS上海閥、調和重視VS経済成長優先、という対立は分かり易く、中国政治に意味の善悪を問わず緊張感を与えてきたと思います。しかし、江沢民も馬齢を重ね、よる年波81ともなれば、影響力は当然フェイドアウト。今後の指導者には(胡錦濤にもその次にも)、国をまとめるカリスマ性が期待できない状況で、国内に明確な対立軸を失うというのは、どういうことになるのでしょうか?結局、総論で中央を立てながら、皆で仲良く利権を吸いあい庇い合う、民主的チェックの全くない→つまり緊張感をすっかり欠いた、フワフワした巨大越前クラゲのような国の出来上がり?? こんな程度の悪い連中の結束の手段に、「反日」を持ち出されたのではたまらない。
 
 
 
中国オワタ。 (御家人)
2007-10-23 00:29:51
>>町方同心さん
 対立軸ということであれば、胡錦涛ら「構造改革派」と改革・開放の負の部分で甘い汁を吸ってきた「既得権益層」の戦いということになると思います。おそらく両者が「科学的発展観」を掲げて争うことになるでしょう。「構造改革派」が推進しようとするのは字義通りの「科学的発展観」ですが、「既得権益層」は骨抜きにした「科学的発展観」を唱えて面従腹背です。今回の人事争いでは江沢民がよく持ち出されているようですが、もしそうであれば江沢民自身の影響力ではなく、「既得権益層」が江沢民を担いで胡錦涛に対抗し、胡錦涛がそれに屈した、ということではないかと。

 バランス人事・妥協人事は党大会の常。むしろ胡錦涛はよく踏ん張ったといえるのではないかと思いますが、御指摘の通り「国をまとめるカリスマ性が期待できない」ため、特に内政面において政権運営に切れ味を欠くことになるでしょう。両者とも相手に致命的ダメージを与えられないつねり合いを繰り返すなかで時間だけが浪費され、対立軸は反目の程度も波及度も危険水域へとどんどん近づいていくことになります。

 競争原理の導入と分権化が改革の骨子といえるのではないかと思いますが、政治的にも経済的にも、分権化によって生じる負の部分をコントロールするシステムを構築できなかったのが全てです。20年前ならまだ何とか手を打てたかも知れませんが、政治改革を置き去りしたまま20年間も片肺飛行を続けた結果の現在は癌があちこちに転移した状態で、もう打つ手がありません。唯一とり得る選択肢が胡錦涛の構造改革が字義通りに断行されることですが、これも延命措置にすぎません。という訳で標題のような感想が浮かびます。
 
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