日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 本当は前回のコメント欄で出た「中共政権崩壊のプロセス」についていま時点の自分の見方を書きたかったのですが、如何せん本業が忙しい時期に入ってしまったので今回は雑談に逃げます。

 私はACG業界(アニメ・コミック・ゲーム)に近い場所で、そうした創作物にあまり関心を持たないまま仕事をしているのですが、9月というのは年末商戦に向けた仕込みが表面化する時期です。

 特にゲーム業界は年末を見据えたゲームソフト制作が本格化していますし、その一端を披露する展示会も開かれます。しかも今年は約5年に1度の周期である家庭用ゲーム機の新モデル登場の年でもあり、みなさん例年より士気旺盛、というか相当気合いが入っている様子です。

 で、その展示会やら何やらで香港や台湾の仕事仲間(副業の雑誌編集者を含む)がたくさんやってきます。私は唯一の外国人ということと、年齢のせいで何やら御意見番的な席に座らせられていることもあって、自社他社問わず連中とは親しく付き合っています。

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 「電車男」の様式美(笑)を地でいくようなアキバ系を自認する奴らばかりなので、来日するやまず足を運ぶのが秋葉原。向こうも出張で来日しており過密スケジュールですから、到着日と出発日にある限られた自由時間、そして秋葉原を通過する移動のときに立ち寄って買い物をしまくるのです。

 最初は私も付き合っていたのですが、連中の方が秋葉原を熟知していることもあって現在は別行動。というより、秋葉原に着くなり同人誌(18禁)の店とかPCゲーム(18禁)の店とか、あとアニメか何かのフィギュアを熱心に漁っていくので閉口したというのが本音です。

 「五ついつものエロショップー」とでもいいますか、何だお前ら18禁なら普通のエロDVD(実写版)には興味がないのか、と聞くと2次元の美少女以外は愛せないのだそうです。あまりそれ系統の店ばかり行くので私が露骨に嫌な顔をしたら、連中も一緒に行きましょうと言わなくなりました(笑)。でも今年は私をメイド喫茶に連れていく計画が進行しているようです。これが香港チーム。

 台湾の仕事仲間は攻略本とか原画集とか設定資料集とか、台湾では入手困難だったり高く売られていて手が出ないものを中心に漁っていくようで、一見真面目な印象です。でも血は争えないと言いますか、私には何も言わずむしろ私の目を盗むといった感じで、行くところには行っている模様(笑)。

 この香港チームと台湾チームを引き合わせて交流させたことがあるのですが、香港は広東語、台湾は北京語ということで、驚いたことに日本語でコミュニケーションをとっていました。そこは同好の士ですから、片言まじりでも十分に話が通じて、盛り上がっていたのが面白かったです。ええ、もちろん私がついていけない分野の話題で(笑)。

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 ただ一人だけ例外的な台湾人がいまして、これは軍事マニアとでもいうのでしょうか、

「あのー日本海軍で『雪風』って駆逐艦があってさ、台湾に賠償艦として……」

 と言うと、

「ああ『丹陽』ですね」

 と即座に反応が返ってきます。たまりません(笑)。台湾で関連資料がないか探してくれているのですが、未だにめぼしい発見はないようです。

 兵役期間中は戦車を動かしていたそうですが、日本に来ると「まず零戦がみたい」というので肩を抱くようにして靖国神社に連れていってやります(笑)。

 遊就館の売店は戦争関連の書籍が意外と充実しているので、それを喜んで買っていきます。

 著名な撃墜王だった故・坂井三郎氏の『大空のサムライ』などは当然読んでいて、読んでいるからこそなのですが、以前遊びに来たときに『大空のサムライ画集』のようなものを見つけて狂喜していました。へーこんなものが出ていたのか、と私も一緒に買いました。

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 ところが寂しいことに、最近は来日する人数が年々減っています。特に報道関係者にその傾向が強いです。

 理由は「カネがかかる。無駄だ」というその一点のみ。専門誌などはほぼ全てが小資本のオーナー企業なので、表面的な算盤勘定でそうなってしまいます。香港にその傾向が強いです。これは私が香港を嫌う理由のひとつでもあるのですが、「人材を育てる」という発想がスッポリと欠落しています。

 編集者や記者を機械の部品か何かのように考えているのです。だからしばしば没義道なリストラも行われます。経営者に言わせると、

「編集者1人雇うなら未経験だろうと若い奴の方が給料が安くていいじゃないか」

 という理屈になります。編集部を無理矢理若返らせても雑誌のクオリティは維持されると思っているようです。無茶苦茶な理屈ですが、オーナー企業であるためにそれが鶴の一声で実施されてしまいます。

 そんな訳ですから、東京に記者や編集者を派遣することも当然ながら渋ります。渋った挙げ句、人を送らない専門誌や新聞、大手週刊誌が最近は増えています。

 これまたオーナーの理屈なのですが、例えば展示会の取材であれば、わざわざ日本に人を派遣しなくてもネット上にいくらでも写真があるからそれを使って誌面をつくればいいじゃないか、という知的財産権などまるで眼中にない考え方です。

 香港にして、いまなおこういう考え方がまかり通っているのです。まずはあの小さな香港でこうした風潮を一掃できない限り、中国本土の海賊版根絶に向けた橋頭堡は確保できないでしょう。

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 要するに、「やったもん勝ち」なのです。

 ……とは、コミックやゲームソフト、アニメ雑誌やゲーム雑誌などで現実に起きていることですが、日本の業界が乗り出してこない当初はコミックやゲームソフトの海賊版、それに知的財産云々を一切無視したアニメ雑誌やゲーム雑誌が香港の市場で幅をきかせています。そこに香港進出のため日本の業界関係者が様子を見にくると当然ながらビックリします。

 香港にも海賊版でなく正規品市場を確立したい。……というのが目的の日本側が次に何をするかといえば、とりあえずは法的手段に訴えて撲滅にかかります。ただしこれはイタチごっこの面もありますし、本丸まで攻め込めないのが一般的です。

 そして、そうした行為が徒労であることに気付くと、日本側は海賊版市場の売り手における大手企業と接触し、正規品販売に転じるよう促します。様々な経緯を経てそれが実現すると、昨日まで海賊版の大手販売業者や問屋だったところが正規品商売に切り替え、まだ海賊版を扱っている業者を大手の強みで潰しにかかります。

 香港の現状はコミックやアニメはほぼ正規品に切り替わっており、ゲームソフトは転換作業中、そして専門誌に対しては、日本側は「更正」させる情熱を半ば失い、匙を投げているといったところです。

 だから「やったもん勝ち」。違法だろうと何だろうと海賊版市場の大手になってしまえば、正規品への転換が進んでもその地位を保証されるのです。

 台湾もそうです。例えば大手PCゲームソフトメーカー。実名を出すのは控えますが、その少なからずはファミコンやスーバーファミコンの時代に海賊版で大手たる立場を確立し、資本を蓄積した前科者ばかりです。

 正規品が浸透していく、というのは喜ばしいことですが、元海賊版大手の企業が「やったもん勝ち」で得をしているのは……まあよくある話なんでしょうけど、美しくないですねえ。

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 こういう視点から眺めてみると、中共政権がいま各面において「やったもん勝ち」を着々と進めている最中であることがわかります。

 これは釈然としないとか美しくないといったレベルの話ではなく、近隣諸国ひいては国際社会に害を及ぼすものですから、危険な芽は早めに摘み取り、必要なら各種の制裁措置などで厳しく説教することが肝要かと思います。

 漫然と政権が潰れるのを待っていては断じていけません。待っていれば潰れるよりも早く、中共政権は「やったもん勝ち」の恩恵を受け、それがいかに醜悪なものであろうと国際社会はその地位を保証せざるを得ないことになるでしょう。



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