銀幕大帝α

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菊次郎の夏

2017年08月02日 13時18分15秒 | 邦画ドラマ
1999年
日本
121分
ドラマ
劇場公開(1999/06/05)



監督:
北野武
『龍三と七人の子分たち』
脚本:
北野武
編集:
北野武
音楽:
久石譲
出演:
ビートたけし菊次郎
関口雄介正男
岸本加世子菊次郎の妻
吉行和子正男のおばあちゃん
細川ふみえ優しいお姉さん
大家由祐子正男の母
麿赤兒こわいおじさん
グレート義太夫デブのおじちゃん
井手らっきょハゲのおじちゃん



<ストーリー>
祖母と暮らす小学3年生の正男は夏休みを利用し、会ったことのない母親に会いに行こうとする。無職の中年男・菊次郎の妻は、そんな正男を心配し、菊次郎に正男の旅を同行させる…。

-感想-


ふーみんジャグリング上手すぎ。
このシーンの為だけに猛練習したんかな。
たけしさんも後のバス停で「簡単じゃねぇか!」てやって見せてたけど、コツさえ掴めば意外と出来る芸当なのかもね。

本作でも安定のたけし節。

「うるせえコノヤロー、うるせえバカヤロー」
非暴力的映画でもやっぱりたけしさんの十八番が聞けると妙に安心する。
真っ当な役のたけしさんよりもヤクザな男役のたけしさんの方が僕は好きだな。

ヒッチハイクするのにたけしさんが杖をつく盲人の真似をするんだけれど、このアイデアを『座頭市』に活かし、タップする姿も出てくるが、これも『座頭市』に取り入れようと思ったのかしら。

偶然か、必然かは分からないけれど、2作の繋がりが感じられて面白いシーンだった。

たけし軍団の扱いが滅茶苦茶なのは致し方なし。
師匠には逆らえないでしょ笑。

「おい、これやれ」「はい!」
絶対考える暇も与えず即答させてっぽい。
「え~?こんなんするんですか?」なんて楯突いたらニヤニヤしながら「やるんだよバカヤロー」て圧を掛けてカメラ回している姿が目に浮かぶよ。
良い意味での師弟関係が内容を明るくさせているのは確か。
その無茶苦茶な事を子供の目の前で全力でやらされている所が滑稽なんだけどね。
正男役の子が演技でそれらを見て笑っているんじゃなく、素で笑っているてのが微笑ましい。
ということは台本にはこれらは無くて、現場でたけしさんが咄嗟に思い付いた事を直ぐに取り入れて、物語の一部に組み込んだ可能性はある。
あの子役の本気の笑いを見てたらそう思わずにはいられないんだよなあ。

破天荒なおじちゃんと一緒に母親探しの旅を続けている内に、正男はふと見せるおじちゃんの優しさに気付き始める。
ようやっと探し当てた母親が新しい家庭を持ち幸せに暮らしているのを遠くの場から目撃してしまった正男。
たけしさんも唖然とした表情を出すが、直ぐに大人としてのフォローに回る。
「人違いだったな。お前の母ちゃん、ここには居ないみたいだなあ」
と。
正男の心情を察し、そっと気遣い、そして何事も無かった、何も見なかった風に「帰ろうか」と言葉を掛けてきたおじちゃんに心を大きく許した瞬間が海の砂場でのシーン。

正男の方からおじちゃんに駆け寄り手を握るてのは胸にグッと響いてくる。
そして、東京に戻ってからも、たけしさんは正男に温かい言葉を残す。

お互いに母親との間に縁がないという環境が正男とおじちゃんの距離をここまで一気に近付けさせたんだろうねぇ。

母親と直に接触は出来なかったけれど、素敵な夏休みの思い出が作れた正男。
別れる際に満面の笑みを浮かべておじちゃんに向かって叫ぶ。
「おじちゃん、名前なんていうの?」
「菊次郎だよ、バカヤロー笑」
おじちゃん、いや菊次郎のその時の顔も満更ではない様子で、ニッコニコに叫び答えてたてのは、もしかすると正男よりも旅を一番に満喫したのは菊次郎本人だったのかもしれないね~。

いや~面白かった。
随所にたけし流お笑い要素を振り撒いたバタバタ珍道中、クスクスロードムービーですが、後半には感動も用意し、観終えた後はほっこりとした気分で余韻に浸れる傑作以上の好品。
観る人の心を幸せにしてくれる物語、聴く人の心を安らいでくれる久石譲の音楽。
文句無くオススメ!

評価:★★★★☆
17/08/02DVD鑑賞(旧作)
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