日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 小泉首相が対中外交において目指しているのは「日中関係の構造改革」ではないか、と前回書きました。やや具体的には麻生外相のいう「上下関係のない対等な二国間関係」。国際社会の枠組みの中で二国間関係に上下関係が出現することはままあるでしょうが、日中関係についていえば「対等な関係」というのはしごく真っ当なものでしょう。

 国交正常化以来30余年に及ぶ対中外交を振り返れば、「対等な関係の実現」というのは戦略的転換といってもいいでしょう。その意識を日本国民に浸透させ、同時に中共政権に知らしめるべく行われたいくつかの試みのひとつが、小泉首相による靖国神社参拝です。

 靖国問題に関しては日本国民の中から異論が出るのは自然なことです。ですからそれを議論するのは大いに結構だと思います。ただしあくまでもこれは日本国内の問題であり、日本国民のみが議論する資格を有しているものです。

 日本国内の問題である以上、他国の干渉はもちろん許されません。日本国民の問題ですから、日本在住の外国人がとやかく言う資格が全くないことも言わずもがなです。それなのに中国はその内政干渉を幾度となく繰り返してきた。小泉首相は靖国神社を参拝するという行動を以て、その都度それを跳ね返してきました。……いっそ、

「中共政権の行為は日中関係の原点たる日中共同声明に違反するものである」

 と踏み込んで一喝すればいいのです。「日中共同声明」の第6項に以下の文言があります。

「日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。」

 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_seimei.html

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 「八・一五参拝」を公約したのに期日をずらすのは姑息だ、という意見もあるでしょうが、何はともあれ毎年1回の靖国神社参拝を貫き、中共の批判に頑として応じなかった小泉首相の姿勢は、過去の日本の総理大臣にはみられなかったものです。その一貫した姿勢を支えているのが「日中関係の構造改革」という目標ではないか、と私は思うのです。

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 ●小泉首相:在任期間中に靖国参拝示唆 首相官邸で記者会見(毎日新聞 2006/03/27)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060328k0000m010087000c.html

 小泉純一郎首相は27日夜、06年度予算案成立を受け、首相官邸で記者会見した。首相は、9月の自民党総裁選の争点に浮上しているアジア外交と自らの靖国神社参拝について「私の靖国参拝を批判する中国、韓国の政府がいまだに理解できない。中国の言うとおりすればアジア外交が展開されるものではない」と強調。両国の対応を改めて批判、今年も「年1回」参拝の前例に沿い、首相在任期間中に参拝を行うことを示唆した。

 首相は靖国参拝について「適切に判断する」としながら「これは心の問題だ。靖国参拝をやめれば中国、韓国との関係がうまくいくというのは、突き詰めれば中国や韓国の言うとおりしなさいということにつながる」と強調した。
(後略)

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 ●小泉首相が靖国参拝批判に強く反論(Sankei Web 2006/03/27)
 http://www.sankei.co.jp/news/060327/sei090.htm

 小泉純一郎首相は27日夜、
(中略)首相の靖国参拝を中国や韓国が批判していることについて「意見の違いがあるから首脳会談を行わない国はほかにない」と述べ、厳しく批判した。

 さらに、首相は「日本の首相が日本の施設に行くことに対して、『中国の言うとおりにしなさい、韓国の言うとおりにしなさい』という方々も私は理解できない」と述べ、国内の一部マスコミや言論人の批判に強く反論した。

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「これは心の問題だ。靖国参拝をやめれば中国、韓国との関係がうまくいくというのは、突き詰めれば中国や韓国の言うとおりしなさいということにつながる」

「日本の首相が日本の施設に行くことに対して、『中国の言うとおりにしなさい、韓国の言うとおりにしなさい』という方々も私は理解できない」

 首相の口からこうした実にわかりやすい、国民一般にも素直に頷いてもらえるような発言が出るようになったのも、毎年1回の参拝という事実が積み上げられたからこそ、だと思います。ODA(政府開発援助)の今年度分凍結(決定先送り)という強硬措置も、4~5年前なら到底実行することができなかったものでしょう。

 ポスト小泉の条件とされる「小泉政権の改革路線を継承する」という中に、「日中関係の構造改革」が含まれていることを祈るばかりです。


「下」に続く)



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