昨日から茅場町のビジネスホテルに宿泊しています。
もちろん、中秋節である今夜を「笑笑」茅場町駅前店で独酌して過ごす(突発OFF)ためです。この店、本来なら拙宅からの徒歩圏内なのですが、私の航続距離が縮む一方であることに鑑み、万一に備えて店の近くに不時着場を確保した次第。
先夜の突発OFFに参加して下さった皆さんには耳打ちしてありますが、私の宿痾はすでにレッドゾーンでして、たぶん皆さんが想像されているよりもヤバい状態にあります。ほどなくオーバーブーストに突入するでしょうから、そうなれば「あらえっさっさー」のカウントダウンが始まることになるでしょう。
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それはともかく、いま私はビジネスホテルに泊まっています。朝食から戻って一服していたつい先刻、隣室前の廊下で話している宿泊客2名の声がうるさいので耳を澄ませてみると、おおこれは紛れもない中国語。
となれば、やることは決まっています。私はすぐ廊下に出て相手を睨みつけつつ、
「實在太吵了!支那豬閉嘴!……支・那・豬・閉・嘴!」
と一喝(私の声の方がうるさいってばw)。すると奇襲に泡を喰ったのか、怒鳴られたうちの1名が慌てて拝む格好して私に謝り、連れとともに自室へ引っ込みました。むろんその背中に向けて、
「來生不做中國人,來世做豬都不做中國人」
と浴びせてアフターケアも完了です。かくして天魔覆滅。今夜も信号旗ではなく戦闘旗を掲げますよー。……大人げないって?だから何?
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さて今回の一件。
ヲチを禁じられている私は前回のように取ってつけたような簡単なコメントしかできません。あんなの飾りです。偉い人には……じゃなくて、毎日最低4時間はかけて舐めるように記事漁りし続けなければ、私のような要領の悪い者には何事かが頭に浮かんで来ませんし、あれこれ書くことができません。
だから今回も「メモ」であります。尖閣問題あるいは日中関係における中国側の運動律から考えられることを、思いつくままに列挙してみます。
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●中国側の誤算
安倍さんや麻生さんが首相ならともかく、民主党政権だからちょっと脅かしてやれば……と考えてリアクションしたものの、日本側にはダメージとなっておらず、逮捕した船長を「法に則して粛々と対処する」という姿勢を中国側は翻させることが未だにできないままです。
閣僚級の接触禁止だの、諸問題に関する協議の延期だの、民間交流の制限だの、中国人による日本観光の大幅キャンセルだの……と、具体策で揺さぶってきたのに、日本側の姿勢には変化なし。逆にAPECでの中国代表による表敬訪問を国交相から拒否されてしまいました。
私は記事集めをしていませんから確言できませんが、門前払いを喰らって面子丸潰れのこの件ばかりはさすがに恥ずかしいのか、中国国内では報道されていないようです。
民主党代表選でオザワが一敗地にまみれたことが、ここで効いているように思います。たぶん現内閣と中国の間には、政治的決着を図るためのパイプがまだ構築されていないのではないでしょうか。
昨日(21日)の外交部報道官会見では、それまで船長の釈放を「要求する」としてきた中国側の物言いが「希望する」へとソフトになりました。ここにも打つ手が乏しくなった迷いが見られます。
私見としては、次の声明は一転して強硬な言辞が並ぶように思います。
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●外交部声明の強硬度
これについては前回もふれましたが、記憶違いなどもあるので改めて。
中国政府が日中関係の現状に強い不満を持ったときに中国外交部の声明に登場する常套句があります。それが「中日間の3つの政治文書」云々(確かいまは4つ)、というもの。「3つの政治文書」とは「日中共同声明」「日中平和友好条約」「日中共同宣言」です。
例えば2007年に李登輝・元台湾総統が来日したときには、
「中日関係を発展するカギは中日間の3つの政治文書の原則と精神を堅持することにある」
という声明が出ています。これは本気の反発としてもまだヌルい方で、2003年末に森喜朗・前首相(当時)が台湾を訪問して李登輝氏らと会見したときには、
「『中日共同声明』など中日間で取り交わした3つの政治文書の基本原則を遵守するよう要求する」
と、前者よりも強い調子になっています。「要求する」ときた訳です。
中国が本当に怒り心頭なら、
「3つの政治文書の原則と精神に違反している」
となるところであり、最高レベルなら、
「3つの政治文書の原則と精神に深刻に違反している」
てなところでしょうか。以上はあくまでも経験則ですが、この「日中間の政治文書」云々が声明に登場しない時点では、強硬姿勢のようでいて、実はまだ本気度十分という訳ではないのです。
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●前原マンマーク
「飴と鞭」のうち「鞭」が目下のところ通じそうにない現状。こういう状況になったときに中国がまず試みるのが分断工作です。
悪玉と善玉という二色刷りの大好きな国ですから、まず前原外相を悪玉に仕立て上げてあれこれと非難します。
一方で菅首相などその周囲の連中は善玉にして前原外相を孤立させ、「前原外相を黙らせれば全て丸く収まる」という雰囲気を作り上げるよう努める可能性があります。
たぶん中国国内メディアではジャスコ岡田・前外相を引き合いに出し、中国脅威論を公然と展開させた「前科」も絡めての「前原叩き」が行われる可能性があります。
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●「対外強硬派」の蠢動
中国側からみて事態が手詰まりめいてきた現在、考えられることは「対外強硬派」の台頭です。
「対外強硬派」と敢えてカッコ付きなのは、真性の対外強硬派だけでなく、この件をテコにして胡錦涛政権を揺さぶってやろうと考えている反胡錦涛グループや、胡錦涛政権の政策によって利益を削られそうな既得権益層が戦列に加わることは必至だからです。
「要求する」が「希望する」へとクールダウンしたこと自体が「対外強硬派」にとっては胡錦涛政権を突き上げる材料。また、きょう9月22日は中国にとって家族の円満と団欒を象徴する中秋節という大事な日なのですが、それまでに逮捕された船長を帰国させることができなかったことも叩く材料になるかと思います。
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●ネット署名再び?
「対外強硬派」による胡錦涛叩きとして考えられるのは、ネット世論を利用した反日活動です。
ヲチをしていない私にはこの辺りの機微がつかめないのですが、2005年春の反日騒動のときのように、あるいは2008年春の対仏攘夷運動のときのように、「船長釈放ネット署名」から街頭署名・不買運動へと発展して最後は全国で反日デモ、というプロセスをたどる可能性は排除できないでしょう。
むろんその背後では「対外強硬派」が糸を引いている訳で、ここまでくると今回の一件は、日中関係より中国国内の権力闘争メインへと変質していくことになります。
ただし、デモがあまりに過熱すると「反日」が「反政府」に転じる恐れがあり、こうなると何が起こるかわかりません。デモが全国各地で頻発するようになると「対外強硬派」も手綱を絞れなくなるので、胡錦涛政権と手打ちを行い、互いに「中共人」であるからこそ得られる特権の保護に回るでしょう。
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●東海艦隊
人民解放軍の海軍のうち、尖閣諸島の周辺海域は東海艦隊の担当となります。胡錦涛政権がこの東海艦隊をしっかり掌握できているかどうかは、事態の推移次第によっては重要なファクターとなってきます。
この東海艦隊、約4年前に香港の民間団体が尖閣へと船を出したときには、尖閣諸島からわずか300kmのところで、民間団体の行動をバックアップするかの如く実弾射撃演習を行っています。
この実弾射撃演習、前線部隊あるいは東海艦隊の独断なのか、党中央軍事委員会からの許可を得て行ったものかは私にはわかりません。
尖閣諸島付近では日中ともども示威行為で日常的にやり合っているでしょうから、最前線の士気は日中双方ともに高いとみることができます。中国側の暴発という可能性も一応、頭に入れておくべきでしょう。
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●ニッポンを、守るために
上で政治的パイプの未構築について言及しましたが、むろん、私は政治的決着には大反対です。国家の主権と国益に関わる問題ですから、日本政府はここ一番ばかりは筋を貫き通さなければなりません。中国側は経済的な揺さぶりを企図しているようですが、これで怪我をするのは日中双方。
とにかく国家の主権と国益に関わる問題なのです。毅然とした態度を通すことで国民の生活に多少の影響が出ようとも、政府はそれを二次的問題としてあくまでも「国家」を優先し、一方で国民も「副作用」を受け入れて甘んじる必要があります。
商売であれ何であれ、全ては、まずニッポンという国家があってこそ、なのです。
思うに三国干渉から日露戦争までの時期における日本人には、国権の重さという側面があったにせよ、「臥薪嘗胆」を合言葉に「副作用」を受け入れる「頑張れニッポン」精神があったように思います。
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まあとりあえず、こんなところで。温家宝も「船長を釈放しろ」云々と発言した、と新華社が速報していますが、この速報記事ではやはり「中日間の政治文書」に言及していないので、本格的な対抗措置はまだまだこれから、といったところでしょう。
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これから、どうなるか判りませんけど、経済を起点にした中国包囲網が出来つつあるような気がしています。御家人さん、もう少し、頑張ってこっちの世界にいてください。何か、大きな事が起きる気がしてならないのです。
次のオフも可能な限りお邪魔させていただきます。
ありがとうございました。
今、海上保安庁に感謝のメールを送りました。
チャイナの尖閣侵略は言語道断です。
宣伝ご容赦下さい
http://taiyou.bandoutadanobu.com/
元警視庁通訳捜査官である坂東忠信氏サイト「 外国人犯罪の増加から分かる事 」
チャイナの尖閣侵略と日本への入国居座りの脅威を掲載し更新中であります。
坂東忠信氏の新刊 日本が中国の自治区になる
産経新聞出版
「 尖閣、板東 」で検索しますと板東氏を初めとする識者が解説する動画が出て来ます。
更には、河添恵子氏のブログ
河添恵子氏の新刊
中国人の世界乗っ取り計画
産経新聞出版
中国人とは愛を語れない
並木書房
ご高覧頂けると幸いであります。
m(_ _)m
乱文にて 敬具
御家人さんの自由な時間ができるだけ続きますように。
またの機会を楽しみにしております。
こっちで働いてる人間にとって、他人事じゃあないです。
身近なところでもセブンイレブンやらユニクロやらサイゼリアできて、ずいぶん暮らしやすくなってきたんですが、
異質な国ってことは忘れちゃあいけませんね。
中国の国家安全機関、軍事管理区域に侵入したとして日本人4人を取り調べか
http://www.fujitv.co.jp/news/fnn.html
中国の国営通信社・新華社は23日夜、中国の国家安全機関が河北省にある軍事管理区域に侵入したとして、日本人4人を取り調べていると報じた。
報道によると、4人は軍事目標を不法にビデオ撮影したとしている。
また、石家荘市にある国家安全機関は、4人を法律に基づいて取り調べを行っているという。
(09/23 23:40)
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